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【連載】IT系の資格ホルダーになる! ~情報処理技術者試験~ #2

こんにちは!株式会社PlusWordの志築です。

前回ではIT系の資格を取るための事前情報として知っておいてもらいたい内容を記事にしました。

今回はIT系の資格として外せない「情報処理技術者試験」を取り上げていきます。
自分自身のアピールとしても、キャリアアップとしてもとても有意義な資格となりますので、ぜひチェックしてみてください。


◇情報処理技術者試験とは?

まずは、何はともあれ、「国家試験」です。情報処理(ITですね)について国が定めている資格で、取得することで国から認定を受ける、というのは大きな意味があるといえます。取得すると経済産業大臣の署名が入った合格証書が届きます。

当然認知度も高く、取得を奨励し手当などの支給対象としている企業も多い資格となります。

◇情報処理技術者試験の特徴

  • IPA(情報処理推進機構)が主催

  • レベル別に4段階に分かれた10以上の資格がある

  • 試験会場での受験と一部CBTでの受験形式となる

  • 全体を通して試験範囲が広く、難易度は高め

  • 国家試験なので受験料は比較的安い

大きく上記のような特徴があります。
以下ひとつずつ見ていってみます。

・IPA(情報処理推進機構)が主催

情報処理技術者試験はIPAという団体が主催しています。

このIPAという団体は経済産業省が所轄となる独立行政法人で、試験の主催のほかにもセキュリティ情報をはじめ、IT業界に関わる様々な規約や情報などを規定・発信している団体となります。
IPAの発信している情報は公的で正式な情報として扱うことができますし、トレンドを知る上でもぜひ定期的にチェックしておきたい情報となります。

  • レベル別に4段階に分かれた10以上の資格がある

試験は以下のように区分されています

(IPAより引用:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/list.html)

上記の図はIPAが公表している試験区分表に独自にレベルごとの枠を加えたものになります。
レベルがあがるごとに難易度が高い傾向にあり、

レベル1は技術者だけなく、「ITを利活用する者」なので利用者までを対象としているもので、「ITパスポート試験」は学生にも人気の資格です。

レベル2の「基本情報技術者試験」はFEや基本情報の名称でも呼ばれている、「技術者の登竜門」として有名な資格です。

レベル3の「応用情報技術者試験」はレベル2の基本情報を深堀りするとともに、経営など情報処理以外の分野の知識も問われる資格です。

レベル4はいわゆるスペシャリスト試験で、それぞれの技術分野に特化した試験内容で、記述タイプの問題に対応する必要が出てきます。

このように情報処理技術者試験はレベル層に応じ、様々な分野の領域をカバーしているのが特徴といえます。

・試験会場での受験と一部CBTでの受験形式となる

2024年時点では、受験タイプが2種類あります。
従来からある決まった時間に試験会場に出向き、受験者が集合し筆記受験するタイプと、CBTといわれるパソコンで受験するタイプです。
後者のCBT形式は自分で対象となっている試験会場(パソコン教室など)を選び、空いている日時に申し込み受験するタイプです。コロナの影響などもあり世間的にも広がりを見せていますが、現時点ではレベル1,レベル2の資格(ITパスポート・情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験)のみがCBT受験可能です。それ以外の資格は年2回(資格によっては年1回)の試験日にのみ受験できます。

  • 全体を通して試験範囲が広く、難易度は高め

ここが一番気になる点ではないでしょうか。
国家試験という位置づけもあり、ほかのベンダー系の資格と比べて難易度は高めといえます。
パソコンの操作や使い方ではなく、テクノロジーの原理原則が問われる部分が多いので「日常パソコンに触れている」「仕事でプログラムを書いている」から大丈夫というわけではない、ということです。
こういった特徴から「仕事する上では必要ない」と考える傾向も一部ありますが、やはり裏側を理解することで広がる知見というのは必ずあるので、決してムダではないと思います。
情報処理技術者試験の学習は、明日にでも役立つ即効性のある知識ではないかもしれないが長い目で見ると必要となる、いわば「種まき・水やり」という表現を私はよくしています。

試験範囲の広さからも一夜漬けで取得できる資格ではなく、じっくりと腰を据えて中長期的に取り組む気概が必要です。

  • 国家試験なので受験料は比較的安い

試験をうける受験料(IPAでは受験手数料と記載)は現時点で7,500円です。
数年前に比べると少し高くなりましたが、それでもほかの企業が主催しているいわゆるベンダー資格とくらべるとかなり安いといえます。
参考書・過去問などを揃えても1万円前後と考えると、合格の可否に関わらず有意義な出費だと思います。

ここまで特徴に沿って、情報処理技術者試験の紹介をしてきました。
特に難易度が高い、時間がかかるといった点から躊躇してしまうかもしれませんね。
私自身も経験があるのですが、必要性を感じ、または会社から言われ受験を決意し、参考書を購入し学習を始めたが範囲の広さに嫌気が指し、優先度が下がり、次第に参考書も開かなくなり・・・。
こういったことが起こりやすい資格だとも思います。
個人差はあると思いますが、短期集中で取得するのに適していないとも思いますので、徐々にペースを上げて試験日にピークを迎えるようなプランでじっくりと向き合ってもらえればと思います。