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プロジェクトの先にある未来とは?萩原建設工業×産業能率大学インターンプログラム【後編】

北海道十勝 帯広市とTASUKI合同会社が主導となって展開する「tokachi field action Lab」。2021年から同プロジェクトに参画し、産業能率大学の学生とともに自社の課題解決に取り組んできた萩原建設工業が、歴代リーダーと座談会。
前編では、学生/卒業生たちからみた十勝帯広や建設業、萩原建設工業の印象を聞き、意外な一面が見えてきました。後編では、プロジェクトを通した学びやこれから十勝帯広で展開を目指す新たなプロジェクトの未来などについて、語っています。

▶【前編】はコチラ

『tokachi field action Lab』とは?
学生の「やりたい」を十勝の「ヒト・モノ・コト」で実現するプラットフォーム。学生が持つ興味・関心にとことん向き合い社会や企業と繋げることで、学びを通して成長につながる機会を作ります。

https://tfal.jp/

『産業能率大学』とは?
実学教育を重視し、ビジネススキルと自立した職業人としての教養を育成。総合研究所と連携し、産業界との密接な関係を活かした最新の実践的教育を展開する大学です。(2023年7月 北海道帯広市と学部連携協定を締結)

https://www.sanno.ac.jp/


▼インターンプログラムは“仕事の縮図”。そこで学んだこととは

川口:インターンプログラムは5日間という短い期間だったと思うんですけど、このプロジェクトを通して、みなさんの気づきや学びになったところについて教えてください。

黒田:私は大きく2つあります。 まず1つ目は、自分自身の自己分析になったこと。チームで活動する中で、自分の得意な部分や逆に「ここは人に助けてもらうともっと力が出る」という部分が分かりました。チームの中での立ち位置や振る舞いも考える機会になったなって。あとひとつは、プロジェクトの「最終地点」に意識を向けられるようになったこと。提案して終わりではなくて、それに至るまでのプロセスや納得できる結果を出すことに本当に価値があるんだと気づきました。

日向:チームで目標に向かって進んでいく考え方は確かに学べたね。短い期間なので、焦りだったり、不安で追い込まれることもあったんですけど、考え方が違うメンバーが揃っているからこそ、それぞれの個性を活かしてチームとしてひとつになって動けたのは印象深かったです。

川口:仕事も同じだよね。みんなが取り組んだプロジェクトと同じく、僕らの建設業という仕事もチームで作り上げていくもの。だから、どうやってうまく連携していくのか、まとめあげていくのかというのを学べたのはいい機会だったと思います。

日向:あとはITの可能性も感じましたね。データを使った業務や新しい技術を目の当たりにして、これからの時代、こういう力が社会では求められるんだなと強く思いました。僕は今、偶然にもIT関連の部署にいるんですけど、会社で萩原建設工業さんのプロジェクトの話をすると「すごいね」という言葉をもらったりして。

建築現場担当者から説明を受ける日向さん達(2期2班メンバー)

清水: 僕も萩原建設工業さんのプロジェクトで取り組ませてもらったことが今の仕事につながってますね。プロジェクトでITソリューションを調べていくうちに、自分はやっぱりITが好きなんだと改めて実感して。今はその知識を活かして、ITに困っている会社に提案をする仕事をしています。多分萩原建設工業さんと出会わなければ、この道には進んでいなかったかもしれません。

川口:そういう言葉は嬉しいですね。DXという視点でも、社会の変化に合わせて僕らも変わっていこうとしているから、今後も取り組み続けなければいけない課題だなと思っています。

山田:僕は今回、リーダーを初めて経験しました。ゼミ同期にはリーダーシップのある子が多くて、自分でもできるかもと思ってたんですが、実際やってみると全然できなくて…。小まめな連絡や報告・連絡・相談の重要性も思い知りましたし、チームをまとめる難しさにプロジェクトの中で直面しました。ただ、途中から視野を広く持てるようになって、少しずつ周りを見ながら動けるようになって。プロジェクトを通して、自分の成長を感じることができました。

