ビールのインターンシップで学んだこと〜仕込式を終えて〜
キリンビールと言えば、一番搾り。
一番搾りの中でも、「とれたてホップ一番搾り生ビール」は期間限定の特別なビールだ。
2021年夏、キリンビールのインターンシップに参加して、その「とれたてホップ一番搾り生ビール」の原材料の生産から、ビールの醸造、広報の担当者に実際に会って、仕事の様子を生で見ることができた。
対面で人と会う機会がめっきり減ったコロナ禍にあるが、このインターンシップでは自分の目で肌で経験ができ、本当に貴重でありがたいものだった。
社会人と関わって、「働く」というイメージが具体的に深まっただけでなく、初めて体験することに対して、感覚を鋭く持って学ぶという経験が出来た。
9月27日、第3回目のインターンシップとして、仕込式に参加した。
仕込式が始まる前に、キリンビールの當房さんに、「広告と広報の違いはなんだと思う?調べてみて!」と問題を出された。
「広報」という言葉はニュースや本で知っていたが、いざ似た意味の「広告」と比べたとき、上手く言葉で説明できなかった。
そこで検索をすると、広報は、広告と違って費用が少なくて済むが、第3者のメディアをはさむため、狙い通りの内容を消費者に届けられるとは限らない、と分かった。
また、広告を担当するマーケティング部は商品によって担当者がいて、一方広報は、メディアによって担当者が異なっていることなど教えてもらった。
この担当者の違いは、広告と広報の性格の違いを如実に表していると感じた。
消費者に届ける情報を自社で管理できる広告と違って、広報は、自社の情報をきちんと誤解がないようにメディアに伝えないと、消費者に間違って伝わるかもしれないからだ。
だから、仕込式の様子を取材に来た新聞社や放送局に渡された、とれたてホップ一番搾りの紹介文は、A4プリントに何段落にも分けて詳細に書かれていた。
その紹介文を読んでみると、書かれているのはこれまでのインターンで見聞きしてきたもので、知っていることばかりだった。
このことから気づいたのは、私たちインターン参加者はインターンシップの感想をnoteに投稿しているが、これはキリンビールの広報の一環だということだ。
キリンビール仙台工場の広報担当の方は、インターンシップ参加者に詳しく情報を伝え、私たちは第三者のメディアとなって、キリンビールの内外にその情報を伝えている。
もしかしたら、わたしたちの投稿を読んで、キリンビールのファンが増えたり、今日の晩酌にキリンビールを選択する人がいるかもしれない。
インターンを開催することが学生のためだけでなく自社のためにもなる、ということに気づいて興味深く感じた。
わたしたち学生もインターンに参加することで、想像以上の恩恵に与っている。
例えば、インターンに参加することで、知らない場所へ行けたり、初めての人と会えたり、普通に暮らしていたらできない体験ができる。
同じインターン参加者に会って、インターンをいろいろな角度で再経験できた。なぜなら、皆同じ経験をしているはずなのに、#森の都のビール学舎 で投稿される、インターン感想記事は、ぜんぜん違っていて、記事を読むと新しい着眼点を得られるからだ。
ホップの生産地の遠野を訪問した時は、田村さんという方に出会った。
印象的だったのは、「人に会うと何かが起こる」という言葉。
田村さんに会って、私の「地元」とは何か、未来に継承したいものは何か、考えるきっかけを得た。
このように、#森の都のビール学舎 というハッシュタグが表すように、様々なことを学ぶことができた。
ビールの生産・製造から販売にいたるまで、たくさんの人の様々な仕事が上手く調整されて、全国的な商品を世に出すことができていると分かっておもしろく感じたし、
学生とは無縁に思えた飲料業界でも、それぞれ関わり合うことで、相互に良い影響をもたらし合うインターンは、おもしろいと感じた。
学校の授業のように、到達目標が設定され、それに向かって学習を進めていくのではなく、インターンシップでは、感受性を豊かにして、学びを得ていく。
学習形態が違うからこそ、慣れていなくて大変に感じることもあったが、わたしは参加できて本当に良かった。
未知のことに挑んで、自分なりに学んでいくことの成功体験がこのインターンシップでできたからだ。
今後も、このインターンシップでの経験や、挑戦する心、学ぼうとする姿勢を忘れないようにしていきたい。