「混凝土計画」の魅力
「混凝土計画」って?
皆さんは、言葉遊びコミュニティ『ピーコロン』で行われている「混凝土計画」をご存知でしょうか。
「混凝土計画」とは、「コンクリート」を「混凝土」、「カタログ」を「型録」というように、外来語に意味も音も寄せた当て字を考えるスレッドです。
※この記事では混凝土計画で作られた当て字を便宜的に「混凝土」と呼びます。
好きな投稿の紹介
あとで詳しく話しますが、僕はこの「混凝土計画」がピーコロンのチャンネル・スレッドの中でも三本の指に入るほど好みのスレッドです。
自分でもたまに投稿したり、他の人の投稿を見て「これは上手いなぁ」とか「その手があったか」と感心することもしばしばあり、その中でも特に好きなものをいくつか抜粋して紹介します。
・ソート→揃従
「ソート」とはデータの集合を一定の規則に従って並び替えることを指します。
「揃う」「従う」という文字を当てているのですが、恐らくどちらも訓読み(そろう、したがう)で当てているというのが個人的に芸術点が高い混凝土と感じます。
・ポリコレ→法理是
昨今世間を騒がせているポリコレ。
「ポリティカル・コレクトネス」の略称であり、日本語に直訳すると「政治的正しさ」という意味になります。
最近では映画などでポリコレが強く意識され、それがルールのようになっています。
「法」「理」という漢字で「ルール」のような意味を、「是」で「正しさ」という意味を拾っている非常に上手な混凝土だと思います。
・バイオ→培生
こちらは僕の投稿で手前味噌になってしまいますがリアクションが多く貰えたので紹介します。
「バイオ」とは「生命・生物」を意味します。
これを思いついた経緯としては、「バイオ」と「培養」が意味も語感も似ていると気づき、「少し工夫すれば混凝土計画に投稿できるな」と思って投稿しました。
「オ」と読みそうな漢字を探していて「生」を見つけた時「これはいいぞ」と思いました。
・ヨーグルト→洋牛糖
ヨーグルトは言わずと知れたあの酸っぱくて甘い発酵食品です。
「牛」を「グル」と読ませる大胆さ、「洋」には西洋の洋だけではなくヨーグルトの材料にもなる「羊」が含まれていたりと、非常に良い混凝土です。
・トラウマ→囚憂魔
この投稿には4つの混凝土が書かれていますが、この中でも特に好きなのが「囚憂魔」です。
トラウマとは、外的内的要因による肉体的及び精神的な衝撃を受けた事で、長い間それにとらわれてしまう状態で、また否定的な影響を持っていることを指します。(Wikipediaより引用)
まさに「憂い」や「魔」に「囚われる」という、ピッタリすぎる混凝土になっています。
・シンプルイズベスト
画像のふたつはシンプルに漢字一文字で意味を表していて面白く、そして綺麗でもある混凝土です。
「混凝土計画」にハマった理由と良さについて
数年前、なんとなく難読漢字を調べていた時、「混凝土」と書いて「コンクリート」と読む熟語があると知って、カタカナ語を発音も意味も通る漢字に置き換えている巧さにとても感心しました。
「混ぜて凝固する土」という意味と、「混(こん)凝(こり)土(ど)」という読みがピッタリ重なっていて、これ考えた人すごいなと思っていました。
1年ほど前にピーコロンに参加した時、この「混凝土」という当て字についてなにか話したいと思っていたのですが、特に何もしていませんでした。
そんな中、ある日「混凝土計画」というスレッドが立ち、「これを待ってた!」と感動したのと同時に、「混凝土のような当て字を自分達で新しく考える」という発想が浮かばなかったことが少し悔しくもありました。
まだスレッドが立ってから3ヶ月も経っていないものの、たまに投稿される当て字を見てはニヤニヤするのが習慣になっています。
ここから少し真面目な話をします。
明治時代、日本は200年ほど続いた鎖国が終わり、外国語が数多く流入してきました。
その中には日本語にぴったり対応する言葉がないものも多く、「philosophy」は「哲学」、「economy」は「経済」、「society」は「社会」など、訳語がたくさん作られました。
一方で、現代の日本では、外来語をわざわざ日本語訳せずにカタカナ表記でそのまま使う方が便利でカッコイイということや、明治時代に比べて外国の文化がより自然に受け入れられるようになったこともあり、新しい訳語が生まれにくくなっています。
でも僕は、日本語にはせっかく「漢字」という便利な文字があるのに、カタカナ語が増えているのは少しもったいなく感じています。
カタカナ語はたしかに便利です。
しかし、意味が直感的に分かりづらいことも多いです。
たとえば「インセンティブ」や「ソリューション」など、特にビジネスなどの場面でよく使われるものは、意味が分かりづらいと言われていることが多いです。
そこでこの「混凝土計画」は分かりづらいカタカナ語の理解する助けになるかもしれないと考えています。
僕もこれを本気で世の中に広められるとは思っていませんが、みなさんも当て字を考えてみると、普段使うカタカナ語の意味を自然と意識するきっかけになると思っています。
結果として、「このカタカナ語、どういう意味だ?」と戸惑う場面が少し減るかもしれませんし、遊びながら言葉への理解が深まるのは楽しいことだと思います。
まとめ
「混凝土計画」は、外来語を意味や音に基づいて漢字に置き換える言葉遊びのスレッドです。
たとえば、「ポリコレ」を「法理是」、「トラウマ」を「囚憂魔」と表現するように、漢字の意味や読みを工夫することで、普段意識しないカタカナ語の意味を考え直すきっかけになります。
何気なく使っている言葉に新たな角度から向き合えるのが、このスレッドの面白いところです。
みなさんも、ピーコロンで「混凝土」を考えてみませんか?
遊びながら言葉への理解が深まるかもしれませんよ。
あとがき
ここからは個人的な話です。
僕は作文などの長文を書くのが昔から非常に苦手で、行事の感想作文などほとんど書けずに降参することもありました。
この記事の後半はほとんどChatGPTに「こういうの内容の記事を書きたい」と構成案を送って書いてもらって、それを自分なりに調整したものです。
僕は1人ではこんな2500文字もある文章は書けないので技術の進歩に非常に助けられました。
OpenAI、本当にありがとう。