今日は何の日(2020/1/15)

1. 小正月(こしょうがつ)

旧暦の1月15日は立春後の満月にあたり、かつて日本ではこの日を一年の始まりである正月として祝っていました。これは、昔の日本人が、満月をめでたいものだと考えていたことに由来するそうです。
その後、中国式の太陰太陽暦が伝わり、日本でも公的な暦になると、1月1日が正式に正月と定められることとなりました。しかし、一般庶民の間には、新しい暦が導入された後も「1月15日=正月」という意識が残っていたため、両者は「大正月」「小正月」と区別されるようになったそうです。

大正月が年神様を迎える行事なのに対し、小正月は豊作祈願や家庭的な行事が多くなっています。大正月を男正月、小正月を女正月ともいい、松の内に多忙をきわめた女性をねぎらう休息日でもありました。

古くはこの小正月までが松の内(正月飾りを飾る期間)とされてきました。近年では、関東を中心として7日までとすることが多くなっていますが、関西などでは今でも小正月までを松の内とすることが多いようです。

秋田の「なまはげ」は、江戸時代までは小正月に行われていました。しかし、現在では大晦日に行われています。また、東北地方などで行われる「かまくら」も左義長行事の一つです。

2. 左義長・どんど焼き

「左義長」は、小正月に正月飾りや書き初めを燃やす行事で、その炎や煙に乗って年神様が天上に帰ってゆくとされています。この火は神聖な火とされており、その火で焼いたお餅などを食べると無病息災で過ごせるといわれています。
左義長は、「どんど焼き」「とんど」「さいと焼き」「三九郎焼き」「鬼火」などとも呼ばれます。

左義長はもともと宮中行事で、1月の15日および18日に清涼殿の東庭で青竹三本を立て、「毬杖(ぎちょう)」と呼ばれる毬を打つ長柄の槌を3本を結び、陰陽師の囃す中で天皇の書き初めや扇、短冊を結んで焼いたことが始まりだと言われます。現在の左義長は、この宮廷行事がやがて庶民にも伝わって生まれたものです。なお、毬杖を三つ立てたところから三毬杖(さぎちょう)と呼ばれたのが左義長の語源です。

また「どんど焼き」の由来は、火が勢いよく燃え上がるとき、周囲の子供も大人もこれを「ドンド、ドンド」と囃したことによるそうです。

3. 小豆粥

小正月には小豆粥を食べ、無病息災を祈る習慣があります。
また、小正月に炊く粥で、その年の作柄や豊凶を占ったり、月々の天候を占ったりする「粥占い」が日本各地の神社で祭礼として行われます。

4. 餅花

餅花とは紅白の餅や団子を小さく丸めたもので、これを柳などの木に飾りつけ、農耕神の予祝の花とされている桜の花や、実った稲穂に見立てることで、豊作を祈ります。養蚕が盛んな地方では繭玉と呼ばれます。餅花は小正月の正月飾りでもあります。

5. かまくら

かまくらは、日本の降雪地域に伝わる小正月の伝統行事で、雪で作った「家」(雪洞)の中に祭壇を設け水神様をまつります。かまくらはもともと、中に入り正面に祀られた水神様にお賽銭をあげて、家内安全・商売繁盛・五穀豊穣などを祈願するものでした。かまくらは、現在では月遅れの小正月である2月15日ごろに行われています。
一般に知られているのは秋田県横手市のかまくらで、この行事は420年~450年の歴史をもつ伝統行事です。
一般には、伝統行事で作られるものに限らず、雪洞自体も「かまくら」と呼びます。

かまくらの語源は、形が竃(かまど)に似ているから「竃蔵」であるとする説や、神の御座所「神座(かみくら)」が転じたものであるとする説などがあります。

6. 関連する行事

6-1. 元日(1/1)

6-2. 成人の日(1/15 → 1月第2月曜日)
かつて元服の儀を小正月に行っていたことから、1999年(平成11年)までは成人の日は1月15日とされていました。(現在はハッピーマンデー制度により、1月第2月曜日となっています)

6-3. 念仏の口開け
「年神様は念仏が嫌い」という言い伝えから、12月16日(念仏の口止め)から小正月までの1ヵ月の間は念仏を唱えないこととされていました。この行事は、現在ほとんど行われないようです。


7. 参考文献

https://www.yokotekamakura.com/01_event/04_winter/kamakura_setumei.html(横手市観光協会)


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