『夜想』撮影レポート ~2日目~
『Mothers マザーズ』は5人の脚本家が集まり、それぞれが「母」をテーマとした20分の短編映画をつづるオムニバス映画です。脚本家・高橋郁子さんもこの映画に参加し、『夜想』と題した作品を制作しています。
『Mothers マザーズ』と『夜想』についての詳細は以下の記事をご覧ください。
2日目の撮影は難所ばかり。
俳優さんチームに早めに現場入りしてもらい、演技の綿密な打ち合わせをするところから始めました。
モノローグのみで台詞のない、俳優の演技力に任されるシーン。
大島朋恵さんと加藤亮佑さんがお互いに意見を出し合い、形づくっていきます。
ちなみに、この日は新たなスタッフが加わっています。
写真にも写っている、録音スタッフの太田祥介さんです。
太田さんを紹介するときのテクニカルディレクターの黒沢さんの様子は自慢の我が子を人前に出すときのよう。なんだか微笑ましかったです。
層も厚くなったこの日の撮影は、EDEN Project.のみなさんとのコミュニケーションもより円滑になり「チーム」としての一体感がありました。
もともとidenshi195はとてもフラットな制作現場で、最終決定権こそ監督の高橋郁子さんにあるものの、その過程ではスタッフ・俳優・監督の区別もなく、みなさんで意見を交わし合ってきました。
そこへお互いへの信頼が加わったラストシーンの撮影では、かなり活発な意見の交換が。
「この照明とこの切り絵を使ったらいい構図になりそう!」
「切り絵で見立ててこの空間をぐるっと一周したい」
「それならカメラの理屈はこうだから……」
それぞれがそれぞれの立場から提案を重ね、とてもいいシーンが組み上がりました。どうぞ完成をお楽しみに……!
スタジオや俳優への影響を考えると、撮影が許されるのは1回のみ、しかもわずか数秒のうちに撮影しなければならない……という緊張感のあるシーンも、息の合ったコミュニケーションで無事成功。
衣装も着替え、モノローグの音声録音に入ります。
……このとき、日はすでに落ちかけていました。
連日の撮影の疲れもたまっているはずなのに、大島さんも加藤さんもテンションをキープしたままモノローグ録音に挑みます。
「もう一回お願いします」
そんな言葉が、郁子さんと同じくらい俳優の大島さんと加藤さんのほうからも飛び出ました。
妥協を許さない二人の熱量に動かされて、ボイスチューナーの山下亜矢香さんも身体の使い方のシェアに熱が入ります。
気がつけば数時間があっという間に経っていました。
録音が終わり、俳優二人はここでクランクアップ。
お疲れさまでした!