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○石井幹事長会見 2024年2月16日(金)10時30分 @衆院第7控室
○石井幹事長会見 2024年2月16日(金)10時30分 @衆院第7控室
【冒頭発言】
≪少子化対策≫
冒頭、2点申し上げる。まず、1点目は少子化対策だが、2月14日に民間のシンクタンクが、2023年の出生数が全国で約72万6000人と統計開始以降、最少となるとの推計を公表した。改めて少子化が進んでいることが確認された。きょう2月16日、政府は子ども・子育て支援法などの改正案を閣議決定する見通しだ。改正案には、児童手当や育児休業給付の拡充など、公明党が提言した「子育て応援トータルプラン」の内容も相当盛り込まれている。今国会での確実な成立を期していきたい。
≪中小企業の賃上げ≫
2点目は、中小企業の賃上げについてだが、日本商工会議所が2月14日に発表した中小企業を対象にしたアンケートでは、2024年度に賃上げを実施予定の企業は6割超となった。ただ、それらの企業の約6割は業績の改善がみられない中、人手確保などのために賃上げをすることになっており、苦しい状況は続いている。公明党として提言した「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン」が反映された税制改正についても審議入りしている。赤字でも賃上げを行う中小企業などを対象に、控除できなかった税額控除分を5年間にわたって繰り越せる措置を創設する。持続的な賃上げを促せるよう確実な成立を期していきたい。
【質疑応答】
≪自民党の事情聴取報告書≫
Q、自民党の政治資金収支報告書の不記載があった議員らへの聞き取り調査結果が15日に公表された。匿名であることなどに野党からは批判があるが、報告書を見た感想は。
石井)きのう出された報告書を私も一読した。全体的な印象としては、今回の問題の全体像が把握できる中身になっているのではないかと思った。特に、最後の提言のところが非常に重要だと思った。再発防止に向けた提言で、報告書をまとめた法律事務所の方の提言だが、「人の弱さや性悪説に立脚し、不正に対する十分な抑止力を設けることが必要となる。抑止力の手法は、様々であるが、とりわけ『政治とカネ』に関する不正行為に厳罰を科していくなど党としてペナルティを強化していくことは、国民の信頼回復のためにも不可欠である」と。自民党に対してのペナルティ強化であるけれども、これは政党を問わず起こりうることであるから、政治資金規正法で罰則を強化していくことが改めて重要だと思った。
また、提言の最後に「今回の問題については、国民の政治に対する不信を招いたことも大変遺憾であるが、派閥とカネが渦巻くイメージにより、国会議員という職業に対する若い世代の希望や憧れを砕いたという側面もぬぐえない。そうした失望を拭い去る意味でも、本件に関係する個々の議員において、自らが知る限りのことを詳らかにし、更なる説明責任を果たしていくことが求められる」という記述もある。報告書は出されたけれども、これで説明責任が尽くされたということではなく、改めてしっかりと説明責任を果たしていく努力を期待したい。
Q、自民党の聞き取り調査の中では、党内からも派閥幹部の責任を指摘する記述も複数あった。現時点で、どの立場の方が説明責任を果たすべきと考えるか。
石井)匿名だからこそ、率直に言える部分も結構ある。派閥執行部については、かなり辛辣なことが出ている。派閥なら派閥らしくトップが腹を据えるべきだとか。派閥の上に立つ人間が責任を取らないといけないと思うとか。赤裸々な発言が載っている。恐らく匿名でないと載らないのではないかと思った。その上で、(国会の政治倫理審査会について)野党も安倍派と二階派の幹部の出席を求めている。どの範囲が幹部かよく分からないので、自民党も野党の要求を踏まえて調整されているのではないかと思う。
≪政倫審≫
Q、きょう衆院政治倫理審査会の幹事懇が開かれる。関係議員に求める姿勢は。
石井)きょう行われる幹事懇で、政倫審の開催に決着が付くかどうかは情報を持っていないけれども、自民党の中で政倫審を開催する方向で調整されていると承知している。まずは開催の方向に向けて、しっかりと調整していただきたいと思うし、出席される方については、なるべくしっかりと説明をしていただきたいと思っている。
