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ユーモア溢れる浮世絵師 歌川国芳
先週末残暑が続く中、東京へ行ってきました。
目的は友達に会うことだったのですが、ついでに気になっていた銀座三越にあるアクアリウム美術館にも行ってきました。そこで歌川国芳の『金魚づくし』という非常にユーモアに富んだ浮世絵があり、ブログに国芳の作品を紹介したら面白いのでは?と思ったので、今回見てきた作品やそのほか私が個人的に面白いと思った作品を紹介したいと思います。
歌川国芳といえば
歌川の名前は日本人なら誰でも知っていると言っても過言ではないほど有名な絵師の一派です。歌川国芳も歌川派の浮世絵師で幕末にブレイクした絵師でした。こちらの絵はおそらく国芳の作品で一番有名なものかと思います。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86660508/picture_pc_76523deec1c7f51b96b5bb15c25c5197.png?width=1200)
上記のようなオカルトチックな絵も有名ですが、個人的には国芳の作品は動物などを人間のように描きおこした戯画が最も面白い作品だと思っています。色々お話ししたいことはありますが、国芳の作品は解説するよりも先に見ていただいた方が、魅力や面白さが分かると思いますのでまずは作品を見てみましょう。
国芳の戯画 その1 金魚づくし
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86668460/picture_pc_d2d6a53f3c959916fc76850dd7c69ac7.png)
金魚なのにまるで人間?と思わず突っ込みたくなるような上手さ。これほんとに江戸にかかれたものなの?と疑いたくなるような作品です。お酒を飲んだり酔って踊ったりする様子が軽快に描かれています。画面左の大酒を飲んでる金魚が笑を誘ってきます。こんな人いますよね・・・。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86668675/picture_pc_c745c51342e1d1a52b0d48aa4eeb1200.png)
アメンボを雨に喩えるというところに国芳のセンスを感じます。突然の雨に慌てる庶民の様子が映しだされています。金魚の柄やにじみも美しい作品です。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86668762/picture_pc_ce8634b27eb2b72159b56a5efa383dbd.png)
トンビに油揚げをさらわれる、ことわざ通りの状況を浮世絵にした作品です。油揚げを持っていかれた瞬間、「あっ!」と言わんばかりの呆気にとられた表情がこれまたたまりません。
国芳の戯画 その2 猫
国芳は無類の猫好きだったようで数多く猫を描いた作品を残しています。
こちらは狂言の舞台を擬人化したコミカルな作品です。
![](https://assets.st-note.com/img/1662901059676-sYQc4gM63m.png)
なぜこのような風刺画のような作品が生まれたかというと、間違いなく時代背景によるものです。当時は江戸で度重なる飢饉や一揆がおこっていました。そんな中、水野忠邦という老中により天保の改革が行われ財政の引き締めと物価の抑制が行われます。また、歌舞伎や狂言などの庶民の娯楽の様子を浮世絵で描くことも禁止されます。国芳はそれに反発し、動物を擬人化した作品など、規制ギリギリな絵を描き江戸っ子たちの溜飲を下げたそうです。
最後に
楽しんでいただけましたでしょうか。国芳ほどユーモアのセンスと画力を持ち合わせた浮世絵師はいないのではないでしょうか。国芳のセンスは現代にも通ずるものがあると思わされます。時代を超えて愛される絵師の他の作品も気になった方はぜひ美術館やインターネット、本などでチェックしてみてください。