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🎁#57 the monogatary | 寒い朝(2)
※前回のお話はこちら▼
【第二章】
衣食住それは生活の基本。
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★★★
<2-1>
人は誰しも。幸福を追い求める。一筋の幸福。それを掴み取るのは難しい。それでも。人は追い求める。たとえそれが茨の道であったとしても…。
(寒い…。やはり夜は冷え込む。)
時刻は2時。多くの者が就寝しているこの時刻。私は日吉のバス停に佇んでいた。孤独な夜。それも悪くない。
<2-2>
思えば苦難ばかりの人生。死と隣り合わせの人生。誰だって。そんな人生を送りたいとは思わないだろう。しかしながら。私には選択肢など無かった。
ただ生きる。それが私に与えられた使命であった。一人で泣くことなど当たり前。それでも。諦めない事。それが私の強みであり。また弱みでもあった。違う道があったのかもしれない。しかしながら。当時の私が持つ力など。微々たるもの。どう足掻いても。結末は同じなのかもしれない。
あぁ…。きっとこれは言い訳/傲慢なのだろう…。
<2-3>
「視野が狭い!」
そのように。私は何度も注意を受けた。それもそのはず。とうに。私は限界を迎えていた。毎日。苦痛の水をこぼしながら。それでも。私は歩み続け。その結果が今である。あぁ。なんて。惨めな人生なのだろう。
私の人生に幸福など存在しない。あるのは苦悶の日々。ただひたすらに耐える。私にはそれしか出来なかった。耐えること。それは簡単なように見えて。意外と難しい。私たちは誰しも。心のどこかで癒しを求めている。それほどまでに。この現代はストレスに満ち溢れている。
<2-4>
ストレスを感じること。それは良くも悪くも。大切なことである。程良いストレスは良いパフォーマンスを発揮するためのスパイスである。大谷選手が良い例だ。彼ほど重圧を感じながらプレーする選手は珍しい。1,000億円という大金を手にしてもなお。彼の野球に対する姿勢は揺るがない。
<2-5>
「誰よりも一生懸命に生きて/笑って。そして…人生を楽しむ」。それが。当時の私の信念。あぁ。実に無様である。もしも。私に2度目の人生があるのなら。私は今と異なる道を歩むのだろう。多くの仲間と共に切磋琢磨し。夢を追いかけ。静かに息を引き取る。それが私にとって。理想の人生。
<2-6>