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【上方修正→通期黒字予想へ】2024年11月期 第3四半期決算発表しました。

こんにちは、note(5243)CFOの鹿島です。
このたび、当社は2024年11月期 第3四半期の決算発表を行いましたので、その概要をお伝えさせていただきます。


2024年11月期 第3四半期の決算概要

決算ハイライト

FY24-3Q決算のハイライトは、「上方修正 & 通期黒字予想へ」です。上場以来、売上成長とコストマネジメント強化により段階的に赤字幅を縮小させ、前四半期(FY24-2Q)には上場来初の四半期黒字を達成しました。そのトレンドが3Qも継続し、四半期の営業利益は22百万円と過去最高を記録。1Qから3Qのトータルでも34百万円となり、残り3ヶ月の投資水準も考慮の上、このたび通期黒字の予想へと上方修正することになりました。

2024年11月期業績予想(10月9日公表)(FY24-3Q決算説明資料p27)

上場来、IRミーティング等で投資家の方から受ける質問No.1は「いつ黒字になるか?」で、私からは「できるだけ早期に実現します」と答えていましたが、上場2年目で通期黒字の予想を出すことができました

上方修正の背景

note自体は上場前から上場後も一貫して伸び続けており、売上成長とコストマネジメントによって毎四半期ごとに赤字幅が縮まってきていたのはこれまでの決算でもお伝えしてきたとおりです。

誤解を恐れずに言えば利益を出そうと思えば出せるブレークイーブンの水準の売上規模には到達していましたので、あとは費用・投資をどこまで踏むかで実際の利益水準が決まります。

期初にお伝えしたとおり今期は中長期的な事業成長に向けた戦略投資を実施していますが、人件費を中心とした販管費が期初計画よりも抑制される見込みとなり、このたび上方修正することになりました。

上方修正の背景(FY24-3Q決算説明資料p28)

人件費が抑制されたのは期初の採用計画から人員増のペースが少し下振れていることが主な理由となります。こちらについては、もちろん採用できるに越したことはないのですが、優秀な方に当社に参画いただきたく妥協して数を確保するという方針ではないため、それが数字に表れている形となります。

上記のスライド(p28)の右側のコメント欄にも記載していますが、新規サービスの開発等外部の業務委託パートナーともご一緒しながら進めるものは進めておりますので、無理にコストを絞り切ったものではありません。

また、オペレーション効率化によって社員一人あたりの売上高・生産性は高まっているため、コストは抑制されたものの売上の想定は変えておりません。

無理に利益を出したというよりは、現在のnoteの実力値が自然と反映された上方修正と考えています。

主要KPIの推移

もちろんトップライン、各種KPIも順調に進捗しています。主力のnoteのGMV(流通総額)は4,345百万円(YoY+20.5%)と、過去最高だった1Qを超える数字を記録。GMVを購読者数とARPPUに分解しても、前四半期からいずれの数字も積み上がっています。

GMVの推移(FY24-3Q決算説明資料p15)
購読者数とARPPU 推移(FY24-3Q決算説明資料p17)

noteは多くの方々にご利用いただけるプラットフォームとなっている一方で(MAUは月によって変動しますが概ね5,000万以上)、noteの購読者は毎月増えているもののまだ50万人台と、プラットフォームの規模に対してnoteを購入したことのある人は少ない状況です。私はよく個人投資家向けのIR説明会・勉強会で参加されている個人投資家の方々に対して「noteを買ったことはありますか?」という質問をさせていただくのですが、投資に関心がありSNSを多く活用されているような情報感度の高い方々でも、まだnoteの購入体験のある方はまだ半分にも達しません(徐々に増えている実感はあります)。

これは完全に当社の力不足・アピール不足ですが、逆に言えばこれがnoteの伸び代だと考えています。現代においてAmazonや楽天のようなEコマースを使ったことのない方は少数派だと思います。また、これまでの人生で本を買ったことのない人はおそらくほとんどいないでしょう。

インターネットにおけるコンテンツはこれまで広告によるマネタイズが主流で、コンテンツ自体に対する課金によるマネタイズはほとんど行われておらず、noteがその市場と文化を切り開いてきたと自負しています。昔から本や新聞、DVDなどをお金を出して購入していたように、価値のあるコンテンツに対しては対価を払うことが当たり前であり、実際に購入いただくことで質の高いnoteのコンテンツの価値が伝わり、リピート購入につながって購読者数が毎四半期積み上がっているものと理解しています。

みなさん、Amazonを初めて利用した日のことを覚えているかわかりませんが、最初おっかなびっくりで購入ボタンを押したものが、気づくと便利で今や毎月かなりの頻度で購入していますよね。noteにもそういった、人々にとって当たり前のインフラになる時代が来ると考えて、サービスを日々カイゼンしてアップデートしています。

直近の取り組み

noteのプラットフォームの拡大・インフラ化を裏付ける事柄を2つ紹介させてください。

国内有数のアクセス規模のプラットフォームに

一つは外部の会社の調査データですが、アクセス解析のサービスなどを提供しているSimilarwebが発表したデータで、noteのアクセス数が国内ブログサービスの中でトップ、ウェブサイト全体でも14番目というニュースがありました。

Similarweb調査(FY24-3Q決算説明資料p34)

noteより上位にきているのはGoogle、Yahoo!、YouTubeなど名だたるサービスばかりで、noteのプラットフォームの拡大が数字で示された形になりました。

