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『都市伝説解体センター』レビュー&謎解きイベント《闇の福引》参加レポ

 日常に潜む怪異を解明していくADV『都市伝説解体センター』をクリアしました。
 発売を心待ちにしていた作品ではありましたが、想像を超えてくる面白さで大満足でした!このクオリティを低価格でお手軽にプレイできる、なんていい時代なんだ。
 ネタバレが楽しみを損なうタイプの作品ですので、ネタバレのない簡単なレビューを書きたいと思います。
 また発売記念謎解きイベントに参加しましたので日記代わりにレポを乗せています。


『都市伝説解体センター』レビュー


概要

プレイ時間:11時間(Steam版をプレイ)
ゲームジャンル:ミステリーアドベンチャー
販売価格:ダウンロード版1,980円、パッケージ版3,740円

あらすじ

怪異、呪物、異界などの調査・解体を行う『都市伝説解体センター』。
主人公の福来あざみは、『都市伝説解体センター』のセンター長であり
国内屈指の超能力者である廻屋渉とともに、
「都市伝説」がらみの依頼を解決していくことなるが…

公式サイトより引用

ネタバレ無しのレビュー

 都市伝説といえば口裂け女、トイレの花子さん、ターボババアといった日本を代表するものから、フリーメイソン、ダークウェブ、MKウルトラ計画といった外国資本のものまで様々です。どれも今日のインターネットで時に陰謀論を滲ませながら語られています。
 本作はそれが引き起こしたとしか思えない怪異に見舞われた依頼者へ、『都市伝説解体センター』の所員である主人公が赴き、安楽椅子探偵である所長の手を借りて解決に導いていくという大筋です。

・雰囲気が良い

 リアル寄りのドッド絵と絞られた色彩が不気味さを引き出しています。
 しかしながら人物は可愛らしくデフォルメされているところが作品をより親しみやすくしているので絶妙なバランス感覚です。

主人公が表情豊かで可愛い

・SNSにリアリティがありすぎる

 本作にはSNSを通して情報収集をするパートがあります。
 Xがモデルらしきそれの"あるある"感に最初は頷くだけでしたが、次第に……。このゲームをしながら我が身を顧みました。

・二転三転する物語

 冗長な前置きもなく、話もトントン拍子に展開していき、とにかくストレスのない読み口です。
 ある程度先を予測できるシナリオだな……と本作に少しでも触れて感じた人、そう、体験版とか配信とかそういうので見て購入を悩んでいる人、それは傲慢です。
 ネタバレはしたくないので多く語れないのが口惜しいのですが、久しぶりにカタルシスのある作品に触れました。このゲームはクリア後に誰しもが語りだしたくなるような作品だと思います。察してください。

 一点気になるところを上げるとするならば、イベントが切り替えられるとバックログがリセットされる点が残念でした。読む系のUI周り以外には不満はありません。

所長である廻屋は見た目通りのまま面倒くさい人間

本作がおすすめの方

・流行り神、パラノマサイト、ダンガンロンパ等の推理系ADVが好き
「この世には不思議な事など何もないのだよ、関口君」がピンと来る人
・本作のおどろどろしくもスタイリッシュなアートワークが好きな人
・モンスターハンターワイルズの発売までやるゲームがない人←今すぐやろう!

"発売記念謎解きイベント"参加レポ

 クリア後の熱も冷めやらぬまま、発売記念謎解きイベントへ行きました!
 以降はイベントのネタバレを含みますのでご了承ください。
 ※ゲームに関するネタバレはありません!※

闇の福引きをする

 整理券配布時間ちょうどに会場に到着しました。すでに50名ほどいました。発売されたばかりの作品ですのにみなさんの熱量がすごい。
 指定の時間まで秋葉原を散策。オタクに優しい街なので、Vtuberの顔を全面に貼り付けた痛バッグを持ち歩いても、いい大人がVtuberのぬいぐるみを抱えて歩いても、大声でVtuberのモエモエ語りをしても、すべて憲法20条内心における宗教上の信仰の自由で保障されています。にじフェス会期中だしね。ここ数年でソシャゲの街からVの街に移り変わったように思います。でも日本全国どこのオタク・街もその傾向があるかも。
 
 整理券の時間が近くなり、アニメイトの青い袋をバッグに突っ込んだ私は会場へ戻ります。

 スタッフが明らかに不穏すぎる。

 待ち列が動き出すとすぐに「一等賞おめでとうございます!!」の声とともにベルが派手にカランカランッと鳴らされました。景気が良いです。
 ちなみにこのくじの一等賞は『異世界ツアー』への招待です。

