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#シンFIRE論(著:穂高唯希) 要約

こんな人におすすめ

・著者の穂高唯希さんに興味がある方
・FIREを達成する過程を知りたい方
・人生を主体的に生きていきたい方

本書のまとめ(メッセージ)

ありふれた情報に惑われず、自分の頭で考え、人生を主体的に生きろ

※本書はFIREを達成するためのハウツー本ではない。
あくまで、実際にFIREを達成した著者の思考法が綴られた本である。

著者について

三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた のブログを運営。30歳で資産7000万を築き、FIREを達成。まだFIREという言葉があまり知られていない時に、FIREという生き方を目指した。FIREの第一人者と言われることも。

選択の思考法

ノイズに呑まれるな。

現代社会にはノイズがありすぎる。
一昔前は新聞やニュース、ネットサーフィンから情報を得ていたものが、
現代では、全員が発信者になれる。SNSの罠がある。
事実に基づき、できるだけ客観的に物事を判断する思考力を身につけよ。

現代社会のルールを把握せよ。

私たちは資本主義に生きている。
それゆえ人は社会的役割というより、利益や効率性を求める傾向にある。
その利益や効率性を求めることが基本ベースにあると考えて、物事を見通すべきだ。
証券会社はなにで利益を得ているか?
事務所を構え、営業マンがいて、商品をつくる人がいる。
それらの資金はどこから調達してるのか?
お客様からの手数料だ。
だから、頻繁に売り買いしてもらわなければ成り立たない。
このように人の行動は社会のルールから紐解くと自ずと見えてくる。
この眼鏡を身につけろ。

遮断の思考法

SNS=幸福ではない

積極的に情報はシャットアウトしろ。
浴びるように情報を受ける現在だが、受ける情報は思考停止だ。
無駄に「おすすめトピック」などを見る必要はない。Twitterはユーザーにより長くTwitterを開いていてほしいだけだ。
そういったトラップにはアンテナを張れ。
SNSにより様々なものが見える化された。
そして、簡単に人と比べれるようになった。
しかし、比較すると人間の幸福度は落ちる。
世界一幸せな国としてしられる、ブータンという国がある。それはブータンにSNSが普及する前のこと。
インターネットの普及率が上がったことに伴い、ブータンの幸福度ランキングは急降下。
因果はわからないが、何かしら関係はある。
だから幸福になるには自分で物差しを持つ必要があるのだ。
現状の幸せに目を向け、足ることを知れ。

テクノロジーと自然とのバランス

テクノロジーを盲信してはならない。
今や人々はテクノロジーによって動かされていると言っても過言ではない。
SNSで話題になったお店へ、ナビが示す行き方で、それに疑いの気持ちなど持たずに歩む。
しかし、決して盲信してはならない。
ナビだって間違うことはあるし、臨機応変には対応できない点もある。
テクノロジーの進化に伴い、自然の価値は高まっている。
もし、ある日突然、インターネットに接続できなくなったらどうする。
便利なコンビニやスーパーがなくなったらどうする。
水や食糧はどこから調達する。
こうなったら現代人はほとんど飢餓で死ぬだろう。
1人の人間として、動物の一種として、僕らは生き延びる力は兼ね備えておくべきだ。自然とは切っても切り離せない状況にあることを理解しろ。

社畜にならないために

社畜とは、「自分の意思や良心を犠牲にし、会社に右を向けと言われれば右を向き、サービス残業もいとわない奴隷と化した賃金労働者のこと」
これを言い換えると、自分の頭で考えず行動してる人だ。
なにも考えずに進学し、就職し、決められた時間に出社し、生活できるくらいの給料になんの疑いも持たずに生きている。
会社からするとその方が都合がいい。
さらに、高度成長期の時代にはがむしゃらに働けば給料があがる時代だった。
しかし、そんな時代はすで終了。成熟期に突入している。
モノが普及し、モノの価値が下がり、ミニマリストなるものがウケる時代だ。
これが今の社会の環境だということを受け入れ、自分の頭で考え、行動する、つまり主体的に人生に取り組む必要があるのだ。

対人の思考法

人との関わり方

あなたには、本当の自分がわからなくなる時があるだろうか。
それは当然。学校で見せている顔と職場で見せている顔と家族の前での顔は違って当然。
その一面一面、全てがあなたなのだ。
つまり、相手も自分に対して一面を見せているだけだ。
その一面を見ただけで、全てを理解することなんて不可能だ。
人間は複雑な生き物だ。
他人には、あなたの知らない過去や経験が山ほどあるのだ。
だから、他人とは自分が理解できない者だと割り切ることがベスト。
それでも相手は同じ人間。痛みを知る者には変わりない。
だから、相手=自分だと思い、自分だったらどのように接してもらいたいか、どのような話をしてほしいか、など配慮する気持ちが大切なのだ。