Q、開催される場合、出席議員が誰になるかの線引きが焦点になってくる。本人が出席する意思がなければ難しい仕組みだ。協力の姿勢について当該議員は持つべきか。
石井)今、指摘があったように政倫審は自ら求めて開催する場合と、審査会で議決して出席を求めるケースがあるが、求められたとしても、拒否できる。実際、政倫審を開催しようとすれば、当該議員が出席しようと前向きな意思がなければ成立しないことがある。だからこそ、自民党内で、そこに向けての調整が行われている状況だと思う。その状況を見守っている段階だ。
Q、出席拒否は、当然の権利として行使していいものか。
石井)ルール上、認められることだから、強制はできないということだ。
≪4月の衆院補欠選挙≫
Q、自民党は島根1区で擁立を決め、長崎3区も擁立の方向で動いている。東京15区は、きょう方向性が出ると思うが、補選の重要性や、党としてどのように臨む考えか。
石井)島根については、細田前議長が亡くなられた。長崎については、今回の問題で責任を取って(国会議員が)辞めた。東京15区については、東京・江東区長選挙を巡る問題で辞めた。補選になった理由はさまざまだ。いずれにしろ、三つの選挙区とも自民党が持っていた議席であるから、どういう結果になるかは今の国民の与党や自民党に対する、さまざまな思いが反映されるという意味で、注目される選挙になると思っている。
Q、政権運営に対する影響は。
石井)補選の結果はまだ出ていない。どういう影響が出るかは、なかなか予想しがたい。補選いかんにかかわらず、今、政治がやらなければいけないことは、国民の政治不信を払しょくしていくことだ。そのためにしっかりとした再発防止策、特に政治資金規正法の改正をやることが重要だ。そこに向けてしっかり取り組んでいきたい。
≪防衛装備品移転≫
Q、きのう自民、公明両党の政務調査会長間で、来週早々にも協議を開始すると合意した。今後の協議に期待することは。また、政府は2月末までに結論を得たい考えだが、スケジュール感は。
石井)従来から私どもは山口代表を中心に説明しているが、一昨年末、(日英伊)3国の国際共同開発を決めた時点では、わが国からの第三国への移転は想定されていなかった。それが、その後、変化していった。そこについて、国民が納得できるような理由を示してもらうことが重要だ。政府から政調会長の協議で示されると思うので、十分な理由が示されることを期待したい。(時期について)公明党としては、いつまでも先送りするつもりはない。ただ、期限を切ってやると議論を十分にできるかどうかがあるので、まずはしっかりとした議論をする。なおかつ国民の理解を深めていくことが最重要だと思っている。
Q、防衛装備移転や、少子化対策に関する支援金について、政府の説明が不十分だと指摘する場面が多いようだが、政府の説明不足は何に起因していると思うか。
石井)原因は、私に聞かれても。説明している側に聞いてもらいたい質問だ。
Q、「先延ばしにしない」と発言したが、そう遠くない将来なのか。具体的には。
石井)そう遠くない将来というと何年先かとなってしまうので、われわれは、先までずるずる先送りするつもりはない。ただ、しっかりと議論して、国民の皆さんの理解もいただかなければいけないということで、そのプロセスを重視していく。
Q、政府側から納得できる理由が説明された上で、第三国移転を認めるかどうかの判断の際に重視することは。その理由が示されたら、容認できるのか。
石井)協議の先のことだから、断定的に言うことは控えたいが、国民の皆さんも十分納得できる理由が示され、広く国民に浸透していくことが重要ではないか。あえてもう一つ言えば、代表も述べたかもしれないが、仮に第三国移転を認めるとすると、初めて殺傷能力を持つ武器を本格的に輸出することになる。これが従来の移転三原則を乗り越えて、殺傷能力を持つ武器がどんどん輸出することにならないような一定の歯止めが重要ではないかと私は思っている。
Q、移転三原則を乗り越えて輸出することがないような歯止めが重要だと言及したが、具体的に何を示すのか。
石井)「移転三原則を乗り越えて」というより、「移転三原則がなし崩しにされて」という意味だ。どんどん武器が輸出されることにならないような歯止めが必要ではないかという問題意識だ。
Q、事前同意、審査などを意識しているのか。例えば、次期戦闘機は例外的に認めるが、第三国移転は認めないのか。
石井)今後の協議の中で検討されるべきことだと思う。
以上