シャニマスのオタクは疲れている
2023年秋から1年半、シャニマスのオタクは大きな挫折感を味わう事になった。
シャニアニとシャニソンの空振りである。
『もしシャニマスが新作ゲームを出すなら〜』
『もしシャニマスがアニメ化したら〜』
…さまざまな期待を胸にシャニマスの発展を願いながら、ライブに通い、グッズを集め、ゲームに課金をしてきた。その結果があれである。
……なるほどな!
筆者はシャニマス信者なので、シャニアニやシャニソンがアンチから馬鹿にされるとムカつくし、全く良いところが無いわけじゃない、探せば良い所もあると声を大にして言いたい。
しかし期待していた基準を満たしているかと聞かれると、正直、全然足りていない。
優秀すぎる後輩・学マスがシャニマスにして欲しかった事を全て華麗に、スマートにこなしてしまうので、尚更そう感じる。
ここ1年でシャニマスに見切りをつけてジャンル移動したフォロワーや鍵垢の愚痴で淀んだTL、アニメ円盤の販売方法、シャニソンのセルラン等諸々の状況を見れば、シャニマスに対してしょげた気持ちを持っているオタクが少なくないこともわかる。
シャニマス界隈は今、信者も反転アンチも
程度の差はあれど傷心状態なのだ。おそらく。
そんな中、運営はオタク自身に行動させる展開を積極的に取り入れている。感想コンテストやイラコン、動画コン、スクショコン、布教コンテスト等、毎月何かしらのコンテストを開催している。
これがもし、オタクの理想のアニメ化・理想の新作ゲームを経て界隈がブチ上がっている状態だったならその盛り上がりに拍車をかけた事だろう。
しかし今のシャニマス界隈は……正直ちょっと元気がない。新作ゲームが出来てアニメが2クールも放送された、シャニマス一世一代の大量供給、いやでも盛り上がっていなきゃおかしいくらいだ。現実ではそれが全て空振りした、今後これほどの供給は望めないだろう、長年シャニマスを追いかけてきたファンは当然暗い気持ちになる。
そんな精神的に衰弱しているオタク達にムチを打って布教をさせる、オタクに頼り切りの展開が続いている現状に不安を感じている。
例えば先日大荒れしたLMEはオタクの考察が必須の作りだった。Xでは『いきなりファンを騙すような事をしてシャニマスの運営は酷い、うちのジャンルではやらないで欲しい』と怒られていたが、運営はファンを騙していないと筆者は考えている。
なんなら公式はオタクに気づいてほしそうに伏線を張っていた。公式HPには「出演者は予告なく変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。」なんて本来必要がない注意書きがされていたし、アイドルが事前告知無しで勝手にXのスペースを開いたり、パンフレットのテキストを文字化けさせたり色々仕掛けを施していた。
そもそもライブ公式サイトの入り口がこれだ。


いくらY3Kが流行っていると言っても“普通は” こんなにロゴを歪ませたりしないし、真っ赤な「CONTINUE」のデザインは警告や禁忌を連想させる。探求心をそそる非常に魅力的なビジュアルだ。
(シャニソンはそのあたりが上手く行っていないようなので、LMEで人を惹きつけるビジュアルデザインを作り上げた点については高く評価したい)
実況向きのホラゲーや、まどマギ・エヴァ系統の作品を通ってきたオタクなら、これが考察コンテンツでありライブで何かしらの刺激的な展開がある事くらいは察しがついたと思う。
運営の見立てを勝手に想像させてもらうと、
ライブ告知からライブ当日までの間、シャニマス界隈は考察好きのポストで盛り上がり、誰か1人くらい真実にたどり着き、その考察ポストがバズって普段考察をしないタイプのオタク(真っ直ぐに推し活している人)にも事前に情報が入る算段だったのではないだろうか?そう考えるのは間違っていないと思う。
……しかし、実際のところ考察はあまり盛り上がらなかった。結果『いきなり被害に遭ったファン達』が生まれて炎上してしまった。
原因はやはり『シャニマスのオタクが疲れていた』ことにあると思う。
考察には真実への期待と作り手への信頼が不可欠だ、『脚本が虚淵なら何か仕掛けてくるぞ…』といったような期待と信頼。
悲しい話だが、今のシャニマスP達の中で運営に強い期待と信頼を寄せられる人はどれだけいるのだろうか。
シャニアニもシャニソンも作り込まれているタイプの作品では無かったし、それに加え運営のうっかりミス(広報担当者の誤爆等)が多すぎて、演出なのかただのスベった企画なのか消費者目線だと判断がつかなかった。期待してはがっかり、『運営の人そこまで考えてないと思うよ(ただのミス)』を繰り返されると真剣に情報を追うのは疲れるし、いきなり考察必須な供給をお出しされてもすぐに意識を切り替えられない。
その証拠に、運営渾身の無限回廊(1時間のループ映像)もオオカミ少年よろしく『またシャニマスが変な告知してスベってるよ、時間返せ』と一蹴されてしまっていた。
アニメの内容もオタクが新規を囲い込んでenzaに誘導する流れが前提で作られていたように感じる。
特に1期の内容は、アイドルを顔見せするためのダイジェスト映像のようで、物語の内容は極限まで薄かった。あれはオタクの解説無しでは成り立たない作りだった。
先行上映と同時期にリリースされたシャニソンの出来が良ければ、アニメの内容があのままでも新規を囲い込み布教活動をするオタクはそれなりにいただろう。しかしリリース時のシャニソンは人に勧められるようなゲームでは無かった為オタクのモチベは下がり、最悪の相互作用が生まれていた。
逆にアニメの出来がよければシャニソンに期待する声も今よりずっと多かっただろう。
『オタクがなんとかしてくれる』を前提にした計画は、成功すれば一大ムーブメントを作れるが、やはり失敗した時のダメージが大き過ぎる。
そしてシャニマスはもう失敗出来ないフェーズまで来てしまっていると思う。
まとめ
シャニマスはmadや実況でバズって栄えたコンテンツだが、運営はオタクを信用し過ぎているしオタクに頼り過ぎなのではないか?と、ここ1年間で強く感じた。
シャニマスの、あの手この手で人を巻き込んで面白い事をやろうとする姿勢が好きだし尖った事は今後も続けて欲しいが、しばらくの間はファンがついてこない事も見越した上で企画を立てたほうが良いのではないかと個人的には感じている。
オタクに頭を使わせるアイドル作品は希少性も中毒性も高い、が、やはりユーザーからの期待と信頼がないと成り立たないので、普段から運営のミスとがっかり供給(作り込みが甘すぎる等)を減らさないと他界するオタクは今後も増え続けるだろう。
6年目では『Join us!』をテーマにしていたシャニマスは7年目では何を目標にするのだろうか。
個人的には『信頼を取り戻す』が良いと思う。
シャニマスが活気を取り戻したら嬉しいので運営にはうまくやってほしい。筆者の担当は283プロにしかいないのだ。なんとかここから起死回生してこれからも担当の元気な姿を見せて欲しい。
以上、主語デカお気持ちnoteでした。