推し短歌(西村賢太)
絶望に首まで浸かって動けない者しか知らぬ 濃紺の空
何んの為に書いているのか もう一度 初心にライターで火をつけ直し
わからねえよ おめえのように恵まれて 希望のある道を 歩ける奴には
VVVVVVVVVVVVVVV
これを書くために、いくつか本を読み直した。
Eテレで放送された番組(西村賢太さんが生前、テレビに出演していた映像がいくつも流れた)で、どんな人だったのか知ることができた。
本の装丁の色が少しでも違うと、出版社の編集者に電話をかけてクレームを入れた。西村さんは紺色が好きだったそうで、間違って紺より少し明るい青色になってしまったという。
この番組に出ていた、西村さんのファンの男性に対し、男性の奥様は、西村さんの本をかなり嫌っていた。人間の嫌な部分ばかり出てくる、そこが嫌だと。
確かに。西村さんの私小説は、好き嫌いがはっきりわかれると思う。
女性の私がここで書けないようなことも書かれてるしね。
余談だけど、私はこの番組を見て、また「何か書きたい」と思うようになった。何か、気力がわき上がってくるような感覚だった。弱っていた心に火をつけてくれた人でもある。