シレーヌの日記9
私はシレーヌ。
私とロミオの子供が生まれたわ。
名前はオーラ。
『時』を意味する言葉よ。
2人が時を越えて育んだ愛の結晶。
それがあなたよ - 。
あなたがこれを読んでいる時
私とロミオはもう死んでしまっているでしょう。
私たちはあなたをちゃんと愛せていたかしら?
限られた時間の中で精一杯やってきたつもりだけど
あなたに私たちの思いが伝わっていることを祈っているわ。
私たちの死期についてはあなたに話すかどうか
すごく迷っていたの。
でも、話さないことにしていたわ。
死期が分かってしまうことはすごく怖い事なの。
だから話せなかった。許してね。
それと、あなたには魔法の力が宿っているわ。
あなたがこれからの人生で大切な人を見つけた時
その人を守りたいと思った時
心の中で祈ってね。
きっと私があなたの元に現れて
魔法の事を教えてくれると思うから。
最後に、短い間だったけど
一緒に暮らせて楽しかったわ。
あなたの事をいつでも愛しています。
また会いましょう。
シレーヌより。
− オーラはそっと日記を机の上に置いた −
両親の突然の死の原因を探るため
オーラはシレーヌの残した日記を見た。
そして真実を知る事ができた。
オーラ15歳。
心に魔法の力を宿した少年は
大切な人を見つけるための旅に出るのであった。
おしまい。