今日は何の日(2020/1/11)
1. 鏡開き
鏡開きは、正月に年神様に供えた鏡餅を下げて食べる行事です。
年神様の依り代である鏡餅には年神様の魂が宿っているとされるため、鏡餅を食べることでその力を授けてもらい、1年の家族の無病息災を願います。
つまり、鏡餅は供えて、開いて、食べてこそ意味があります。鏡餅を食べるときには、雑煮やお汁粉にして食べることが一般的です。
一般的には1月11日とされますが、松の内を15日とする地方では、鏡開きを15日または20日に行う場合があります。また、京都では4日に行われます。
2. 由来
鏡開きは、もともとは武家社会の行事です。
武家では、新年の20日に鎧などの具足に供えた具足餅を下げて雑煮などにして食べ「刃柄(はつか)」を祝いました。また、女性は鏡台に供えた鏡餅を開き「初顔」を祝いました。この武家社会の風習が一般化したものが鏡開きです。武家の具足式を受け継ぎ、柔道場・剣道場などでは現在も鏡開き式を新年に行うところもあるそうです。
鏡開きはもともと武家から始まった行事なので、鏡餅に刃物を使うことは切腹を連想させるので禁物でした。そこで、手か木槌などで割ることになりましたが、「割る」という表現も縁起が悪いので、末広がりを意味する「開く」を使って「鏡開き」というようになりました。また、鏡餅を食べることを「歯固め」といいます。これは、固くなった鏡餅を食べ、歯を丈夫にして、年神様に長寿を祈るためです。
3. 日付
鏡餅は年神様の依り代なので、年神様がいらっしゃる松の内の間は飾っておきます。そして、松の内が明けてから鏡開きを行います。
昔は「二十日正月」といって20日に鏡開きを行っていましたが、徳川三代将軍・徳川家光が慶安4年4月20日に亡くなったため、月命日の20日を避けて11日になったといわれています。
4. 樽酒の日
奈良県の長龍酒造が2009年に制定した記念日です。
樽酒の蓋を割って開けることも「鏡開き」ということから、この日を樽酒の日としました。
祝い事の時に振舞われる樽酒のふたを割ることを鏡開きという理由は、酒樽のふたのことを「鏡」と呼んでいたためです。米からできる日本酒は神聖なものとされ、神事を営む際に神様に供えられ、祈願が済むと参列者で酒を酌み交わして祈願の成就を願う風習があります。そのため、縁起の良い「開く」という表現を使います。(鏡割りという場合もあります。また、鏡抜きとも呼ばれます。)
鏡餅の鏡開きも、樽酒の鏡開きも、新たな出発に際して健康や幸福などを祈願し、その成就を願うということは同じです。
5. 関連する行事
5-1. 元日(1/1)
5-2. 1月2日
鏡餅について解説しています。