北欧ライフスタイル〜心地よい暮らしを送るためのヒント【PART1ー①】ミニマムで合理的な北欧の住空間
今回から4シリーズにわけて北欧式心地よい暮らしのヒントをお送りします。PART1−①はミニマムで合理的な北欧の住空間から、”ちょっとこれいい!”をご紹介します。
1.北欧のミニマム気質
先日ご紹介した言葉「LAGOMラゴム(多過ぎず少なすぎずほどほどでちょうど良い)」のように北欧では住空間だけでなく、社会全体にミニマム気質が浸透しています。
たとえば、北欧デザインの家具を見てみましょう。
北欧家具は日本の一般的な家庭でも馴染むと思いませんか?その理由の一つとして作りがシンプルで調和しやすいことがあります。無駄を省いたシンプルなデザインが、かえって日本人にとっておしゃれだと人気の秘訣になっているのかもしれません。
北欧家具に見るシンプルを極めた機能美には、北欧のミニマム気質が詰まっているのではないでしょうか。
私が出会った北欧の人の考え方として、新しいモノを買い足すのではなく今あるものに着目して取り入れることがあります。
訪問したお宅のダイニングテーブルの質感がとても滑らかで、「これはアンティークですか?」と尋ねました。
そうすると主人は、学生時代の机の天板だけ残し、脚を付け替えてダイニングテーブルへリメイクしたとのことでした。
家族が増え暮らしが変化すると、必要な道具も変わってくるでしょう。
しかし変化に合わせてモノを購入するのではなく、モノを暮らしに合わせ変化させた良い事例です。
こうしたことはこの家族が特別ではなく、一般的に浸透しています。
また、フィンランド人の友人との会話で印象に残ったことがあります。彼女曰く「日本で断捨離が流行っているけれど違和感があります。だって最初から無駄にモノを買わなければ断捨離しなくて良いのだから。」と。
私はこの意見に大きく頷き、インテリアコーディネーターとしてモノを提案するときは、しっかり吟味すれば無駄を省けることをお伝えしています。
捨てることに着目するより購入時の”選ぶ力”に焦点を当てれば、サステイナブルな暮らしをおくることができるでしょう。
2.北欧の暮らしのエッセンスを取り入れる、3つのポイント
〜ミニマムな考え方を暮らしにも取り入れてみては〜
・住空間で意識するシンプルなライン
前章で北欧家具の例をあげたように、北欧家具は直線的なシンプルなラインの家具が多いです。シンプルなラインは見た目にすっきりする印象を与えます。また同じシリーズで揃えなくてもそのシンプルさから調和が取りやすくなります。
インテリアコーディネート次第でシンプルな家具は引き立て役にもなりますが、主役にもなるユースフルな家具だと言えるでしょう。
一点豪華主義のデコラティブな家具に飛びつくより、北欧マンイドに習いシンプルな機能美を集めてみるのはいかがでしょうか。
・自然光と照明の灯し方もインテリアへ
寒く暗い季節が長く続く北欧では「自然光」がとても大切に考えられています。
自然光は季節ごとに差し込み方もさまざまで北欧の人たちは、自然光もインテリアのエッセンスにしています。北欧の住宅は基本カーテンで部屋を隠すことはありません。それは自然光をとても大切なものとして捉えているから。
「夜には夜の光を楽しめば良いじゃない」これは、デンマーク人の知人が明るく蛍光灯で照らされた日本の住宅事情を知り言った言葉です。
自然光や照明もここちよく感じるよう工夫して取り入れたいですね。
・アースカラーをベースに天然素材を積極的に取り入れる
北欧の住まいでは床や壁面、あるいは家具なども自然由来の素材を使用し、アースカラーをメインとした淡い色調でまとめられていることが多いです。
木造建築が主な日本住宅では、この要素は取り入れやすいでしょう。アースカラーや天然素材はリラックス効果も期待できます。
都会暮らしでも家の中に自然素材があると落ち着くからディスプレイしてると北欧の知人は言いました。
例えば旅先で拾った石や貝殻もバランスよくディスプレイすれば立派なインテリアオブジェになります。また地元産を取り入れることでサステイナブルな暮らしになり得ます。
奇抜なデザインのインテリアオブジェでも天然素材を選べば自ずと調和が取れるから不思議です。
いかがでしたか。
北欧のミニマム気質を暮らしで取り入れてみてはいかがでしょう。無理なく自分にここちよく、そんな暮らしこそ”サステナブルライフ”と言えるのではないでしょうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?