カラビンカ〜人間の哀れさの先にあるもの〜

2025年、その瞬間私は仕事の疲れでベッドで気絶していました。(寝てただけ)
2024年は音楽に触れる時間が少なかったのですが、その中でよく聴いたヴィジュアル系のアルバムの感想を書きます。
私の中でカラビンカの晩年という作品は非常に重要なものでした。
まず、ミーハーらしくカラビンカとの出会いとは…
2〜3年前グルグル映畫舘にハマっていたのです。
しかし残念ながら活動は終わっており、今現役で活動しているバンドってないのかな〜という時に白塗り、学ラン、腕章、着物!美しいヴィジュアルがTwitterから飛び込んできたのです!
そうそれはカラビンカ。
そう、私はミーハーなのです。
不純な動機で、不謹慎、申し訳ございません。

曲を聴くと、確かに日本の古き良きモチーフはあるものの曲の内容に衝撃を受けます。
「潮騒と春雪」
という作品です。
寄生虫はヒモ男のために身体を売る女の曲。
路傍の花は虐待されている子供が親を殺める曲。
内容については大人であれば良く見るお話かもしれません。
しかし、文学的な「情景」と「感情」が上手く混ざり合っている曲というのは非常に珍しいのです。
だから曲を聴くとその物語が目に浮かんで、人間の哀れさとか痛みが容赦なくズバズバと刺さって辛いのです、最初は。
大体はどちらかに振り切ってる曲がヴィジュアル系には多いですよね。

https://music.apple.com/jp/album/%E6%BD%AE%E9%A8%92%E3%81%A8%E6%98%A5%E9%9B%AA-ep/1556710787

そして、2024年フルアルバム「晩年」

https://kalavinka.official.ec/items/86242877

詩の世界ばかり注目していましたが、曲はところどころ洋楽のモチーフが感じられそこもボーカルの工藤ビンカさんがご自身のnote.に種明かしをしてくれています。
ギターが素晴らしいです。
不浄のギターソロは美しくて洒落ていて私は好きです。
勿論、ベースやドラムも。
蝶と古疵、これは大人しか演奏できないラブソング?ですのでいきなり心にガラスを突きつけられたくない人はこの曲から聴きましょう。

人間の哀れさ、残酷さ、どうしようもない人が描かれていますが、どんな方が詩を書いてると思いますか?
真っ当な会社員をしているそうです。
ああ、社会の一部だからこういう作品が描けるのではないでしょうか。
勿論それだけではなく今までの経験や、触れてきたカルチャーが主ではあると思いますが、社会の一部であるが故の嫌な部分、反面社会の一部になれていることに安堵している部分。
「暗」が分からなければ「陽」も分からない訳です。
また何ヶ月かすれば春が来ますが、カラビンカには
「春」の曲が多い。雪の残る春です。
10代の子達には春って新生活!新しい出会い!みたいな感じでしょうか、だけど大人になると冬から少し感じる春、どちらかというと失うものが多い寂しい季節なような気がします。
「春を逝く人」のように。

晩年はサブスクリプションにもありますが、CDで購入することをお勧めいたします。
なぜなら歌詞カードに特徴があるから。
ドラムの悠介さんが最初の頃はお忙しい中送って下さっていました。

な〜んか魅力が伝わっていないような〜!
許して!
だって詩は最近井上陽水の「夢の中へ」の解釈が分かったくらいなので。
井上陽水天才!

おわり。