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都政の取り組みを、分かりやすく魅力的に発信する。東京都のnote活用術
noteの担当者に回答いただいたアンケートを元に、自治体がどのようにnoteを運用しているのか、事例をご紹介しています。
今回ご紹介するのは東京都です。
東京都は、各部署ごとに無料でつかえるnoteアカウントを開設し、積極的な発信を行っています。各部署が公開した記事は、戦略広報課が開設した東京都庁note proにまとめて表示しています。
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各部署ごとのnoteは、それぞれの裁量で運用しています。部署の方針に合わせて記事テーマの選定や文章のテイストなどを決めて発信しています。
都庁公式note proは戦略広報課としての発信に加え、各部署が投稿した記事をマガジンに集約し、まとめて表示しています。
このように部署ごとのnoteと全庁公式のnote proを組み合わせることで、大規模な組織でもスピード感と一定の自由度を持って発信できる体制を構築しています。
読者にとっても、都庁公式note proを閲覧することで都政全体の取り組みを把握しやすくなっています。
東京都が活用するnote proの機能とは?
noteには投稿された記事同士をまとめる「マガジン機能」があります。さらにnote proには「note proアカウントで作成したマガジン」に追加した別アカウントの記事を、自分のクリエイターページに表示できる機能があります。
この機能をつかえば、東京都のように広報が管理するアカウントをnote proにして、各部署や事業ごとのnoteアカウントで作成された記事をまとめることができます。自治体公式note proに、市民ライターさん個人のnoteで書かれた記事をまとめることもできます。note proの機能をつかえば、簡単に共創型のメディアをつくることができます。
どのようにnoteを運用しているのか、今回は2部署のご担当の方にアンケートに協力してもらいました。
まずご紹介するのは、「#シン・トセイ 都政の構造改革推進チーム」noteです。
シン・トセイの取組を分かりやすく伝えてファンを増やすこと、noteをきっかけに他の自治体との双方向なコミュニケーションにつなげることを目的に運用しています。
担当する、都政の構造改革推進チーム(デジタルサービス局デジタル戦略部デジタル改革課)の方にアンケートに回答いただきました。
#シン・トセイ 都政の構造改革推進チームのnote
noteの運営体制
執筆者は基本的に担当1名で書いています。ライン内や課内で相談しながら、記事テーマを選定しています。
事業所管部署と協力して記事を作成。公開前に事業所管部署・上司にチェックを依頼しています。
noteがターゲットに届くように工夫していること
専門用語を多用せず、だれが読んでも伝わる平易な表現を心がけています。職員の頑張りが都民に伝わるような「顔が見える発信」にすることも重視しています。
記事を公開した後は、東京都公式Xでポストして記事が届くようにしています。
noteをはじめてよかったこと
noteをきっかけに他自治体からシン・トセイの取組についてお問合せをいただくことがあります。双方向コミュニケーションにつながっていると実感しています。
庁内でも他部門の取組を知るきっかけになっています。好事例の横展開にも効果があると考えています。
今後のnote活用の展望
分かりやすく、興味を惹く情報発信を続けることで、シン・トセイの取組・効果の実感につなげていきたいと考えています。
またnoteを通じて自治体間で相互にDX事例を共有することで、より効果的で効率的な取組を推進していけたらと思っています。
ほかの自治体にもおすすめできるnoteの特徴
noteは職員や住民の方々と距離の近い情報発信ができることが一番のメリットだと考えています。
ぜひ読んでほしい記事
新規戦略を策定したときの記事です。読者のみなさんに分かりやすく伝えられるよう、職員が動画を作成したり、戦略に込めた想いを載せたりしています。ぜひご覧ください。
次にご紹介するのは「デジタルサービス推進部」noteです。
デジタルサービス推進部の事業である、スマート東京・TOKYO Data Highway戦略とデジタル共生社会の実現の取り組みを、都民に「伝わる」内容で発信し、興味を持ってもらうことを目的に運用しています。
担当する、東京都デジタルサービス局 デジタルサービス推進部 つながる東京推進課の方にアンケートに回答いただきました。
デジタルサービス推進部のnote
noteの運営体制
執筆メンバーはデジタルサービス推進課の担当5人、つながる東京推進課の担当4人の計9人です。輪番を組んで記事を執筆しています。約2か月で1周して書く番が回ってきます。
毎週水曜日の午後2時に投稿しています。
記事のテーマは、各担当が所管しているデジタルを活用した事業やイベントからテーマを選定しています。事業の内容や進捗、事業の身近な例、開催中または参加申し込みできるイベントの情報、イベントの様子などを取り上げています。
公開前に各担当内で記事を確認し、各課の課長に提出して最終チェックを行っています。
noteがターゲットに届くように工夫していること
以下の3点に注意しながら記事を執筆しています。
前提となる情報や知識のない方が読んでも理解できる内容になっているか
記事のテーマは1つにしぼれているか
都民のみなさんの興味を惹く内容になっているか
またnoteの公開直後に、X(旧Twitter)、Instagram、Facebookなどの各SNSで記事を紹介する投稿を行い拡散するようにしています。
noteをはじめてよかったこと
noteにはコメント機能や「スキ」を記事につける機能があり、記事の内容にどんな反応があったのか知ることができます。都民の方からお褒めの言葉をいただいたときは、励みになっています。
今後のnote活用の展望
テンプレートを活用して、見やすく分かりやすいレイアウトの記事を目指したいと思っています。
ほかの自治体にもおすすめできるnoteの特徴
自治体で行っている事業について、事業の担当者が実際の写真や身近な例を用いて、SNSでは伝えきれない内容を詳細に説明することができます。
また投稿自体も簡単なので、都民の方への情報発信を継続できているのがおすすめできるポイントです。
ぜひ読んでほしい記事
大学などの高等教育機関や研究機関内でWi-Fiを相互に利用できる仕組みである「eduroam」。都が整備するOpenRoaming対応Wi-Fi(安心安全でシームレスな公衆Wi-Fi)でも利用できるようになる、という記事です。
デジタルサービス推進部のnoteは、都がどのようにデジタルを活用していくのか、都民のみなさんに分かりやすくPRすることがテーマです。事業と広報が一体となった、都民一人一人に「伝わる広報」になるよう、意識して記事を執筆しています。
都内23区にある約9万もの基地局(4G及び5G)。電波が遮られることなく、どのように設置されているのか。通信環境の整備を促進するために、都はどのような支援を行っているのか。
分かりやすく興味を惹くような導入を入れつつ、都内の通信環境について説明しています。
東京都の取り組みをもっと知りたい方は、こちらの記事や動画もぜひご覧ください。