今日は何の日(2020/1/1)
1. 元日
元日は年の最初の日(1月1日)のことです。
日本では明治から大正・昭和前期まで皇室行事である四方拝にちなみ、四方節(しほうせつ)と呼ばれて祝祭日の中の四大節(紀元節、四方節、天長節、明治節)の一つとされてきたそうです。
1948年(昭和23年)公布・施行の国民の祝日に関する法律(昭和23年7月20日法律第178号)第2条により、四方節に代わって「年のはじめを祝う」ことを趣旨とする国民の祝日となりました。
2. 元日と元旦
元旦という言葉も年の最初の日という意味で使われることがあります。しかし、「旦」の字は「地平線の上に日が昇った状態」つまり「朝・夜明け」を表すので、本来元旦という言葉は「元日の朝」という意味の言葉であるといわれます。ですが、古くから元日という意味で元旦という言葉が使われており、元日の意味で元旦という言葉を用いても間違いとはいえないと個人的には思います。『日本国語大辞典』等でも「元旦」は「元日」と「元日の朝」の両方の意味を持つとされているようです。(しかし、間違いとしている辞書も多く、特に公式な文章などでは元旦という言葉を元日の意味で使わないほうが無難かもしれません。)
「正月朔日,謂之元旦,俗呼為新年。」
(正月(1月)の1日は、元旦といい、俗に新年と呼ぶ。)
(夢粱錄(むりょうろく) 巻一 : 南宋時代の書物)
「元日の朝。元朝。また、元日。一月一日。」(広辞苑 第六版)
3. 元日と正月
正月はもともとは旧暦の1月の別名でした。現在では「三が日」または「松の内」という意味で使用されます。また、新暦1月を意味することもあるそうです。
松の内は、正月の松飾りを飾る期間で、昔は元日から15日まででしたが、現在では普通7日までです。
三が日は正月の元日、2日、3日の3日間で、日本の官公庁や多くの企業では、正月三が日は休日となります。
4. 正月の由来
昔から、元旦には「年神様」という新年の神様が、1年の幸福をもたらすために各家庭にやってくるとされています。年神様は子孫繁栄や五穀豊穣に深く関わり、人々に健康や幸福を授けるとされています。
その年神様を迎え入れてお祝いし、たくさんの幸せを授けてもらうために、様々な正月行事や風習が生まれました。
5. 正月行事・風習など
5-1. 御節(おせち)料理
平安時代、宮中で元旦や五節供などの大切な節日を祝うため、神様にお供えした食べものを「御節供(おせちく)」といい、これがおせち料理の起源のようです。江戸時代後期に入ると、宮中で行われていた行事が民衆の間にも広がり、徐々に生活の中に取り入れられていきますが、五節供の度に豪華な料理を用意するのは、簡単なことではないため、節日の中でも最も重要であるとみなされていた正月に料理を用意するようになり、それが現在の「おせち料理」となっていったそうです。
お正月におせち料理を食べるのは、神様と同じものを食べることで、神様の力を分けていただくことができるという考えからきているようです。
また、平安時代後期から始まった、火の神様を怒らせないようお正月には台所で火を使い煮炊きすることを避ける風習も関係しているようです。おせち料理の内容はその風習のために、作りおきできるものが中心になっており、家族の繁栄を願う縁起物が多くなっています。
お料理の内容は、祝い事の象徴となるものを詰めるようになっています。
一般的におせちは元日から食べ始めるとされていますが、北海道や東北地方では「大晦日の夕食」としておせちを食べる家庭も多いようです。(一説によると、おせち料理はもともと大晦日に食べられていたとも言われているようで、これらの地域ではその習慣が残ったのだと考えられます。)
5-2. お年玉
年神様へお供えしたお餅を、お年神さまの魂(おとしがみさまのたましい→おとしだま=お年玉)と呼び、そのお餅をみんなで分け合って食べるようになったことからお年玉が始まったと言われているそうです。つまり、年神様からもらった魂を、目上の人から目下の人へ分け与えたのが、本来のお年玉でした。それが、お餅ではなく、室町時代あたりには目上の人が目下の人に金品を贈るようになり、現在の大人が子どもにおこづかいを渡す風習へと変化していったそうです。
5-3. 初詣・除夜詣
新年になって初めて寺社に詣でるのが初詣です。
古くは年籠りといわれ、家長が氏神様の社に除夜の夜から翌朝まで籠もって年神様を迎える行事でしたが、それが除夜に詣でる除夜詣と年明け後に詣でる元日詣に分かれたものが現在の初詣の原型のようです。
正月行事や風習には、上記以外にも様々なものが存在します。詳しくは参考文献等をご覧ください。
6. 関連する行事
6-1. 大晦日(12/31)
6-2. 1月2日
6-3. 人日の節句(1/7)
おせち料理の起源となった御節供は、もともと五節句などの節目に神様にお供えした食べものが起源でした。五節句については以下で説明しています。
また、この日までを松の内とする場合が多いようです。
6-4. 鏡開き
6-5. 小正月
元日は中国式の太陰太陽暦での正月なのに対して、中国式の太陰太陽暦が導入される以前の日本で祝われていた正月です。
6-6. 晦日正月
7. 参考文献
広辞苑 第六版