石垣島の自衛隊配備と自然を守るについて
「台湾有事」が起きた時、南西諸島の島民が避難するのに約1週間かかるらしい。
どこに避難するかわかならいが。
実際、有事が起きた時でも島民が避難するかわからない。南西諸島が含まれる沖縄県は、過去の太平洋戦争で「沖縄戦」を経験してるが、対馬丸の経験から「疎開(避難)」へのイメージが良く無い。
当時、国(大本営)の計画で県外に疎開できたのは、県民の約1/5だけ。約10万人。その時も県民はすぐに疎開しなかった。(理由は様々らしいが…)
そして、多分、「どうせ台湾有事は起きない」と考えていると思う。
台湾は、半導体を作ることができるからアメリカと中国が台湾を舞台に戦争することは無いとも聞くし。
■「自然」と「国土」を考える
いま、石垣島は自衛隊基地の配備を進めている。その台湾有事を見据えてか、東シナ海の脅威を考えてかわからないが。
この自衛隊基地の配備も島民では賛否が割れているらしい。当然だと思う。
「 自衛隊 = 戦争 」のイメージがどうしても出てしまう。
過去の沖縄戦の経験から平和学習をずっと行っているためだ。私も昔はそうだった。
さらに南西諸島は、自然豊かな島で自然環境を侵されることに敏感な印象がある。
川平湾にホテルの建設計画が出るだけでも、反対運動がすごい。
ことあるごとに自然を守る、自然環境を侵すなと声が聞こえる。
自衛隊基地の配備の反対運動(住民投票を訴える運動)も1丁目1番地は「自然を守る」だ。
この自衛隊基地の配備は、「国土」を守るために行っているのだと思う。
日本国としては当然の計画だろう。それが理由なら私は「◯」だ。
関東の生活が長いせいか、「自然を守る」にも多少の犠牲は仕方ないと思う。
あと「自然を守る」と訴えている方々の本気度に疑問がある。
ここ数年、石垣島に帰る時に毎回思うが、
「自衛隊基地の配備に反対」のプラカードが島中に掲げられていて、景観が悪い。せっかくの豊かな自然も台無しだと感じている。
ただ、於茂登岳が残ればいい。カンムリワシの生活環境を壊さない。だけでいいのか。
ちょっと強い意見になるかもしれないが、プラカードを作って反対派に「反対だよね」と訴えて本気で反対の意見を増やそうとしているように感じない。
南西諸島は、沖縄県は、日本国に属している。日本の国土だ。
国土を守るために脅威が迫る最前線に軍事基地ができるのは仕方がないと思う。
ウクライナも東部に戦力を集中させている。
日本も過去、元寇の時、九州に戦力を集めた。
太平洋戦争の時も、南から来るアメリカと北から来るロシアと向き合うために沖縄と北海道に師団を集めた。
世界には軍事産業があり、まだ戦争がある。たぶん31歳の私が生きている間に無くならない。
未来の子供たちに「自然豊かな島」を残したいと思う気持ちもわかるが、島を取られたら日本国の「自然豊かな島」は残らない。
「自然豊かな島」だけが残ればいいなら、極端な話、中国側に付くものありだと思う。
ただ、それは私はネガティブだ。サイパン島に行った経験があるが、中国人や大陸のアジア人はゴミを平気で街中に捨てる。全員そうだとは言わないが。
観光スポットもどこも関係なくゴミを捨てる。内側からサイパン島の自然環境を壊しているように感じた。
■自衛隊基地は必然だった
どんなに反対しても自衛隊基地の配備は進んだ。南西諸島の各首長が反対派であっても進んだと思う。住民投票で反対が過半数になっても進んだだろう。
裁判を行って国が違憲だ。って判決が出ても賠償金で終わると思う。国土を守るという絶対的な正義が日本国にはあるから。
だから、自衛隊の宿舎とか基地が自然豊かな島の景観に馴染むように見た目だけでも配慮してもらうとかして貰えば良いのにと思う。交渉できただろうに。
基地を木造にすることは無理だと思うが…
台湾有事や東シナ海の脅威で情勢がきな臭くなってきている時点で自衛隊基地は必然だったのだろう。
日本国は南西諸島を守ろうとしていると思う。国土としての南西諸島を。
自然豊かな島であることを理解しながら。ただ、多少の犠牲は我慢してくれとも思っているだろう。
沖縄という地域は、過去、自力で島を守ることができない。
琉球国として生き延びることが困難であったから薩摩藩に屈した。タイミングが違えば清(中国)だったかもしれない。
太平洋戦争の時も、最後は知事の島田叡(兵庫県)や警察部長の荒井退造(栃木県)、陸軍中将の牛島満(鹿児島県)と日本国の力で戦った。
県民も大戦に参加させられたが、結局その時は国土を守れなかった。
県民だけで戦ったら負けはもっと早かっただろう。
いまも基地がないからか中国船が何度も領海に侵入している。だから、基地を配備することでそれと向き合うつもりなのだろう。
自衛隊基地があることで、攻撃対象になるという意見もわかる。
だが、ロシアとウクライナをみて感じるが、いざとなると軍事基地も民間施設も関係なくなると思う。
場所がいいと思ったら全力で取りにくるだろう。どんな手段を使っても。
■平和教育のアップデート
文藝春秋のYouTubeで「台湾有事」の時に巻き込まれないことも考えるべき。と意見があった。日本国の平和、国土を守るという点ではある話だ。
沖縄県の平和教育を受け、私に残っているのは戦争は悲惨だ。ってことだけ。
日本国に属している沖縄県として平和を考えることはなかった。沖縄県としての平和のあり方は「戦争がダメ」ということだけ。
ひめゆり学徒隊や対馬丸の悲劇を知ることは大切だが、それを学んで平和学習としてはいけない時代なのだと思う。
日本国以外の世界中の国は軍隊を持って国を守ることを前提にしてる。
戦争の無い、軍隊の無い世界を目指すならアメリカからも中国からも離れ、独自に訴えそれの無い国を増やさないといけない。
ただその勇気は無い。台湾有事が起きた時、大半の人が我がごとには捉えないと思う。台湾の方々は大変だ、可愛そうだ。で終わる。
隣国の平和は関係ない。「戦争はダメ」と平和教育を受けた結果がこうなる。平和について真剣に向き合う教育ではなかった。
そして国土を守る、日本国の平和よりも「自然豊かな島」を守るという意見だ。
平和よりも「自然」。
■最後に
従兄弟が平和の俳句として平和学習の上、約30年前に詠んだ俳句だが、これを目指せる世界にはならなかった。勝手に引用してすみません。
そしていま、南西諸島には自衛隊基地が配備され、2023年3月5日に石垣島に自衛隊の車両が公道を走った。
これからシェルターが作られたり、空港の滑走路が延長されたり「戦争」を想像させる何かが増えていくと思う。
自然豊かな島であってほしいと思うし、南西諸島が日本国の国土であり続けてほしいとも思う。
でもそれは欲張りなんだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?