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【調剤薬局の現場から⑤】サツドラ薬局の服薬指導について~患者さまとサツドラ薬剤師をつなぐ電子薬歴Musubiとは~

こんにちは。
株式会社サッポロドラッグストアーで調剤薬局の店舗運営ブロックマネジャーをしている、薬剤師の高山です。

▼前回の記事はこちら

今回は『服薬指導』についてです。
皆さまも病院から処方せんをもらい、薬局でお薬をもらった経験があると思いますが、服薬指導とは薬剤師が行うお薬の説明や体調の聴取のことを指します。
ですが、正直なところ、服薬指導に対してこのように感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「お医者さんに話したのに、なぜ薬局でも同じ事を聞かれるの?」
「体調が悪くて早く帰りたいのに、説明を受けるべき?」
「病院でも薬局でも待ち時間があるから、なるべく早くして欲しい」

そのようなお気持ちを理解しつつも、薬剤師として患者さまが治療やお薬と向き合い、一日も早く回復されることを考えて日々服薬指導を行ってます。
改めて『服薬指導』とは何なのか、またサツドラ薬局の服薬指導について皆さまに知っていただきたい内容をお届けします。


『服薬指導』の定義と期待できること

まずは、服薬指導の定義や期待できる効果についてご説明します。

服薬指導とは

患者さまに対し、処方せんの薬効や副作用などの情報提供を行うことです。薬剤師法で義務として定められており、お薬をお渡しする際に必ず行わなければならない業務です。

服薬指導でお伝えする内容
処方薬の薬効、副作用、注意すべき飲み合わせ・食べ合わせ、服薬の方法、服薬の意義、薬の保管方法 など

また、服薬指導をする薬剤師に求められることとして、処方されたお薬に関することをただお伝えするのではなく、相手に合わせた伝え方や健康リスクを防ぐためのヒアリング力が必要になります。


適切な服薬指導により期待できること

薬剤師が適切な服薬指導を行うことで、患者さまへどのような効果が期待できるのかという点ですが、

①患者さまご自身が適切な服薬ができること
②治療効果の最大化、相互作用による副作用の最小化
③コミュニケーションによる患者さまの納得感向上

があります。根本的なことですが、一番は患者さまがお薬を適切に服用できるようになることです。薬の専門家である薬剤師が指導をすることが、服薬時の注意点などの意識を持っていだける機会と考えています。

また、適切な服用は症状の改善や、疾患の進行の抑制が期待できますし、複数の薬の相互作用を避けることで副作用や健康リスクを最小限に抑えることができます。

さらに、(※)服薬遵守には患者さま自身が治療計画や服薬スケジュールを理解して納得していることが重要で、それらは服薬指導などの患者さまとコミュニケーションによって向上に繋がります。

(※)服薬遵守とは、患者さまが治療や服薬に対し積極的に関わり、その決定にそった治療を受けること。


サツドラ薬局の服薬指導-Musubiの活用-

それでは、サツドラ薬局での服薬指導についてお話しします。
当社では、2020年から薬局DX(デジタルトランスフォーメーション)の観点で『Musubi』という電子薬歴システムを導入しています。

Musubiは株式会社カケハシさまが提供するサービスで、患者さまがより健康な生活ができることを願って開発されているシステムです。当社も導入後は、効果的で効率的な医療ケアの提供が行えるようになったと感じています。

Musubiを活用したサツドラ薬局の服薬指導において、患者さまと薬剤師が得られたメリットについてお伝えします。


患者さま視点のメリット

❶視覚的効果による治療効果の向上

サツドラ薬局では、患者さまがMusubi端末の画面を見ながら、処方されたお薬の説明や副作用について聞くことができるようになり、さらに個別の健康状態や薬に応じてイラストと文字で表現された「健康アドバイス」も提供されます。
これらを視覚的に訴えることで、自身の健康に合わせた最適な服薬方法を理解しやすくなりました。

処方されたお薬や健康アドバイスについて、端末画面で患者さまにお見せしながら説明


❷患者さま×薬剤師のコミュニケーション促進

Musubiにより薬歴の平準化が進み、どの薬剤師がどの患者さまの対応をしてもスムーズに服薬指導ができるようになりました。
患者さまご自身も「話さなくても理解してくれている」と質問や悩みを気軽に相談しやすくなっているのではと感じます。
コミュニケーションがとりやすくなり、お悩みを迅速に解決するプラットフォームとしても機能します。

患者さまと薬剤師をつなぎ、コミュニケーションのツールにもなっている


薬剤師視点のメリット

①デジタルツールの活用による業務の効率化

導入当初はデジタルツールの使い方に慣れるまで苦労もありましたが、薬剤師の作業負担は減っている実感があり、今までやりたくてもできなかった業務もできるようになりました。

具体的には、薬歴の記載スピードが格段に上がったことです。
今までは投薬後に調剤室の奥にあるパソコンに戻って薬歴と患者さまの記録を残すという流れでしたが、導入後は端末を投薬台で患者さんにお見せする流れになったことで、薬歴の効率がアップしました。

薬歴は端末で記載。画面にある項目にチェックを入れたり、詳細を打込む

デジタルに任せる業務』と『ヒトが対応する業務』を明確にして効率的に業務を行っています。


②社内コミュニケーションや服薬指導のスキル向上

現場の薬剤師たちがより自分達に合った使い方を考えて工夫を凝らし、それらを共有する活動が生まれました。Musubiにより副次的に店舗間コミュニケーションを取るいい機会になりました。
また、新人教育の場面でも、Musubiの服薬指導の画面を見せながらそれを基本とした指導ができるようになり、より踏み込んだ教育もできるようになりました。

服薬指導で実際に患者さまにお見せする画面を見せながら新人教育を行っている

その他にも、現場の数値管理がリアルタイムにできるようになったり、本部機能がデータを元に説得力のある分析ができるようになったりなど、マネジメント強化や調剤部門の業務効率化に繋がりました。


このように、Musubiを導入してから様々なメリットが生まれ、今もシステムは進化を続けています。

薬局は「どこに行っても同じ…」と思う方もいらっしゃると思いますが、サツドラ薬局の強みの一つとしてMusubi端末を見ながら服薬指導を受けられます。ご自身の治療やお薬について理解が深まりやすく、しっかり向き合うことができるきっかけになるのではないかと感じます。

この機会に、まだサツドラ薬局をご利用されたことがない方は、是非利用してみていただきたいです!


最後に

『服薬指導』は、患者さまの治療の成功に大きく影響を与える要素の一つです。薬剤師がより質の高い服薬指導をすることで、患者さまの健康状態の改善や医療システム全体の効率向上が期待できます。

それは、当社が掲げる経営理念「健康で明るい社会の実現に貢献する」に繋がる重要な役割だと感じますし、サツドラ薬局は特に北海道の皆さんの健康を支えていくという意識を持って、Musubiを活用した取り組みを日々行っていきたいと思います。

それには、患者さまのご理解やご協力も必要不可欠となります。
この記事を読んで『服薬指導』のイメージや向き合い方に少しでも変化があると嬉しいです。

それでは、次回もお楽しみに!