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多数の部署でnoteを運用する、名古屋市の広報術

noteの担当者に回答いただいたアンケートを元に、自治体がどのようにnoteを運用しているのか、事例をご紹介しています。

今回ご紹介するのは名古屋市です。

広報紙には載せきれなかったストーリー、施策を推進する関係者・職員の思い、施設や行催事の裏側など。

いつもと違った視点で市民に情報を届けようと、noteの運用をはじめました。

「詳しい情報はnoteへ」と広報紙に二次元コードを掲載。Webのnoteと紙面の広報紙を連携させて、相乗効果を狙う。

広報課の主導でnoteを導入して以来、少しずつ他部署を書き手として巻き込み、いまでは多数の部署で記事の作成を行っています。

名古屋市ほどの規模の自治体が、複数部署にわたって記事を更新できているのは、広報課が全体の取りまとめを実施する体制をつくっているから。

そんな名古屋市公式noteを運用する市長室広報課の方に、アンケートに回答いただきました。


noteを管理・運用している部署

noteの管理・記事の確認は市長室広報課が実施しています。記事の作成は、広報課が行うこともありますし、各事業部署が行うこともあります。

noteを活用する目的(運用目的・達成したいこと)

noteはブログ調の読みやすい形式で、長文の投稿が可能です。特定の事業を深掘りするのに適した発信ツールだと感じています。

名古屋市広報課では、広報紙、SNS、テレビ、ラジオ(AM・FM)などの各種媒体を使って、幅広い世代への発信を行っています。

ただ紙媒体では文字数の限界、放送では時間の限界があります。

特に名古屋市内の全世帯へ配布している広報紙「広報なごや」は、紙面スペースの都合で事業の魅力を紹介しきれないことがあります。

そこで、「広報なごや」では伝えきれなかった内容を盛り込んだ、note記事を作成しています。

紙面に「この事業について詳しく知りたい方はこちら」とnoteの記事に遷移する二次元コードを掲載することで、紙面とnoteを連携しています。そうすることで、事業の魅力を余すことなく伝える取り組みをしています。

noteを活用することで、他の媒体では伝えきれない内容を、より深く知りたい方へ届けていきたいと考えています。

ただ、名古屋市noteの読了率は平均31.6%(令和6年4月~9月)。今後は読了率を上げることが課題だと考えています。

noteの運営体制

noteで発信したい案件がある事業の担当部署が記事を作成し、広報課に提出します。広報課は記事を確認。必要に応じて内容の調整を行ってから公開しています。

広報課が作成している「広報なごや」との連携記事は、紙面担当が紙面の取材と同時並行でnote用の撮影と取材を行っています。

全ての記事の掲載後1カ月間のPV数やスキ数、参照元などのアナリティクスデータは全庁に公開してフィードバックしています。

noteがターゲットに届くように工夫していること

noteの公開後は、XやLINEなどのSNS、Yahoo!くらしなど、インターネット上で拡散ができる媒体にリンクを貼って、幅広い世代の方に届く工夫をしています。

「広報なごや」の連携記事には、note記事に遷移する二次元コードを掲載しています。

広報なごやに掲載したnoteの平均PV数(令和6年4~9月)は1513、それ以外のnoteの平均PV数(令和6年4~9月)は375です。

広報なごやの連携記事は、noteを最後まで読んだ方へのプレゼント企画を実施して、PV数の増加を図っています。

noteをはじめてよかったこと

取材をしていると「面白い!」と思うことに出会っても、広報なごやに掲載するには紙面とのテーマの違いやスペースの都合で掲載が難しい。そんな小ネタをnoteで拾うことができます。

ブログ調なので、担当者の感想を書きやすいところもnoteのいいところです。

特定の事業を深掘りするのにも適していて、他の発信媒体では掲載しきれない内容やインタビュー記事などの掲載に役立てています。

一般市民の中から採用している広報モニターの方からは、「広報なごやを読んでもっと詳しく知りたいと思った人が二次元コードでnoteにとべるのはいいアイデアだなと思いました」という感想もいただきました。

SmartNewsなどの外部配信やnoteの注目記事などに取り上げていただけることもあります。そうすると自然と拡散していくので、より幅広い方に事業を知っていただくきっかけになっていると感じています。

PV数や参照元などのデータも確認できるので、PV数が伸びる記事の特徴や広報効果の分析に役立っています。

ほかの自治体にもおすすめできるnoteの特徴

noteは効果的な広報手法の一つである「ストーリーテリング」を活用しやすい媒体です。名古屋市では、事業の背景や実施に至った経緯、職員の仕事内容を深掘りして紹介しています。

ぜひ読んでほしい記事

歴史的・文化的な名所が多いエリアを市職員が実際に巡りました!通常は非公開の場所や見どころを、写真を中心にレポートしています。特に松坂屋初代社長の別荘だった「揚輝荘」の趣向を凝らしたデザインの数々は必見です!

収集されたごみが、最終的にどうなるのかが分かる記事です。ごみ処理工場に勤務する市職員へのインタビューや、工場でのごみ処理工程を紹介しています。分別の大切さを感じるとともに、分別に便利なアプリも知ることができます!


このほか名古屋市公式noteでは、市民向けの事業紹介だけでなく、市外の方も楽しめる記事を多数掲載しています。

イベント情報や「#なごやを歩こう」といったお出掛け情報も公開しています。

ぜひご覧いただき、スキを押していただけるとうれしいです!


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