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⑤-2 犯罪者捕獲作戦
夜中3時30分にインターホンを鳴らし立ち去った、脱糞未遂犯をカメラで確認したその日の朝。
早速警察に連絡し、この映像を確認してもらった。しかし、悔しいことに現行犯で無ければ決め手がないとのことであった。
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私と妻は映像から服装の好みや身長(170から175センチの間)の特定、小走りの歩様を叩き込んだ。余り意味は無かったが、できる事をしたかったのだ。
警察の方には犯行時間の前後含めて、夜中の巡回を1ヶ月お願いした。私たちも同じ時間に起き、黒い衣装をまとい、小型カメラ、グローブを身に付け待伏せをする事にした。
私は敷地内の砂利の上でうつ伏せになりながら3、4時間ほど待った。妻は血の気が多く、私と一緒に捕まえようとしてくれていたが、危険があると、これ以上悲しいことが増えるのは精神的に良くないので2階から複数の道路を順番に監視してもらった。妻には「捕まえたら呼ぶから、その時蹴りでも入れてくれ」となだめた。家のネットワークにも5台の通信機器を繋げ、監視カメラ、インターホンカメラを常に2人が確認できるようにした。これを数日間続けた。
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私には仕事もあったが、短期間での犯行は相当な執着があると思い、必ず来ると考えていたのだ。また、時間があれば筋トレ、走り込み、YouTubeで体術を真似し続けた。間でコロナワクチンの副作用により発熱していたが、庭にうつ伏せして待った。時には、私が巡回の警察官に不審者と間違われたり…うちの件に関係のない不審者が捕まっていたこともあった。
疲労も溜まり、結局、1週間の張り込みの甲斐なく犯人は現れなかった。
この時から6か月程度、何も発生しなかったが、私たちは物音や予定の無い宅配業者、近所の方が家に近づくことさえ恐怖を感じながら生活をした。
事件につながる内容が無いまま、犯人捜しを諦め始めたある日の夜、妻の携帯電話が鳴った。幼馴染からのメールだった。「久しぶり。最近、非通知電話とか変な事とか身の周りに起きていない?…」