受験生のLGBTQsの君へ
ついこないだ春がきたと思ったら、もう夏休み真っ只中です。GUではとうとう冬着が売られるようになりました。早すぎる。
受験生の人にとっては大学受験に向けて大切な時期でしょう。僕も高校生の頃、学校の先生から「夏を制すものは受験も制す」とか言われました。懐かしい。そんなことを言うのは自称進学校だけだなんて知っていますとも。
さて、そんな今日は、僕の体験を語りつつ、受験生かつLGBTQsの君たちにちょっとお話をしたいと思います。きっと色々不安もあるんじゃないかな、と思うので。僕もそうでしたから。
僕は戸籍上女性として生まれましたが、自分が女性であるという自覚に薄い人間です。いわゆるXジェンダーとかノンバイナリーというセクシュアリティに属するかと。
ちなみに恋愛対象に性別は関係ないと思っています。なので女性でも男性でもレズビアンでもゲイでも好きになります。
僕は今の自分の性自認や性的指向を嫌に思うことがなかったわけではありませんが、基本的には大好きです。そのおかげで繋がれた人も少なくありませんから。
けれど、どうしてもそれらが人生の壁になることは多々あります。受験もその一つでした。僕が受験の際に困ったことをいくつか上げていきましょう。
①受験票
否が応でも性別の記入が必要な場面です。特に共通テストの受験票。これがどうしてなかなか不快なものです。
そもそも男女平等を掲げるのであれば必要ないものでしょう。だって、性別じゃなくて学力で判断するわけですから(裏でどうなっているかは預かり知らぬ所ですが)。
よく分からない政府の方針に基づく共通テストの内容にも腹が立ちますが、性別欄にも腹が立つ。けれど僕らにはどうしようもない。
「ははは、政府のばーか、僕は完全なる女じゃねえよ。悪かったな、子供作る気がなくて。こんな国で生む気になるかよ。受験票間違ってまーす」
こういう精神で受験しましょう。どうせ僕らのことを認めなくて困るのは政治家です。優秀な人材になって日本を脱出してやりましょう。そのための受験です。
②トイレ
これはとても困ります。なんてったってトイレの案内表示の中に多目的トイレが存在していないこともありますし、使われていることもありますし、あっても遠い場合もありますし。
可能であれば事前に試験会場の下見に行って多目的トイレの場所を確認しておきましょう。無理であれば、当日受験会場に試験開始時刻よりも早く行って、スタッフさんに事前に確認しておくことをお勧めします。
③服装
基本的に私服が一番良い、というのが僕の意見です。僕は関関同立の試験では泣く泣くスラックスではなく、スカートで受験しました。親の女の子らしくないことを認めないわけではないけれど、世間はそうではないことも多い、という一言を聞いたので。
でも国公立の後期試験は私服で行きました。ですけど問題なく受かりましたよ。ええ。倍率5倍をほぼノー勉で勝ち抜きましたよ。
浪人生の人もいますし、私服の方が動きやすい。迷ったら私服にしましょう。仮に学校から制服で行けと指定されても合否を決めるのは高校ではありません。胸を張ってジーンズとトレーナーで行きましょう。
注意点は色はモノトーン、無地、ダメージ等は入っていないもの、という点くらいです。
基本的に多くのLGBTQsの方が困ることはここら辺でしょうか。
ジェンダー平等を謳いつつも結局のところ差別というのはかなり多いです。正直な話。差別がないなんてことはあり得ません。
「ちゃんと」戸籍上の性別らしくしていないのが理解できないからと、それを試験監督や面接、採点の場面にまで持ち込んでしまう大人もいないとは限りません。公私混同甚だしいですが。お子ちゃま極まりないです、けしからん。
人一倍、壁にぶち当たることが多い僕らです。仕方ない、で済ませたくないハンデを負って大学受験に向かっているようなもの。
頑張りが報われるとは限らないのが受験ですが、そのハンデはやりようと考え方によっては減らす、またはエネルギーに変えることができます。受験以外の一部の場合では、武器になることだってあります。
僕は髪がとても短いし、一人称僕だし、男子の服ばかり着ていますが、偏差値がそこそこ高い大学の偏差値が高めの学科に合格しました。
後期試験なので倍率も後期試験の相対的な偏差値も高かったですけど、合格しました。
ここに僕という前例がいます。僕の友人にもLGBTQsの人はたくさんいますが、みんな難関校に合格しています。
可能性ゼロの無茶をするわけではありません。だから大丈夫。頑張って勉強に専念してください。
心配なことがあれば僕に聞いてください。伝授できることはなんでも伝授しておこうと思います。
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