母、入院する

母が、救急車で運ばれ、病院に行きました。

いま、集中治療室にいます。

急変の可能性もある、と言われました。

私はというと、いきなり救急車に乗ることになり、
ついたのはまったく知らない場所で、
受付の人から「お待ちください」言われて3時間ぐらい待ちました。

ようやく、「〇〇さん(母のフルネーム)のご家族のかた」
と言われ、医師から説明されたら。

かなり、良くないと。

夏バテのひどい状態になっちゃったのかなぁ、ぐらいにしか思ってなかったので、動揺がすごかった。

病院は、コロナ予防で面会ができないそうで。

帰る前、顔を見ますか、と看護師さんに言われ、面会できないからこれが最後になるかも、と会ってきました。

集中治療室の部屋にぽつんとベッドが。

とりあえず、「元気になるからね」「大丈夫だから」とか、前向きになりそうなことを言ったけど、ちょっと泣きそうになって。
いまここで泣いたらお母さん不安になっちゃうから、って必死に泣かないようにして。

そしたら、母が何か言ってくる。
でも、声がかすれて、言葉もはっきりしてなくて、なんて言っているのかわからない。

母、声をふりしぼり、

「ウールのカーディガン、持ってきて!」

「……」

こんなときに、そんなこと言えるのかよ、とちょっと笑いそうになる自分。

これからは、病院に任せるしかないし、あとは、もう、本人の体力しだいだろうし。私にできることは、願うことぐらいでしょう。

家に帰ってきて、祖母から

「おつとめしてなくて良かったね」

なんて言われ、

「んー…、いや、してたほうがいいと思うんだけどねえ」

確かに、いまはなにかあったら、動けたほうがいいし、無職だったのは良かった、……んですかねえ。わからん。

こうやって、文章にしたら少しは冷静さを取り戻せるんじゃないか、気持ちの整理ができるんじゃないか、と思って書いてみたけど、

こんな、お母さんがこんなことになるなんて、人生で初めてだし。

まず、私、しっかりしろ。


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