『キュート先生が教える!肺癌診療のキホン』note連載 第4回
第4章 非小細胞肺癌治療の導入① -分子標的薬-
【1】はじめに
皆さま,こんにちは。キュート先生こと呼吸器内科医の田中希宇人(たなかきゅうと)です。
夏ごろから新型コロナの第5波が押し寄せて,まったく誰も望んでいない混乱する医療現場を経験しました。このような嵐のような状況でも,肺癌患者さんの治療は粛々と行っていたわけですが,少し世の中の状況が落ち着いてきましたので,この連載を再開しようと思います。
この『肺癌診療のキホン』のnote連載は,第1章の「肺癌診療の基礎」から第2章,第3章の「肺癌の検査」までかみ砕いて解説を進めてきました。
わたくしの執筆する原稿につきまして各方面から多くの様々なご意見を頂き,心から感謝致します。今回からは進行非小細胞肺癌の治療に突入していきます。まずは「非小細胞肺癌治療の導入① -分子標的薬-」の題名で,非小細胞肺癌で認められる種々のドライバー遺伝子変異と各種キナーゼ阻害薬について紐解いていきます。
毎回紹介している初診時の診療の流れ[図1]では,肺癌が疑われる患者さんが病院を受診し,肺癌の診断後に病期を決めていくことになります。組織型や病期が決まったらいよいよ進行非小細胞肺癌の治療に移っていきます。
図1:肺癌診療の流れ(初診時)
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