学習塾経営における1年間の収支の流れ
塾経営の年間収支の詳しい変化について、より具体的に見ていきましょう。収入と支出の項目ごとに月ごとの流れを説明します。
1月〜3月:年度末〜新年度準備
収入:減少傾向
1月は受験生が残りわずかとなり、通常の授業料の収入が減少します。
2月は受験シーズンのため、受験対策や直前講習の収入がありますが、基本的には全体的に収入は少なめです。
3月は受験が終わり、特に中学3年生や高校3年生が卒塾するため退塾者が多く、通常の授業料が大幅に減少します。
支出:増加傾向
3月は新年度に向けた教材の購入や入塾キャンペーンの広告費が増加する時期です。特に、チラシ、ウェブ広告、イベントの準備に費用を割く必要があります。
人件費は減少しますが、運営費や備品の費用がかさむことがあります。
4月〜6月:新年度開始と新規生徒獲得
収入:増加傾向
新年度が始まる4月は、新規入塾者が増えるため、入会金や授業料が増加します。
4月~6月は比較的安定した授業料収入が見込める時期です。
特に、学年が変わるため新しい教材費や、システム利用料なども発生し、それに伴う収入が上乗せされます。
支出:やや増加新入生の対応や教材費、新年度の準備に伴う人件費の増加があります。
授業数が通常通りに戻るため、教師のシフトも通常ペースに戻ります。春期講習の報酬が加わる場合もあります。
7月〜8月:夏期講習シーズン
収入:大幅増加
夏期講習は塾経営の中で最も大きな収入源の一つです。
短期集中講座や、外部生向けの講習会も積極的に募集することで、普段の授業料より高額な特別講習費を得ることができます。
特に、受験生向けの集中講座は人気があり、まとまった収入が期待できます。
通常授業料と夏期講習料の二重の収入が入るため、夏の間は収益が非常に高くなります。
支出:大幅増加
教師やスタッフの人件費が増加します。特に、講習時期のシフト調整や時間外労働が多くなるため、給与が上昇します。
広告費や教材費、または講習用の特別教材の印刷費がかさむことが多いです。
9月〜11月:安定期(新規生徒確保の後押し)
収入:安定〜やや減少
夏期講習が終わり、通常授業がメインとなります。夏期講習の外部生がそのまま入塾する場合があり、その分の授業料収入が増えることがあります。
ただし、特別講習がないため、夏期に比べると収入はやや減少します。
支出:安定
特別なイベントが少なく、支出も安定します。ただし、夏期講習後の新規入塾者向けのフォローアップに広告費を割く場合もあります。
教材の補充や定期テスト対策の準備費用がかかることがありますが、大きな変動はありません。
12月〜2月:受験直前期と冬期講習
収入:増加傾向
冬期講習が行われ、夏期講習と同様に短期集中で高い収入を得ることができます。
12月は通常授業と冬期講習の重なる時期で、収入が増加します。
1月~2月にかけては受験生向けの直前講習や特別指導が集中し、特に受験生からの授業料が高くなることが多いです。
支出:やや増加
冬期講習に伴う人件費の増加があります。また、年末年始のための休業や特別日程の調整での費用が発生することもあります。
冬期講習用の教材費や教室運営費が増える時期です。
まとめ
塾の収支は、年間を通して収入が増減するサイクルが存在します。特に、夏期講習(7月~8月)と冬期講習(12月~2月)が大きな収入の山場であり、それ以外の時期は安定またはやや減少傾向です。
一方で、支出も講習期間や新学期の準備、広告活動に大きく影響を受けます。
こうした収支の波を踏まえて、年間の運営資金をうまく管理し、余裕を持った資金計画を立てることが塾経営の成功につながります。
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