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○山口代表 定例記者会見 2024年4月16日(火)11時 @衆院第7控室


【冒頭発言】
≪熊本地震からの復興≫
一昨日の4月14日で、熊本地震発災から8年が経過した。改めて、お亡くなりになられた方々に対して、心からご冥福をお祈り申し上げたい。また、被災された全ての方々に、お見舞いを申し上げたい。熊本地震では、観測史上初めて同じ地域で2度の震度7の地震が起き、2度目が本震、最初に起きた大きな地震は前震という特殊な位置付けであった。長引く避難生活の中で、災害関連死が相次いだ。後の分析によれば、持病を持つ高齢者が自宅で亡くなる件数が多かった。また、避難所ではなくて車の中で寝泊まりする人も多く見られたという特徴があった。当初から、プッシュ型の支援を積極的に行ってきたのも、この時の状況である。
当時、発災直後に井上幹事長が現場に急行して、現地の実情をつぶさにつかんで、地元の地方議員と連携を取りながら被災者の支援、自治体の取り組み状況などを把握し、党に伝えてきた。私も、その後、伺い、地方議員と連携を取りながら見舞い、各自治体や被災地の状況を調査した。また、発災当時、秋野議員が阿蘇に別の用件で行っていたから、現地で被災状況をつかみ、連携を取って緊急の要請を行うなど、ネットワークを生かした復旧活動に力を入れた。その上で、熊本で毎年、県本部主催の復興会議を開催してきた。これには蒲島知事(当時)、熊本市長など、県内の主な自治体の首長なども参加してくださり、共に復旧・復興に当たってきた。
その間、復旧・復興が着実に進んできた。熊本城については、城郭はもう復旧し、公開されている。崩れた長塀も、かなり修復されたけれども、石垣などがまだ完全には復旧していない。一つ一つ石を集め、番号を付け、復旧できるところから、また石を重ねて、作業に当たっている地道な作業であるが、これも必ずやり遂げるということで、支援していきたいと思う。また、主要な鉄道や道路は、ほぼ復旧している。崩れた自治体の庁舎なども着実に進んできた。しかし、被害のひどかった益城町の市街地では、区画整理をやろうということになって、困難な作業を、今も継続しながら当たっているところである。熊本の空港についても、これを建て替えて、新しい空港ビルがオープンしている。
こうした数々の教訓を残してきたが、新しい方向として、TSMC(台湾積体電路製造)の半導体の新しい工場が立ち上がった。第2工場の建設のプランもある。そして、ここで大きな雇用を生み出し、地元からも、また海外からも、多くの人が訪れる。こうした、これからの日本の経済をけん引する半導体産業の一大拠点となっており、これは熊本県のみならず、日本経済を引っ張っていく重要な担い手になる。また、かねてから熊本市および近郊の町は、さまざまな製造業などの集中しているところでもあるので、こうした産業拠点が有機的に連携をして、創造的な復興の先頭に立って成果を出していくことを期待したいと思う。
公明党としては、5月11日に復興会議を予定しており、私も伺いたい。熊本は新しい木村知事が誕生したので、新しい知事とも連携を取りながら、これまでの取り組みをしっかり引き継いだ上で、なお復旧・復興の総仕上げに臨んでまいりたいと思う。

【質疑応答】
≪衆院補欠選挙≫
Q、本日告示された衆院補選について、何が問われる選挙になるのか。既に2選挙区で与党の不戦敗が決まっていることへの評価を。
山口)三つの選挙区は全て自民党が議席を持っていた選挙区だ。わが党として独自に候補を立てる予定はもともとない。自民党も結果的には島根1区のみ公認候補を立てた。きのう岸田首相からも公明党に対する推薦の要請があったので、きのうの午後、持ち回りの中央幹事会を開いて公明党として島根1区の候補を推薦することを決定した。長崎3区については自主投票で臨む。東京15区については、態度を今のところ決めていない。どうするかについては東京都本部の意向も伺いながら、今後、考えていきたい。
今回の選挙は、それぞれの選挙区が「政治とカネ」にまつわる課題を抱えて、自民党の議員がいなくなったことに伴う選挙ということなので、「政治とカネ」にどう政治が向き合い、自民党がどういう姿勢を見せるかが焦点になると思う。きょうから自民党の派閥にまつわる収支報告書の違法な扱いの事件を契機に再発をどう防止するか。政治資金規正法改正を中心とする課題について、自民党と公明党の幹事長の下で協議を開始する。昼は「2幹2国」(自公両党の幹事長、国会対策委員長会談)が予定され、夕刻には実務者の協議がスタートする。公明党は既に具体案を出しているが、自民党にも具体案を出すように、考え方を示すように促しながら、協議を進めていく。その姿勢と中身を国民にできるだけ早く示せるようにしていきたい。その上で、野党ともよく協議して、国会全体で立法府としての合意をつくり出し、今国会中に法改正を実現したいと思っている。そうした姿勢を今回の補欠選挙でも可能な限り、国民に明確に示していくことが重要だと思う。
 島根1区については、地域の課題と県民の皆さんの直面する生活や経済の状況などがあると思う。物価高に対応する賃上げの流れを確実にしていく。好循環を生み出していく。さらには、子育て支援についても新たな施策を分かりやすく利用できるような状況をつくり出すための説明を尽くしていく。そして、高齢者の年金、医療などの課題も含めて全世代型の社会保障をどう整えていくか。また、防災・減災。先に熊本の地震に触れたが、熊本は複雑な断層、活断層が動く地震であった。今年1月の能登半島地震も断層型の地震である。島根も、さまざまな災害に対する不安があると思うので、防災・減災についてもしっかり訴えていく。現実に国民、県民の直面する課題について、不安を解消していく。また希望を生み出していく。そういう訴えをしていくことが重要だと思う。