創作大賞2024の盛り上がり・創作インフラとしての認知拡大

また、2022年から開催している日本最大級の創作コンテスト「創作大賞」も、今年は応募作品が5万件を超え、クリエイターにとって創作のインフラとしての認知も拡大しています。去年の入賞作品はドラマ化・書籍化など、多くの才能あるクリエイターに様々なチャンスを提供できる場になっており、その実績がさらに応募者数の増加につながっています。

創作大賞2024 応募作品数(FY24-3Q決算説明資料p36)

note proの進捗について

良いことばかり書くのはフェアではないので課題感も共有しますと、法人向けのnoteであるnote pro事業は、売上(ARR)は前四半期から引き続き積み上がりYoY+15.2%となっている一方で、有料契約件数は739件→734件と微減しています。

note pro ARR/チャーンレート(FY24-3Q決算説明資料p22)
note pro 有料契約数 / ARPPU(FY24-3Q決算説明資料p23)

note proは2023年に料金改定(月5万円→月8万円)した影響で、ARPPUは上昇しているものの足元の獲得ペースが少し弱まっており、それが契約件数に表れた形です。改定後の料金を含めたトータルでのARRを最大化する方針ですのでARRの成長が第一ですが、契約件数も満足いく水準ではありません。

周りの企業の方々と話していても、そもそも法人向けにnoteが有料プランを提供しているという認知が得られていないとも感じますので、しっかりと無料版と比べた提供価値を明確化し、ひろくコミュニケーションしていく必要があると考えています。もちろん企業の主要なニーズに応えるための機能アップデート・開発も同時並行で進めていきます。

日本銀行の政策金利引き上げと円高の当社への影響について

当社固有のニュースではないですが、マクロ環境についても少し触れさせてください。今年の7月下旬から8月前半にかけて、日本銀行が短期の政策金利を引き上げたことをきっかけとして、円高が急激に進行し、日経平均株価やTOPIXなどの主要株価指数の大幅下落が発生し、当社の株価も大きく影響を受けました。

一般に、政策金利の引き上げは企業の借入コストの増加につながりますし、円高は輸出関連銘柄も多い日経平均などにネガティブにはたらくと考えられます。一方で、当社は現状借入は限定的で仮に1%の大幅な金利上昇があっても業績への影響は軽微ですし、良くも悪くも現状国内向けの事業が中心ですので、為替変動が売上に及ぼす影響もほとんどありません。コスト面では、海外クラウドサーバーやSaaSの利用料金として海外の事業者にドル建てで支払っているものがあり、現状通信費として計上していますが、こちらは円高になるとコスト縮小(利益改善)方向に作用するものとなります。

為替に関しては7月の160円台から9月には140円台、そしてこの決算発表日当日の10月9日時点では148円台と引き続き乱高下していますが、7月の円安水準を経験しても今回の3Qは黒字を達成していますので、仮に今後また円安に振れても吸収できる水準と考えています。

日銀の政策金利引き上げ・円高の当社事業への影響(FY24-3Q決算説明資料p29)
日銀の政策金利引き上げ・円高の当社株価への影響(FY24-3Q決算説明資料p30)

上の図で今回の日銀の政策金利引き上げ後の主要株価指数とのパフォーマンスの推移を掲載していますが、市場全体が影響を受けた出来事なので株価の下落自体は仕方ないと考えています。一方で、金利引き上げ・円高の影響を当社より受けやすい企業が多い日経平均株価などと比べて株価の回復が遅れている点は、当社事業への影響は軽微である点をしっかりコミュニケーションできていない私の力不足だと考えており、端的にいうと現状の株価水準は割安だと考えていますので、今後のIR等で適切にコミュニケーションしていきたいと考えています。

今後のIRイベント

今後のIRイベントとして、今月10/19(土)に 神戸投資勉強会 様の個人投資家向け勉強会に登壇します。今回の3Q決算を踏まえた、最新の状況を私(CFO鹿島)よりご説明差し上げますので、ぜひご参加ください。
参加のご登録は以下からお申込いただけます(無料)

各種開示資料はこちら

FY24-3Q決算で開示した資料は以下になりますので、合わせてご確認ください。

当社IRサイト内、「IRライブラリ」に掲載しております。
https://ir.note.jp/library

IRに関するお問い合わせ先

決算に関するご質問やIRの取り組みに関するご意見・ご感想等、IRに関するお問い合わせは、下記の問い合わせフォームよりお願いいたします。
https://ir.note.jp/inquiry

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上場企業がnoteで発信するIR情報をまとめて見ることができる「IR note マガジン」を運営しています。適時開示やIRサイトでは十分に説明しきれない各社の取り組みについて発信されていますので、ぜひこちらのマガジンも併せてご覧ください。

https://note.com/notemagazine/m/m530d4bde968b

新規参加も随時受け付けています。参加を希望される上場企業さまは、弊社IR問い合わせ窓口よりご連絡ください。

終わりに

今回の決算で上方修正通期黒字予想、そしてプラットフォームとしての規模拡大など、noteの成長をお示しできるいくつかの数字を出すことができました。

3Qが終わり今期のラストスパート中の現在も、今回ご紹介した以外の中長期的な成長につながる様々な取り組みを社員一丸となって実行したり、企画・検討したりしております。これからがまさにおもしろいタイミングですので、今後ともnoteをぜひよろしくお願いします!

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