最終日の役職員プレゼンに向けて円陣を組む山田さん達(4期メンバー)

川口:プロジェクトを取りまとめる、という力は社会人になっても必要だよね。特に萩原建設工業での施工管理はプロジェクトを取りまとめる重要な仕事。だから、ここで経験できたことは絶対に社会でも活きてくると思うよ。

▼社内の人を、仕事を、知る。相互理解から見えてきた変化

佐藤:僕らからも逆に質問していいですか?会社の課題として「相互理解」を掲げていたのは何か理由があるんでしょうか。

川口: 大きな視点で言うと、競争の激しい建設業界の中で自社の強みをもっとアピールしていこうとなった時には、会社として向かうべき方向の統一や目線合わせ、社員のモチベーションを上げて企業文化を活発にしていく必要がある。そういった背景から、まずはお互いの事を知ろうねと言うことで「相互理解」と言う課題があがったんです。

佐藤:なるほど。

清水:萩原建設工業として、学生との取り組みはどう評価されていますか?

川口:僕らが出したテーマに対して、毎年成果を上げてくれて本当に感謝してます。社内評価としても会社が良い方向に行っている、新しい視点で変化が起きていると言う認識。毎年の取り組みを翌年にブラッシュアップしていくこの流れもうまく行っているなと感じています。

黒田:確かに、1期からずっと新しい課題を見つけては取り組んでを繰り返しているから、大きな流れや方向性は繋がっていますよね。「広報」と言う重要キーワードも見つかったし。

川口:そうそう、広報は本当に取り組んでよかったなって。社内の広報活動が盛り上がってきてから、会社としても情報共有を活発にしようということで、新たなツールを導入して、広報専用コンテンツも設置して、社員の情報発信をしています。

黒田:例えばどんな情報発信ですか?

川口:誰がどこで講演会に登壇するとか、この現場で体験会をしますとか、ここで活動していますとか。そうやって面識はないけど、お互いの事を知る「場」が増えて、もっと対面でもコミュニケーションを取れるようにしていきましょうという流れができていますね。

山田:社内の雰囲気も変わったりしているんでしょうか?

川口:うん、そうだね。以前は部署ごとに分断されている感覚が強かったんですけど、最近は何かやるなら他の部署も巻き込んで、という意識が浸透してきましたね。それがきっかけで社内全体の雰囲気が柔らかくなって、交流が生まれているように思います。

日向:DXについては当初社内でも懐疑的な方もいたと思うんですけど、そこは現状としてどうなってますか?

川口:デジタル化に対しての理解は、以前よりも示してもらえるようになりましたね。でも、どうしても導入しやすい現場とそうでない現場があるのも事実。そこは議論を続けていかないといけないなと思ってる。

遠隔定点カメラを視聴する黒田さん達(3期メンバー)

清水:確かに、現場によってIT導入のハードルは異なりますよね。現場のDX化って例えばどういうことがあるんですか?僕らが見学させてもらった時とはまた変わってきていると思うんですけど。

川口:最近でいうと、AIRPAソフトを使って自社システムを開発したり。

清水:え、すごい!自社開発ですか!?

川口:簡単に説明すると、チャットツールで受け取った資材の情報をRPAが自動で表にまとめ、その内容をAIが読み取って管理図に整理する。その後、資材を運ぶダンプカーをAIカメラで映像解析して内容を照合し、最後に管理者のチェックをして完了というシステムです。今まで人力でおこなっていた業務をデジタルツールに置き換えることで、作業効率の向上や省人化、データも踏まえた意思決定ができるようになったりと、少しづつ効果は出てきているかな。

