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🥖the draft #41 | 未必のマクベス

どもども!しろくま商社です!
今日も元気に!頑張っていこう!

★★★

『未必のマクベス』…。
中々のボリューム…。読み応えあり!

書評が示す通り…。
この作品は犯罪小説でもあり。
経済小説でもあり。

そして…。
恋愛小説でもある…。

その中身とは!?
レッツ!ズームイン!


「未必のマクベス」は、早川書房から出版された芥川賞作家・平野啓一郎の小説です。2020年に発表されたこの作品は、平野啓一郎の代表作の一つとされています。「マクベス」というタイトルからもわかるように、シェイクスピアの「マクベス」と関連がありますが、物語の舞台やテーマは現代日本に設定されています。

この小説は、現代社会における道徳的な葛藤や罪の意識を描き、主人公が徐々に追い詰められていく様子が描かれています。タイトルの「未必」という言葉は、刑法における「未必の故意」に由来し、結果を予測しつつも、それを避けようとしなかった行為を指します。物語全体がこの「未必の故意」の概念と絡み合って進行します。

物語は非常に重厚で、罪と罰、道徳、そして人間の弱さといったテーマに深く切り込んでおり、読み応えのある一冊です。

作品のテーマ

「未必のマクベス」のテーマは、現代社会における「罪と罰」、そして「道徳的葛藤」を中心に展開されています。以下のいくつかのテーマが特に際立っています。

  1. 罪と罰: シェイクスピアの「マクベス」に影響を受けつつ、現代の日本における罪の意識やその結果が描かれています。主人公は、自らの行為がもたらす結果を予測しながらも、それを避けようとしない「未必の故意」の状態に陥ります。罪の重さや、その罰がどのように人間を追い詰めるかが探求されています。

  2. 道徳的葛藤: 主人公は、自身の欲望と道徳との間で葛藤します。自分が下した決断が道徳的に正しいのかどうか、あるいは自己利益のためにどれほど道徳を犠牲にできるのかといった内面的な葛藤が物語を動かします。

  3. 現代社会の闇: 現代日本社会における人間関係や社会の仕組みが、物語の背景として描かれています。特に、社会的成功や権力の追求が、どのように個人を腐敗させるか、またそれがどのように社会全体に影響を与えるかが描かれています。

  4. 運命と選択: 作中では、主人公がどのように運命に逆らおうとし、またどのように運命に屈していくかが描かれます。運命を避けようとする選択が、かえってその運命を引き寄せてしまうというパラドックスもテーマの一つです。

これらのテーマが絡み合いながら、物語は進行し、読者に深い考察を促す内容となっています。

主人公の活躍

「未必のマクベス」の主人公は、現代日本社会に生きる一人の男性で、彼の活躍は物語の中心に据えられています。彼の活躍は、以下のような形で描かれています。

### 1. **ビジネスの成功と社会的地位の獲得**

主人公は、仕事において大きな成功を収め、社会的に高い地位を築いています。彼は、ビジネスの世界で競争に勝ち抜き、経済的にも成功を収める一方で、その過程で道徳的な選択を迫られることになります。

### 2. **権力の追求**

物語が進むにつれ、主人公はより多くの権力と成功を追求するようになります。この過程で、彼は自分の信念や道徳を犠牲にしてでも目標を達成しようとする姿が描かれています。彼の行動は次第にエスカレートし、やがて取り返しのつかない状況に陥っていきます。

### 3. **内面的な葛藤と堕落**

主人公は、自らの行動が引き起こす結果を予感しつつも、それに対する責任を放棄する選択をすることがあります。彼は自己利益を追求するあまり、他者や自分自身の道徳観を無視するようになります。この結果、彼は次第に内面的な堕落に陥り、精神的に追い詰められていきます。

### 4. **結末に向けた孤立と崩壊**

物語の終盤では、主人公の成功が逆に彼を孤立させ、崩壊へと導いていきます。彼が積み重ねてきた権力と地位は、最終的には彼を破滅へと追いやる要因となります。主人公は、自らの選択がもたらした結果と向き合わざるを得なくなり、その結末が描かれます。

主人公の活躍は、物語全体を通じて現代社会における人間の弱さや道徳的な葛藤、そしてその結果としての破滅を象徴的に描き出しており、読者に深い印象を残します。

サブキャラクターの魅力

「未必のマクベス」におけるサブキャラクターたちは、主人公を取り巻く重要な役割を果たし、物語の深みを増すために巧みに描かれています。彼らの魅力は、主人公との対比や物語のテーマを強調する役割によって際立っています。

### 1. **主人公の妻**

主人公の妻は、物語において重要なサブキャラクターの一人です。彼女は夫の成功を支える存在でありながらも、夫の選択や行動に対して道徳的な疑念を抱く場面があります。彼女は家庭の安定と夫の野望との間で葛藤し、物語が進行するにつれてその内面が徐々に明らかになります。彼女の存在は、主人公が道徳的な選択を迫られるときの対比として描かれ、読者に共感を呼び起こします。

### 2. **ビジネスパートナーやライバル**

主人公のビジネスパートナーやライバルたちもまた、物語において重要な役割を果たします。彼らは、主人公が競争社会で成功を収めるために対峙する相手であり、主人公の野心や道徳感を試す存在です。ライバルたちとの対立や協力を通じて、主人公の内面的な葛藤がより深く描かれ、物語に緊張感を与えます。

### 3. **友人や同僚**

主人公の友人や同僚は、彼の過去や現在の生活を象徴するキャラクターとして登場します。彼らは、主人公の変化を観察し、時には忠告を与える役割を担います。特に、主人公の成功が彼らとの関係にどのように影響を与えるかが描かれ、物語のテーマである「孤立」や「人間関係の崩壊」が強調されます。

### 4. **道徳的なガイド**

物語には、主人公に対して道徳的な視点からアドバイスを与えるキャラクターも登場します。彼らは、主人公が選択を誤る前に警告を発する役割を持ち、主人公の内面での葛藤を際立たせます。彼らの言葉や行動は、物語の中で繰り返し反響し、読者に対しても深いメッセージを伝えます。

### 5. **無意識的な影響を与える人物**

また、直接的に主人公と関わるわけではないが、無意識のうちに主人公に影響を与えるキャラクターも存在します。これらのキャラクターは、物語全体の中で象徴的な役割を果たし、主人公の行動や決断に微妙な影響を与えます。彼らの存在は、物語にさらなる複雑さと深みを加えています。

これらのサブキャラクターたちは、単なる脇役にとどまらず、物語の主題やテーマを強化し、主人公の内面をより豊かに描き出すための重要な役割を果たしています。彼らの多層的な描写が、物語全体に深みを与え、読者に強い印象を残します。

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