 次々と「一等賞おめでとうございます!!!!」の祝福の声がきこえ、当選者たちが誕生していきます。3人、4人、5人、……20人。スタッフのお兄さんはテンションのギアをMAXから引き下げることなくずっと盛り上げており、まさに役者魂ってやつを見せつけられました。
 
 いよいよ私の番。勢いよく回せばころんと落ちたのは、もちろん金色の玉。ピカピカの金色の玉。
 「一等賞おめでとうございます!!!!!!」と怪しい仮面のお兄さんに祝福されます。
~ここまで予定調和~
 隣のお姉さんから『異世界ツアー要項』と書かれたパンフレットをいただき、「ツアーをキャンセルされる場合は窓口までお越しください」と告げられました。

『異世界ツアー』店舗窓口を探す

 どうやら会場になっている家電量販店の中に店舗窓口があり、パンフレットに記載された謎を解けばたどり着くらしい。
 易しい難易度&答えモロ出しのヒント有り。謎解きが苦手な方も問題なく対応できるレベル感です。レイトンがクリアできず積んでいる石頭の私でも大丈夫でした。

 列が形成されているのでとりあえず並びます。ざっと5組ほど前にいたと思います。そして10分も経たないうちに先頭になりました。
 イベントスペースにぽつんと立つスーツ姿の係員風の男性のところへ行くようにと案内されました。

株式会社フェブラリーツアーズ窓口にて

 どう声をかければいいのかわからない……と挙動不審者感満載で男性の前に立ちましたが特に反応もなく、意を決して「ツアーに参加したいのですが……」と伝えました。
 係員の方は急に親しみやすい表情へと変わり「参加されたいのですか!!どうぞ中へ!」と明らかに違和感マシマシの対応をされてあれなんかおかしいぞ……となりながらも暖簾で区切られた別室へ通されます。

 そこにはガラの悪い(風の)スーツの男性が二人、長テーブルを前にして座っていました。
 背後には社名の書かれたポスターが貼られていて、テーブルには競馬新聞(今回のために制作したと思われる)、顧客名簿(?)の挟まれたバインダーなどがあり、一目で悪徳業者だとわかる仕様です。

 恐る恐る「ツアーに参加したいのですが……」と伝えると、二人は勢い良く立ち上がって「ありがとうございます!!!!!」と明るく声をかけてきました。
 あまりの変容っぷりに戸惑う私へ「ところで手数料の方はいかがでしょうか」とたずねてきます。
 なんともまともなツアーではないことを他要素で補完してくれる親切な導入です。

 慌てて『異世界ツアー』パンフレットを開くとそこには記載がありました。

 手数料について
参加費とは別に手数料として、この世界におけるお客様の残りの人生をお支払いいただきます。
支払うことができないお客様に用はありません。
参加予定のツアーをキャンセルしますので弊社の店舗窓口にお越しください。

 しっかり見落としていました。

 メタ的な言い方をするとキャンセルを申し出るのが常で、こういうイマーシブなものに慣れた人が「参加しちゃおうかな~」と伝える想定なのでしょう。

 全くこういうものに触れたことのない私は若干焦りながらも「ツアーに参加される方は多い感じですか?」と場繋ぎの質問をして「今日はみなさんキャンセルされる方が多くて……」そりゃなの返答をもらいます。
 「アッじゃあ私も今回はキャンセルで……」ともごもごしながら言うと、表情は一点、柄の悪い態度に戻り「どうしてっすか?」と詰められる。

 どうやったらこの場が収まるのかと「じ、次回作が発売されたら参加するかも……」とかいう面白くもなんともない答えをしてしまい、ワンテンポ置いて大後悔。寝る前に思い出しては自己嫌悪するレベル。

「……」
「……」
「……」
「「キャンセル成功です!」」

 笑顔でそう伝えられ、テーブルから少し離れたところに設置されたモニターを指さされます。
 そこには『闇の福引 異世界ツアー キャンセル成功』の文字。

 私、終わったことに安堵。さっきまで私を詰めていたお兄さんも今はにこやかに微笑んで参加者特典のクリアファイルを差し出してくれている。安堵。
 無事、悪徳ツアー代理店から脱出成功しました。

ジャスミンさん、LOVE。

その後

 イベントスペースにはフォトスポットがあるので写真を撮っていたところ、次の組の方がのれん前の男性に声をかけていました。
「あの、ツアーをキャンセルしたいのですが……」

 そう伝えればよかったんだね……。


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