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🎁#56 the monogatary | 寒い朝

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【プロローグ】

人は繰り返す。その先に栄光があると信じて。

大学

【第一章】

<1-1>

古い記憶を呼び起こす。私が大学生だった頃の話。大学生としての日々。それは苦難の連続だった。本来。高校で蓄積されるべき知識。私はそれを持ち合わせていなかった。ゆえに。ただひたすらに。勉学(理系)に打ち込む日々。ありとあらゆる娯楽を捨て。そのような毎日の連続。遂に。私は壊れた。

<1-2>

人は簡単に壊れる。そして。1度壊れると。中々どうして。元の状態まで戻すことが。かなり難しくなる。不可逆。それが心の病である。

春学期を終える。成績は悲惨。心もズタボロ。私は救いを求めた。インドネシアに。6週間の滞在。それは案外。悪くなかった。それでも。私の傷は永遠と残り続ける。消えない傷跡。あぁ。私はこのスカーと。きっと。人生を共にするのだろう。

人は苦しんだ分だけ。強くなれる。それはある意味では正しく。またある意味では間違いである。作用・反作用の法則。これが成り立つ苦しみであれば問題ない。しかしながら。この法則が成り立たない程の苦痛。それを味わえば味わうほど。人は荒んでいく。ゆえに。大切な観点。それは自身の弾力性。すなわち。キャパシティである。

<1-3>

秋学期が始まる。留年回避のため。私は春学期以上に。自身を追い込んでいく。その先に待っていたのは。不登校という現実である。

不登校。大学生にこの概念が適用されるのかどうか。それは分からない。しかしながら。当時の私はその状態に限りなく近い。思考と行動の不一致。それが私の主たる症状であった。大学に行きたい…。それでも。私は動けずにいた。その行動が意味することを分かっていながら。私は自宅にて。悶々とした日々を送っていた。趣味に逃げる毎日。何が正解なのか。必死に自問自答する。そのような中で。私のストレスは加速する。「このままではいけない」。その結果。私は家出を決意する。

<1-4>

日中の過ごし方。それはいくらでもあった。ゆえに。困ることは無かった。例えば。それは大学の図書館。そこでただひたすらに。自身を追い込む。足りない知識を習得するべく。理系の科目を猛勉強する。1つの問題。それは夜中の過ごし方。大学は勿論。定時に閉まる仕様。

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