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『大穢』前編 感想

 ADELTA新作ボーイズラブゲーム『大穢』(前編)をクリアしました。数年以上発売を心待ちにしていた作品が面白すぎるという幸福を噛み締めています。
 マーダーミステリー&戦後しばらくした昭和後期の雰囲気が好きな人は今すぐ買いましょう。4000円の使い道としてこれほど充実感のあるものは中々ない。
 以下はネタバレの無い感想とワンクッションを置いたネタバレ有りの感想です。


ネタバレ無し感想

簡単な概要

あらすじ

東京は八丈島より先の離島 大江島で行われる
ある女優の三回忌。
探偵社に勤める大崎は
なりすましての代理参列という奇妙な依頼を受ける。
しかし、

誰も見たことがないという施主
定刻を過ぎても迎えに来ない船頭
なぜか恐れ、憎しみあう参列者たち

不吉な島に取り残された十人は、 参列者に共通する過去と
女優「大江杏」の死の謎を紐解いていく。

古典クローズド・サークルを日本色にアレンジした昭和ホラーミステリー

『大穢』公式サイトより引用

プレイ時間:13時間ほど(全てのエンディングを確認済)
システム:次の選択肢までスキップやバックログからのシーン遡り等のシステムはないが、プレイする分には十分に整っていると思う。
シナリオ:あらすじを読んで作品が気になった人ならば欲しいものが転がり落ちてくるような満足できるシナリオだと思います。また予測のつかない展開に手に汗にぎりました。面白かった!

感想

 自分語りから始まって大変申し訳無いのですが、中学生時代は京極夏彦作品にドハマリし周辺のミステリを読み漁っていました。その中でも『十角館の殺人』『孤島パズル』『仮面山荘殺人事件』『黒祠の島』等、クローズドサークルものには夢中になりました。閉鎖された空間・人間関係とミステリは相性の良さから多くの名作が存在していますので、本作もとても楽しみにしていました。

男ごとに"香り"が設定されているゲームです

 大穢はアダルトゲームではありますがマダミス部分にも真摯に取り組んでおり、登場人物たちと同じようにプレイヤーも真偽に振り回されます。最後まで息のつけない展開に1周目は徹夜でクリアしました。また濃厚なBLもしっかり提供してくださいますので助かりました。
 クロサワ先生の硬めの筆致ながら情感のある文章、前編だけで140枚ある美麗なスチル、場面の緊張感を引き立てる無駄のないBGM、どれもインディーズとは思えないクオリティです。いつもすごい。
 極力ネタバレを書かないとなると感想に困りますね。プレイ前に気になるであろうことについて以下記載します。

大穢のプレイ前疑問解消Q&A

・ホラーが苦手だがプレイできる?
 余裕でクリアできます。私はホラーが一切駄目なのですが難なくクリアできました。ジャンプスケア系はありませんのでご安心ください。
・前編ということは後編がある?
 前編では3人が攻略できます。後編は2025年冬配信予定だそうです。ちなみに前編の購入者を対象に後編は無償配布だそうで、つまり前編を購入すれば後編はタダってこと。このゲームで一番のホラーかも。
・PC環境のみ?
 2024年11月4日現在、PCのみでプレイできます。しかしADELTAさんの他作品ではスマホ版もあるため、後編の配信後に何らかの展開はあるかも?
・主人公総攻め?
 主人公総攻めです。私はノーサン以来の総攻めゲーだったのですが、この手のゲームは主人公の声の良さが絶対に活かされるので最高すぎますね。総攻めゲーとしてはかなり入りやすい作品だと思います。
・本作に似ている雰囲気の作品はある?
 時代設定はゲ謎、ADVとしてはレイジングループ、BL部分としてはやはりADELTA作品でした。ゲ謎が好きで本作初18禁BLゲームという奇特な方が万が一いたとしたらこの作品は一生残る傷跡になると思います。やろう。

 他にもプレイ前に気になることがあればnoteにコメントをください。あなたのバンジージャンプの手伝いを精一杯させていただきます。

ネタバレ有り感想

 ふせったーにまとめました。既プレイのみなさんと感想を共有したすぎる。


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