希望の話
前略 お母さんへ
天国でも8月が終わるのでしょうか。
そもそも季節は4つで、月は12個あるのでしょうか?
娘は貧困に直面しております。
お母さんも知っている、あの、にこにこライフサポートクラブ(仮名)の
相談員さんと話しました。独り暮らしをすすめられました。無理です。
路上なら生きられそうですが、路上にはお風呂もパソコンも話し相手も、何より他人からの視線を遮るものもないのです。
昔見た番組で、女性のホームをレスした人が、中絶手術を受けていました。なにがあったか想像すればはわかります。私はそんな人生嫌です。
お金がないことより、最近はおばの言葉が弱っている心に突き刺さりやすくなりました。
「この家にはまともな人間がいない!」そうです。
お母さんが生きていたときからのことですけど、おばのものの言い方に気づいていたでしょうか?
今日も、「おねえちゃんの遺品を片付けるのは、お母さんは無理だから、あたししかいないのよねー」。
私は家族としてカウントされなくなっています。
しかし私室はというと、朝から29度越え、湿度72%です。窓を閉めたあと、開けるのを忘れドアも閉めてしまい、少ししたら息苦しさと吐き気がしてきました。
ひきこもりが家を出るには、家が火事になればいいと、ネトサ(ネットサーフィンの略です)中に口の悪い冗談を見たことがあります。
部屋の温度と湿度を上げて、その場にいられなくなるように体調を崩させれば部屋から出ます。
もしくは愚痴、不平不満、奇声(おばはよく出します)、とにかく「ああ! 聞きたくない!」的な言葉を部屋の外から聞かせ続ければ、たとえ外が気温30度越えでも、10度以下でも、家を出ます。私がそうです。
逆にますます心を閉ざす人もいそうですね。
働く人も大変です。
私はアのつく倉庫、ア〇〇ンで派遣社員として働き、めまい、吐き気、嘔吐を起こしましたが、救急車を最初に呼ばれませんでしたね。
気温がわからなければ、熱中症になる根拠を出せない、ということでしょうか。こちらの職場はなかなか怖いところのようです。
私の場合は、ワールドスタッフィングの現場担当者の男性は「貧血で」と救急隊員に話していました。めまいで視界がグラグラの中、吐き気でトイレに入り、しゃがみこんで「……貧血じゃねぇって言ってんだろぉ!」とつぶやいたら、外から女性の「大丈夫ですか?」という声がして、
誰もいないと思ってつぶやいたため、はっとしたのはいい思い出、いえ、嫌な思い出です。
つらいときは『レ・ミゼラブル』の民衆の歌を思いだすようにしています。
あれはいいですよ。お母さんと映画観たかったです。
でも、その職場に戻ろうかと考えてもいます。
あれはなんでしたっけ?
健康的で文化的な最低限度の生活
あのドラマのタイトルは、
「日本国憲法第25条第1項の条文「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」からとっているそうです。
ただ。
法律は抜け穴があるし、たくさんの人が素通り、無視すれば機能しないのではないでしょうか。
自分に当てはめて考えると、
健康的で ではない
文化的な 文化的ってなに? 教えてほしい
最低限度の生活 最低限度っていくら以上いくら以下?
知らないのでわかりません。
お母さん、娘には目標ができました。
まともな人間になることです。
ただし具体的にどうなるか、などはないです。
はっきり言って、心を病まずに生きていられたらそれでいいです。
それにもお金が必要です。
最近毎日泣いてます。眼とそれ以外もが変になりそうです。
恋なんてバカみたいなこと言っていられないですよね。「まともな人間」に恋って必須でしょうか。
天国はどんなところですか。
人生が、永遠に春で晴れだったら、最高に素敵な世界ですね。ただ、そうなると花がみんな枯れますね。
これから病院にいってきます。また貯金が減ります。
ウールのカーディガンはもう届きましたか? 火葬の際入れたので使ってください。
私が幸せになれるように祈っていてください。なってから死にますので。