1/15「お世話になります、を絵にたとえると。」
メールで「お世話になります」と打とうとして、「世話になります」と打ってしまった。
めちゃくちゃ絵画的だとおもった。
「お世話になります」。
大人になって、わりと誰でも使うことば。あたりまえのことば。
絵にたとえると「ちゃんとしてる絵」だ。上手な絵。写真みたいな絵。基礎ができていて、かつ、おもしろくない絵。でも「お世話になります」がわからないひとは、その先に行けない。
「お世話になります」の変形候補とそれに当てはまる絵画を4つ、かんがえてみる。
①まずは要素少なめ系。
世話になります。
世話なります。
お世話なります。
これは手数やモチーフをみきわめて、余白のバランスを考えた構図の絵。
②つぎに、キャラクター系。
お世話になりやす。
お世話になりもす。
お世話になりむす。
目を描いたり動物を描いたりして、親近感とかわいさを感じさせる絵。
③そして、描き込み系。
いつもお世話になっております。
いつも大変お世話になっております。
いつも大変お世話になっております。〇〇でございます。
画面を埋めるように描いていくとか、カラフルとか装飾的とか。やった感がある絵。
④さいごに、現代美術系。
★★★★★★★★ミ
世話 。
「 」
美術史という基礎を引用して、いまじぶんが生きている時代と組み合わせて、意味づけをして、あらたに文脈にのせるのを楽しむ絵。
だいたいこんな感じ。
ひとつの型からいろんなやり方が出てくる。
そのやり方は作家ごとにちがう。
でも、なにが基礎なのかをわかっていないと、いろんなやり方は出てこないし、なにがしたい絵なのか見えてこない。
べつにいいんだ。
上手に「お世話になります」なんて打てなくて。
むしろ打たなくていい。
これはただの挨拶で、あんまり意味はなくて、でも基礎的なことなんだよなあ、とわかっているかどうかが、だいじなんだろうなあ。
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