「全ての人が天寿を全うできる世界の実現を目指す」医療業界の課題とプレカルのミッションについて
こんにちは!株式会社プレカルのCOOの淺井です。
本日は、プレカルのミッションについてご紹介します。
・医療業界が抱える課題
・プレカルのミッション
・プレカルが実現したい世界
についてお話しして参りますので、「社会的意義のある業界に携わりたい方」やプレカルの考える社会課題や、そこから導き出される「ミッション」に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
医療業界が抱える課題
少子高齢化
プレカルは薬局に関連するプロダクトを提供する企業ですが、大きな括りで言うと医療課題に対してソリューションを提供しています。日本の医療課題の一つに、少子高齢化があります。
日本は国民皆保険制度によって、高品質な医療と長い健康寿命を実現しています。しかし、少子高齢化によってこの制度が崩壊すると、アメリカのように個人で高額な民間医療保険に加入する必要が出てきます。結果として、医療保険を支払えない人々が適切な医療を受けられない社会になってしまう可能性があるんです。
では、なぜ少子高齢化が日本の国民皆保険制度を揺るがせているのか。それは、若年層が支払う保険料で高齢者の治療費を賄う仕組みだからです。国民皆保険制度ができた当時は、若年層の人口が多く、高齢者が少なかったため、うまく機能していました。
しかし現在では、高齢化が進み、医療保険の収支バランスが崩れています。今後さらに少子高齢化が進むと、高齢者が増えることで医療ニーズが増大することが予想されます。さらには、医療従事者の高齢化も進んでおり、労働人口の減少が地域医療の崩壊を招いてしまうかもしれません。
このような状況の中で薬局は、医療機関が発行する処方箋に基づいて正しく薬を調剤し、提供する役割は果たせていると思います。しかし、少子高齢化による医療ニーズの増大や医療費の増加、医療従事者の不足といった環境変化に充分に対応できているかというと、まだ課題が残っていると感じますね。
薬局と他医療機関との連携不足
もう一つの課題として、地域医療のネットワークにおいて、医療機関・医療提供施設や、それぞれの従事者間で患者情報の連携がまだまだ不足しているなと感じます。というのも、病気の治療には薬が重要な役割を果たしており、「患者様がどのような薬を飲んでいるか」といった情報は、他の医療機関や医療提供施設との連携をもっとするべきだからです。
例えば、薬局では処方箋に基づいて、指定された医薬品を調剤し、服薬指導と言って飲み方や副作用等の注意事項を説明し、安全にお薬を患者様が使用して治療効果を上げることを行っています。しかしながら、薬局はその患者様が何の病気で病院の診察を受けたのか、どのような検査を行ったのか等の情報は持ち合わせていないのです。
同様に、薬局では服薬指導やお薬手帳といったコミュニケーションやツールを通して患者様の生活習慣や、複数の医療機関での処方内容を把握していますが、これらを医療機関にフィードバックするような仕組みは個々の薬局に任されており、システム化はされていません。
薬局が各医療機関や医療提供施設に情報を提供したり、受け取ったりといった連携が確立されていれば、患者様はより適切な医療を受けることができます。さらには、無駄な薬の使用を抑制して医療費の削減にも繋がります。
本来、地域医療のハブとしての役割を果たすべき薬局がその機能を発揮できていない現状は、重要な社会課題だと考えています。
プレカルのミッション
上記で述べたような医療課題に対して、プレカルは持続可能な医療プラットフォームを構築し、今までにない価値を生み出し続けることで、誰もが長寿を楽しめる社会を実現する。をミッションとしています。
具体的には、まずクラウドレセコンやBPOの入力代行など、最新のプラットフォームとデジタルテクノロジーを用い、医療業界の課題解決に取り組んでいます。結果として、患者様にも今までにない価値を提供し、医療費や保険制度を持続可能に保ちながら、治療効果を高め、健康寿命を延ばすことを目指しています。
具体的に何に取り組んでいるのか
クラウドレセコンをリリース
クラウドレセコンというプロダクトをリリースしています。レセコンは薬局の会計システムであり、処方箋情報の最初の入力を行う場所で、情報起点であり司令塔のような役割をもっていますが、現状ほとんどがオンプレミスで稼働しています。そのため、薬歴や調剤機器、レジなどの他のシステムとの連携が限定的になってしまっているんです。これを、クラウド化することによって、場所やデバイスに関係なくアクセスでき、他のシステムとの連携が容易になります。
