見出し画像

毎日のメタローグ

-定義-
「メタローグ」とは、単に問題を論じるだけでなく、議論の構造がその内容を映し出すようなかたちで進行していく会話をいう。家族理論の構築と、そこからつながる進化理論は、人と人との間で交わされ続けているメタローグにほかならない。観念の生成と、観念同士の相互作用のこうした可視化が、必然的に、メタ的に思考プロセスそのものを映し出しているのである。

G.ベイトソン「精神の生態学」より抜粋して改編

240519 / 自転車の規則について

ある日、TOCHANがATMで振り込みをしていると、操作パネルの横に赤い10センチ×5センチぐらいの紙がある。見ると、宮城県警の配布した自転車走行時の注意が十数項目に渡って記載されていた。TOCHANの子ども時代にならった自転車規則と、YUU、SUZU、AOたちが教わっている自転車規則では、およそ30年ほどの時間を経ているだけにだいぶ異なっている。そういったことを聞き出すためにこの赤紙を持ち帰り、参照しながら話をした。

YUU(12)- 
歩道を通行するのは、子どもの場合なら良い。これは「わたしたちの安全」という教科書にもそう書いてあり、習いました。

TOCHAN(42)- 
こどもとは?小学生を指すのだろうか。

-
たぶん、そう。

AO(7)-
なになにー?

T-
たとえば、ヘッドフォンをしながらの走行は禁止。これは周囲に向ける注意認知のための規制。ヘッドフォンをしながら走ったことは皆ないから、こんど安全な場所で試してみると、その危険性がわかるかも。

Y-
めちゃくちゃ髪の長い人が、あの、線がついていないタイプの、、、

KACHAN(42)-
ワイヤレスイヤホン?

Y-
そうワイヤレスイヤホン。かぎりなく肌色に近いイヤホンを開発する。そして、その上から肌色の膜を、こう張って、それで音楽聴きながら走ってたらバレないんじゃない。

 膜って言うのはイヤーマフ状の?

 そもそもイヤーマフは良いの?音が出てなければ良い?

T-
それはそうなのかもしれない。周囲に向ける注意認知がどれぐらい遮断されるかで違うとか。さっきの耳型のアイデアだけど、それならこう、イヤホンの外側、つまり外耳の外に出ている部分を大きくして、べろんって耳の形のように覆うふうにシリコンとかで加工したら良いのでは。

Y- 
耳にかぽってはめてね、あ、「耳デカいなあの人」ってなるようにするわけ。

T- 
そう、耳が大きい人にしか見えない、というもの。法の抜け道。脱法。その赤紙には、罰金や罰則って書いてある?

SUZU(9)-
ねえ、これさあ。

-
はいSUZUさん。

-
これ全部、歩行者とか、ほかの人に危険な行為が記されているよね。

-
そう。自分が危険となる物も当然あるけど、基本的には周囲との関係性がある。

-
でも、ここ。最後の綱目で一気に片付けにきてる。ぜんぶまとめようと「歩行者に危険を及ぼす違反を禁ずる」ってある。それを言ったら、「いままでのルールだって全部そうだったじゃないか!」って。

-
いろいろまとめてて、最後のほうで疲れてきたのか。

-
会議をしていて、もう終わりにしようって。あとは「全部まとめて禁止」にしますか、と。

-
大人の世界ではあるあるな議論の締め方。

-
まあ、子どもの世界でもそういうのはあるよ。行間休みの前とかね。

-
これはなに?

-
「じてんしゃはしゃどうがげんそく、ほどうはれいがい」だって。

-
あの、色がついた矢印のね。自転車専用の。あそこを走るんだよ。原則はね。

-
あと、「こどもはヘルメットを着用」とある。最近は大人もね、努力義務になったから、本当は漬けなければならない。

-
大人用のヘルメットってうってるの?むかしはあったの?

-
ポテサラうまいでしょ。

-
むかしはおとなもこどもも、あんまりヘルメットしなかったの?

-
ポテサラにフライドオニオンのせてみた。うまいでしょ。

おわり

いいなと思ったら応援しよう!