動画:自社開発システムの説明

山田:すごい。そんなことも取り組まれているんですね。

川口:やっぱりみなさんからの提案で気付かされることも多くて。DXを推進している僕らも、もうちょっと頑張ってみようかなって踏ん張れているんだと思います。

佐藤:そんな風に提案したことが改善されて結果に結びついていると知ると、関わった僕たちもすごく嬉しいです。

▼社内を変えて、地域を変える!地域活性にかける展望も

川口:萩原建設工業へ期待していることや、今後やっていったらいいんじゃないかということがあれば教えてください。

日向:土木、建築などの現場の部門だけじゃなく、営業部・総務部も含めた活動ができるとよりいいんじゃないかなと僕は思います。

黒田:それは私も思いますね。これまで一つのプロジェクトでできた成果物を、他にも応用・展開していくと言う考え方だったけれど、もっと焦点を絞って特定部署の課題改善という視点で切り込んでいくのもいいかもしれないですよね。

川口:…わかりました、ぜひやりましょう!

一同:(笑)

佐藤:あとは、地域全体を巻き込んだ活動も萩原建設工業さんならできるんじゃないかなって僕は思っています。業種としてto Bのプロジェクトが主だと思うのですが、それをtoC、例えば帯広市民とかに対象を変えて、帯広市を活性化させるようなプロジェクトができないかなって。地域を元気にすることで、良い影響が生まれると思いますし。

一同:それいいね。

川口:実はそれについてはちょっと展望があるんだよね。「tokachi field action Lab」でのプロジェクトも、ある程度形が見えてきているので、これからはもっと関わる人を増やしていきたいなと思ってます。4年間やってきてもっともっと大きなことができるんじゃないかな、と僕の中では思い始めている。「tokachi field action Lab」は萩原建設工業だけでなく、他の企業さんも入っているからそこにいる企業同士が連携して、帯広市を変えていくような何か、地方創生に寄与する活動ができるんじゃないかなって思っているんです。

現場で使用されている仮囲いフレーム

一同:おおぉ!

川口:地元企業が街を盛り上げていく、それによって街が活気づく、そうすれば移住者や入職者も増えて地元企業も盛り上がる。そんなふうにいい循環を作っていけたら、もういいイメージしか湧かないなって。

黒田: めちゃめちゃいい!

川口:まだ構想段階ではあるけれど、いずれ取り組んで行きたいと思ってます。

▼「帰る場所」。僕らの原点、萩原建設工業

川口:じゃあ最後に、みなさんにとっての「萩原建設工業」とは、をズバリ答えていただきたいと思います。どうぞ!

山田:チャレンジ精神がある。

日向:若いおじいちゃん。

川口:ん?若いおじいちゃん?(笑)

日向:歴史はある。だけどバイタリティがある、若々しい企業という意味で(笑)。

川口: あ、それいいかも(笑)。

黒田: キラキラしてる。私たちの代のキラーフレーズだったんですけど、星になる人、輝く人をどんどん引き出している会社ですね。

佐藤: 萩原建設工業は社員みんなの心が繋がっている…だから「ハギつなプロジェクト」ですね。

川口:それはさとけんたちの代に命名されたよね(笑)。確かに着実に“つながり”はできてきているよね。そこは今後も大事にしていきます。

清水: 僕は帰る場所、ですかね。今の仕事の原点でもあるのがやっぱり萩原建設工業です。自分が何を大切にしているのかを気づかせてくれた、自分の原点だなって思っていますし、またいつか“帰りたいな”という気持ちも込めて。

川口:「帰りたい」っていう言葉は沁みますね。みんなそれぞれの萩原建設工業が聞けて満足です。今後もみなさんからの意見を大切にして、さらに良い会社にしていきたいと思いますので、期待していてください! ありがとうございました。

一同:ありがとうございました。

最後は、インターン中に学生達が考えてくれたポーズ『ハギワラの「ハ」』で締めくくりました!

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※本プロジェクトに関するお問い合わせ、萩原建設工業へのお問い合わせなどお気軽にご連絡ください。
<問い合わせ先>

社長室 業務改革推進グループ 川口
TEL:0155-24-3030
MAIL:kouhou@hagiwara-inc.co.jp