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🎁the monogatary #83 | エアコン

どもども!しろくま商社です!


共同生活1

「暑い…。暑すぎる…。一体全体。日本の夏はどうなっているんだ…。」

「本当にそうだよね…。おかげで。エアコン壊れちゃった(笑)」

「お前。野球に熱心なのは良いけどさ。普通。部屋で素振りしてエアコン壊すか…。全く。根岸は俺がいないと駄目だな全く(笑)」

「で…。策はあるんですか、大将?」

「ない!(笑)」

根岸とは古い付き合いで。部活は違えど。共に切磋琢磨してきた。
根岸は本当に頑張り屋で。何事も猪突猛進。
後ろは振り返らない。ただ前だけを見て。
ひたすら突き進む。

そう。彼の存在はまるで。物語の成瀬みたいだ。
そんな根岸に俺は憧れて。勇気を出して。
念願の2人暮らし。

共に童貞。しかし。僕たちには夢がある。
いつかスポーツ選手になって。
親に恩返し。

散々馬鹿にされてきた相手に。
どうだ…と。そう自慢するんだ。
根岸は野球選手。僕はテニス選手。

自宅で過ごす時間は短いけど。
それでも。お互いの夢に向かって。

★★★

キャンパス・ライフ。
夢の大学生。うかうかしていられない。

ライバルはこの瞬間もテニスに勤しんでいる。
対して。僕はどうだろう。

文武両道。それが僕のモットー。
テニスも全力。勉強も全力。
たまに気分転換。

やはり。メンタルケアは欠かせない。
心技体揃って。初めて。
素晴らしいパフォーマンスが生まれる。

「温水~~~。履修決まった?」

「全然。根岸はどうよ?」

「まあ俺…運動神経良いからな!スポーツ系優先かな!」

「なるほどね~。俺はどうしようかな~。」

今迄の人生。多くのことがあった。
多くの困難があった。そして。
時に周囲を頼りながら。
苦境を乗り越えてきた。

僕には趣味がある。
読書だ。読書に勤しむ瞬間。
それが僕にとっての細やかな幸福。

僕には幾つかの目標がある。
その1つ。文学部。
英米文学専攻。

幼少期をオーストラリアで過ごした影響か。
まあそれはともかく。

★★★

共同生活。今まで実家暮らしだった分。
負担は増える。それでも。
日々挑戦。

挑戦すること。それは楽しいこと。
テニス部。それは二極化する運命。

僕たちは選択する。
ガチ勢…。もしくは…。

僕はガチ勢を選択。
部活動での練習。そして。
テニスレッスン。筋トレ。

楽しいことばかりの人生ではない。
それでも。きっと。
諦めなければ。

チャンスはいつだって突然だ。
その日に向けて。
僕は準備する。

★★★

共同生活2

「君の前前前世から僕は~」

場所はカラオケ。たまにこうして。僕は根岸と共に。
この場所を訪れる。

アドラー曰く。悩みの大半は人間関係。
ふむ。まあたしかに。
そうなのかもしれない。

まあでも。僕は仲間に恵まれている。
本音と建前。人ゆえに。
明るい話題ばかりではない。

人ゆえに。僕らは苦悩する。
人ゆえに。理性があるゆえに。

★★★

「温水は『君の名は』観たか!?すんげえ良い作品だよな!!
新海誠ファンとして。鼻が高いよ!」

「おぉ…。まあ確かに今までとは作風が少し変わった気がするなぁ。
今迄はなんというか。ビターエンドというか。

まあ…。それはそれで良いんだけど(笑)」

テーブルにはソフトクリームの残骸。そして。
炭酸。コーラとメロンソーダ。

★★★

中学受験して入った学校。中高一貫校。
小学校時代はオーストラリアで過ごした。
チェスしたり。ピアノ弾いたり。

色々な経験を積むことが出来た。
色々な体験をすることが出来た。

それはきっと。僕にとって。
かけがえのない財産なのだろう。

★★★

根岸との出逢い。それは突然に。
理由は単純。出席番号が近いから。

僕らは大声で校歌を歌った。
たったそれだけの理由で。
僕らは惹かれあった。

僕はテニス部。根岸は野球部。
共に異なる道ではあるけれども。
僕らは本気だった。

マジになる。それはとても単純で。
とても難しいこと。

あぁ。人生はいつだってシンプルだ。
あぁ。人生はいつだって波乱万丈だ。

あぁ。まだまだ人生は序盤。
もし僕が200歳まで生き残るのなら。
この日々は一瞬で過ぎ去るのだろう。

一瞬。されど。濃い時間。
その瞬間に。僕らは全てを叩きこむ。

僕の全て。そのキャパシティを。
徐々に増やしていく。

「練習は不可能を可能にする」

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