Q、政治不信が高まる中、与党に厳しい戦いになるとの見方がある。選挙結果が今後の政権運営にどういう影響を与えるか。
山口)きょうスタートするところであるから、これが今後、どう影響を与えるかは予断を持って語るタイミングではないと思っている。自公で取り組む島根1区で議席を確保できるように最大限の努力をする。戦う。こういうことが重要だと思う。三つなので、それがどういう結果になるかということは注視しながらも、最大の争点は「政治とカネ」にまつわる改革だ。とりわけ政治資金規正法の改正をしっかり進めていくという与党の姿勢を国民に伝えていく。それがどこまで国民に受け入れられるか。また国民が実際にどういうところを期待しているかを見る補欠選挙になると思っている。

Q、東京15区の態度が決定していないことは異例ではないか。
山口)東京都本部から詳しい説明を党本部は受けていない。東京都本部で選挙区の地元の動き、考え方をよく捉えた上で、話を聞いてみたいと思う。

≪自民党派閥の政治資金問題≫
Q、自民党の処分では納得感を得られていない。自民党側に何かアドバイスは。
山口)自民党の行った処分はあくまで自民党の党内の取り組みであるから、ここは公明党として中身をどうするか言及を控えてきた。自民党の行った処分の結果については、世論の受け止めは、なかなか芳しくはないなというのが率直なところだ。だからこそ、この課題に取り組む本命のテーマは、政治資金規正法改正を中心に、どう制度として再発を防止していくかだ。そうした取り組みの結果を出すことに注がれていると思う。
あえて言えば、特に、会計責任者や秘書に法的責任を問われながら、政治家が責任を問われない現状。これはおかしいというのが国民の皆さまの率直な声だと思う。政治家自身が責任を負うような責任を強化する仕組みをつくっていくことが重要だ。公明党はいわゆる連座制も含めて、政治家の責任を強化する具体案を出している。自民党に強くこれを求めて、自民党の取り組みを促したいと思っている。

Q、政規法改正議論のスピード感、自民党の姿勢への見解と、協議に臨むに当たり、党として譲れないポイントは。
山口)公明党は、いち早く改革のビジョンを打ち出したわけだが、自民党内もいろんな受け止めがあると思うが、(自民党の)渡海政調会長は「取り組みが遅い」という認識を示されている。ただ、国会の前半、予算が成立するまでの間は、やはりこの事件に関わった関係者の説明責任を求めることが、野党の国会の論戦の主たる力の入れどころであったから、自民党がそれにどう応えるかということを中心に攻防が展開された。だから、その結果を見て、どう法改正が必要なのかという議論が遅れたということはあると思う。しかしもう、当の自民党の処分も、一応のけじめが付いたという現状であるから、やはり法改正に向けて議論を集中していくことが重要だと思う。
公明党として最も重視することはやはり、会計責任者・秘書の責任だけにとどまらず、政治家が責任を負う制度の強化を進めていくことが最大の目標である。そしてまた、再発を予防していくために、例えば、収支報告書のデジタル化を進めて、インターネットなどを生かして、公開していくという点を進めていくこと。つまり、透明性を高めていくということ。それと第三者の機関が、収支報告書をチェックできるような仕組みを作っていくこと。そしてまた、政治家の責任のところでは、政治家が収支報告書の主たるポイントについて確認をするという確認書を作る。こうした外形的な責任と結び付ける制度を作ることによって、政治家の責任を明確にしていくということが重要だと考えている。
また、政策活動費。ここは従来、政党から党の幹部に多額のお金が政策活動費の名目で渡されている。これは自民党も行っているが、かつて立憲民主党や日本維新の会でもそれが行われていた。公明党は事実的にそういうものはない。そういう中で、この政策活動費がどこに、どう多額のお金が使われているのか、よくわからない。だから、使途を公開する仕組みを作るべきではないかと提案している。その他にも、いわゆる旧文通費のあり方、使途の公開といった、その他の改革の課題についても公明党は掲げているが、やはり最も中核的な目標は、議員の責任を強化する、いわゆる連座制の強化というところに目標を置いている。

Q、補選告示日のタイミングで実務者協議も始まる。協議は急ピッチで進める必要があるとの考えか。
山口)今国会中に法改正をするというのが目標であるから、そこから逆算をすると、決して早い状況ではないから、早め早めにその取り組みの経過も含めて、国民に示していくことが重要だと思っている。また野党の、例えば立憲民主党の岡田幹事長なども「与党としての案を早く示してもらいたい。野党とのその後の合意形成に努力したい。譲るべきところは譲る。しかし合意をつくる。そういう大局観で臨みたい」という趣旨のことをおっしゃっているので、その点でも立法府として、まず与党が考え方を提示することが最も早く望まれると思っている。

Q、きのう代表が言った幹事長レベルで協議するというのは、きょうの2幹2国という認識でいいか。
山口)2幹2国で、幹事長同士で、この協議をスタートするという意義付けを多分話すと思う。また、夕刻には実務者協議を行う。本来であれば、実務者協議の最初のキックオフのところを幹事長が立ち会うという考えもあったかもしれないが、一応、2幹2国で、しっかりそこを確認して、夕方の実務者協議に臨むということになると思う。

Q、2幹2国以外で、幹事長レベルで協議の場を設ける考えは。
山口)それは幹事長の下で実務者協議を行っていくということだから、当事者にお任せをしたいと思う。

Q、補選は「政治とカネ」について与党がどう向き合うか姿勢が重要だとすれば、補選の投開票日の28日までに与党として政規法改正の何らかの考えを示す必要があるか。
山口)きょうから実務者協議だから、与党の基本的な考え方や方向性については、何らかのものが出されていくことが望ましいと思う。
以上

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