【ラジオ・de・ミーツ Vol.8】「福祉に関わって考え方が変わった」NPO法人月と風とスタッフ 小島菜月
障がいがあってもなくても楽しめるフェス「ミーツ・ザ・福祉」。今年から新しく音声でミーツ・ザ・福祉について知ることのできる「ラジオ・de・ミーツ」が始まりました。
今回のゲストは、障がい者支援団体「NPO法人月と風と」で事務局の業務とチャリティショップ「ふくる」の運営を担当している小島菜月さんです。パーソナリティを務めるのは、視覚障がいのあるながのっちと、NPO法人月と風とスタッフのオザキです。
ながのっち:普段、小島さんは何をしていますか?
小島: NPO法人月と風とで働いてます。月と風とはヘルパー派遣事業所なんですけど、わたしはヘルパーではなく事務の仕事をしています。それと、地域の方々からいただいたお洋服を販売している古着屋、チャリティーショップ「ふくる」の運営もしています。
ながのっち:ふくるについて、もう少し具体的に教えてもらっても良いですか?
小島:地域の方々から寄付していただいたまだ着れる状態のお洋服を、スーパーの一角で販売しているんです。ふくるでの売上は、働いている車いす店員さんのお給料になります。
ながのっち:なるほど。ミーツにもふくるは出店されるんですよね。
小島:そうなんです。今回は他団体さんと合同で「そのだふくくん」というプロジェクト名で一緒に出店します。
ながのっち:そのだふくくん以外にも、ミーツの運営メンバーとして小島さんはいろんなプロジェクトに関わっているんですよね。どんな企画に関わっているか教えてください。
小島:ひとつは、聴覚障がいのある方が安心してミーツに来れることを目指して、手話動画をつくってますね。手話のことを知りたいと思っている方にも届いたら良いなと思っています。あとは、「できます屋さん」という企画に関わっています。
ながのっち:どういう企画か教えてください。
小島:みなさんの「できる」を披露してもらう企画です。ちょっとしたネタでも良いし、知っていることを教えてもらう形でも大丈夫です。
ながのっち:なるほど。大きなことでなくても良いんですね。ところで、小島さんはいつ頃からミーツに関わっているんですか?
小島:ミーツには始まって5年目から関わっています。月と風とで働き始めたのがきっかけです。こんなにもたくさんの人が関わっているイベントだと知ってびっくりしました。そもそも月と風とで働くまでは、福祉との関わりが全くなかったんです。
ながのっち:実際ミーツに関わってみてどうですか?
小島:障がいのある人が周りにいなかったこともあって、こんなにも障がいのある人がいるんだと初めて知りました。
ながのっち:印象的だった出来事はありますか?
小島:ミーツに関わり始めて、手話を勉強し始めました。自分のできることが増えたような気がします。相手に手話が伝わると嬉しいですね。
ながのっち:それこそできます屋さんじゃないですか!オザキさんから小島さんへ質問はありますか?
オザキ:小島さんは元々福祉とは関わりがなかったものの、すごいなって思うことが多くて。なんて言うんだろう…。「あの人はこういう人だ」とカテゴライズせずに、目の前の人と接することを大切にしているように見えるというか…。普段から気をつけていることがあるのかなって。月と風とで働くようになってから変わったことはありますか?
小島:ふくるで障がいのある車いすユーザーの方と接するようになって、考え方が変わったというか…。ふくるでは車いす店員さんがラックにかかった服を取れないとき、「届かないんで取ってください」と言ったりするんです。他にも、お客さんが買った服のタグを自分で切ってくれたり、「ハンガー外しておくね」と言ってくれたり。そういうことが自然に起こるのがすごく素敵だなと思っていて。
すごく失礼な話なんですけど、以前は障がいのある人はできることが少ないと思っていたんですよ。でも、その人にはその人のできることがあって。できないことを人にお願いするのも才能のひとつだと思うんですよ。
「これできないんでお願いしても良いですか?」「ここまでなら自分はできます」と言えたら、他の人ができない部分を手伝える。そういうことを福祉に関わるようになって思えるようになったんです。こういうことをみんながもっとフラットに言えたら良いなと思っています。
オザキ:小島さん自身の中でも、誰かに手伝ってもらうことへのハードルが下がってきたということですかね?
小島:そうですね。自分はこれまで「できない」と言えない人だったんです。できないことでも、挑戦してやってみるみたいな。でも、自分の苦手なことばかりをやっていると、だんだんしんどくなってくるというか…。でも、私の苦手は他の人にとっては得意ということもあります。そうやってそれぞれの得意が活かされる場が増えたら良いなと思っていますね。みんなが無理せずいれたら良いなって。
ながのっち:そんな変化があったんですね。最後に、みなさんへメッセージをお願いします!
小島:「自分が行っても良いイベントなのかな」と不安になったら、ぜひラジオ・de・ミーツを聴いてもらいたいです。ミーツ当日はぜひ遊びに来てください!
ながのっち:小島さん、ありがとうございました!
(文:景山幸信)
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