クラウドレセコンを導入することで、まずは薬局内でのデータ連携が実現する。患者様情報の一元管理により、正確で効率の良い薬局運営が可能となります。次のステップとして、薬局全体がクラウド化することで、薬局外の多職種ともクラウドを介して連携が可能になります。これにより、前述の地域医療のネットワークにおいて、薬局がハブとして機能し、患者様情報の有効活用によって薬局はもちろん、様々な医療機関や医療提供施設で患者様のデータを共有し、治療効果を高めることが出来ます。これがプレカルがクラウドレセコンをリリースした理由です。
クラウドレセコンによって、薬局の働き方も変わる
また、レセコンをクラウド化することで、薬局の働き方にも大きな変革が期待できます。オンプレミスの場合、その場所に縛られがちで、操作は機器が設置されている場所でしかできません。しかし、クラウド化することで、セキュリティなどの対処すべき課題はあるものの、クラウドの基本的な利点としてどこからでもレセコンを使えるということが実現できます。
例えば、薬局の事務作業をセンター化して集中処理することも可能になりますね。現在は各薬局に事務員が必要ですが、処方箋の入力作業を一箇所のセンターで集中的に行うことで、事務員を集約し、省力化や人員削減、作業効率の向上が叶えば、薬局の経営改善にもつながります。
さらに突き詰めていくと、オンライン薬局も運営できるようになると思いますね。場所に縛られず、薬剤師や事務員が薬局にいる必要がなくなるので、薬の物流網さえ整っていれば、患者様は電子処方箋を薬局に送信し、薬剤師がオンラインで問診と服薬指導を行い、薬は後から物流で送られるというオンライン薬局が実現します。
このように、クラウドレセコンは少人数で質の高い医療を提供するための起点にもなるんです。
BPOの入力代行をリリース
クラウドレセコンに付随する形でBPOの入力代行を提供しています。処方箋の情報入力業務は、正確に入力し、必要な処理を行うことができれば、本来、人が行う必要はない作業です。このような人が介在しなくてもできる部分を自動化し、事務作業の負担を軽減するプロダクトとして入力代行システムを開発しリリースしました。既に多数の薬局での利用実績があり、そのお声を頂いてより良いプロダクト開発を進めています。
事業展望
請求返戻代行
短期的な計画として、請求返戻代行システムの開発も検討しています。具体的には、薬局では毎月、保険負担分を国に請求するためにレセプトという作業をレセコンで行います。もしレセプトの記載内容にミスがあると、薬局に差し戻されるのですが、これを返戻と言います。
入力代行システムが処方箋情報の入力を自動化するもので、会計プロセスの入口部分を担当しているのに対し、請求返戻代行システムはレセプト作業の出口部分を担当しているようなイメージです。最終的には、薬局の会計業務の入口から出口までを一貫してプレカルがBPOできるようになることを目指しています。
最終的にプレカルが実現したい世界
このようにプレカルでは、デジタルプラットフォームを活用して、薬局をはじめとした医療機関や医療提供施設がその機能を高め、社会課題を解決出来るようなプロダクトをリリースし、社会貢献したいと考えています。
「全ての人の健康寿命を延ばし、社会参画できる時間を長くすること」がプレカルの実現したい世界です。
健康寿命が伸びれば、医療費が削減できるので、若者の医療負担を減らすことに繋がります。さらに、高齢者も健康寿命が長くなることで社会で活躍したり、人生を楽しむことができる時間が長くなる。天寿を全うできるようになるわけです。
若者もいずれ高齢になります。そのときに健康でいられる社会が実現できれば、社会の構成も変わり、すべての年齢層が健康であることで、国の医療費や財政を維持しながら福祉が充実し、健康に社会参画して生きていける社会が実現できるんです。
こんな方に参画していただきたい
薬局業界の知識はこのように余り一般的に知られた内容ではないかもしれません。ただ、必ずしもドメイン知識が必要だとは思っていません。プレカルの使命は医療業界や社会に良い影響を与えることだと考えています。これに共感して、自分の携わったプロダクトや取り組みが社会に影響を与えることに喜びを感じられる方に参画していただきたいですね。
もう一つ重要なのは、それに楽しんで取り組めること。課題意識を持ち、それをモチベーションに変えて仕事をすることで得られる影響に対してやりがいを感じられる人が理想です。
課題意識を持っている人は多いですが、それを自分のモチベーションや、給与・ポジションといった成果に結びつけられるかどうかが重要だと思っていて。というのも、使命感を持って仕事に取り組むことは重要ですが、それが自分の利益に繋がらなければ長続きしないと思うんです。会社の目的と自分の目的が一致していて、ちゃんと自分自身の利益に変換できる方はご活躍いただけると思います。
とはいえ、使命感を重く捉えすぎずに自然体で取り組める方が一番適しています。熱意は持ちつつも、それをスマートに、冷静に俯瞰できる方はフィットすると思います。
プレカルの目指す世界に共感していただけた方からのご応募、お待ちしております!