目標の思考法

人生で何をしたいか明確にせよ

欲のない人間はいない。美味しいものを食べたい。時間を忘れてたくさん寝たい。ずっと誰かと遊んでいたい。
大きな欲望はないにせよ、身近なことならきっとあるはずだ。
もし、「ずっと寝ていたい」と心から思うなら、ずっと寝ていられる環境をつくればいい。
それを達成するための最短ルートを考え、あとは愚直にこなす。
著者の場合、最短でFIREを達成するために、
「毎月の給料の8割を、高配当・連続増配株に投資し続けること」
を最短ルートとした。
これを達成すると、「配当>生活費」の状態を作り、現金がほとんど減らない仕組みを作れる。
これが人生の指針となり、不要なものは切り捨てる。
目標が何であれ、自分で考え、自分なりのゴールを作り、アクションを起こすこと。これに尽きるのだ。

投資の思考法

投資によってどうしたいか。現在の自分の収入や資産状況はどうか。それによって変わる。
例えば、毎月安定して不労所得を得たい、最終的には配当金>支出の状態を作りたいとする。
であれば、毎月の最低限の支出はいくらか、そのためにどれくらいの配当金が必要かが見えてくる。
毎月10万円の配当を得たいとすると、年間で120万円の配当金になる。
高配当株の配当はだいたい3〜7%。
ここでは、わかりやすく5%としよう。
そうなると投資額は
120万円÷0.05=2400万円
投資額は2400万円必要となる。
仮に毎月10万円投資すると、年間で120万円。
2400万円達成するのに、20年かかる計算になる。
20歳から始めていれば、40歳で達成できる。
これが早いか遅いかは人それぞれだ。
もっと早く達成したいなら、投資額を増やす必要がある。

本書にはより具体的にどのような銘柄に投資するかなどが記載されているが、この要約では触れないこととする。

集中の思考法

やり込むことで見える景色がある。

今の時代ネットで色んな手法が散見される。
しかし、それあくまで他人の考えだ。
どんなに小さなことでも自分がどう思うかを俯瞰で見る癖をつけよう。
例えば、草むしり。
草むしりの仕方をいちいち調べたりする人はいないだろう。
自分の感覚で、草のここらへんを持って、どういう風に力をいれて、体のどこを動かして、など無意識にしていることがあるはずだ。
これをやりこんでいくと、自分の癖が見えてくる。
このやり方でやると、腰が痛くなるな。
じゃあ、もっと足を使えばいいんじゃないか。といった具合に、やり込むことで、自分の癖を知ることができる。
また熱中して始めて、自分が好きかどうかも知ることができる。
始めは嫌だったけど難なく続けられるな。
逆に、楽しそうと思ってたけど、やり込んでみたらなんか違った
など、やって初めて分かることがある。
だから、自分の適性を知るためにも何事にもやってみることが重要だ。

集中を保つためにはモチベーション

モチベーションを保つためには記録。
配当株に投資するうえでのメリットは、目に見えることで成長を実感できること。
投資をする上で著者が重要視している点だ。
継続して、ストレスなく投資に集中するためには、モチベーションが必要だ。
配当株は、目に見えて、数字が積み上がっていき、今日より明日、今年より来年、と成長が確実に見て取れる。
他の株に目移りせず、決めた手法に集中するための重要な要素のひとつだ。

常識の思考法

ここでのキーワードは「そもそも何のため?」だ。
常識を疑うことで、思考力を鍛え、自分の中で確固たる答えを持つことができる。
特に日本は常識にまみれている。
異国をどんどん受け入れるアメリカは「人と違うこと」が当たり前だが、日本では「人と同じこと」が当たり前とされている風潮がある。
たとえそこに正当な理由がなくても。
事務仕事で顧客の前に出ないような人がスーツを着ることにどんな意味があるのだろうか。
真面目で清潔感があるという印象を与えるのにスーツは有効だが、そうでない時はデメリットばかり。
動きにくく、通気性も良くない。
周りにはそんなことだらけだ。
どれだけ気をつけていても、自分が常識にとらわれていることすら気づかないこともあるだろう。
そんな時に有効な手段がある。
異質を知ることだ。
異質を知れば、自分がどれだけ縛られた考えであるかを思い知ることになる。
だから、自分がこれまで蓋をしてきたことにも積極的に飛び込んでみよう。
手っ取り早いのは「海外に行くこと」
そうすれば、全てが異なる環境になり、自分の常識など通用しない。
常識を疑うためにも、違う視点をもつ努力が必要だ。

価値観の思考法

あなたはお金と時間どちらを重視するだろうか。
それを明確にするために、こんな質問がある。
「今仮に10億円もらえる代わりに、60歳になるとしたら、イエスと答えますか?」
ここでノーと答える人は、時間の方が大事だと思っているかもしれない。
価値観というのは、こういった本質的な部分に表れる。
お金は増やせるかもしれないが、時間は増やせないし、取り戻すこともできない。
お金と時間の最大の違いはこれだ。
だから、上記の質問にイエスと答える人は多くないように思える。
だから、時間を短縮したりできることがあれば積極的に投資することも考えよう。
常にそういったことを天秤にかけるクセがつけば、自分の価値観が見えてきて瞬時に判断できるようになる。
著者は特に、「先延ばしにしないこと」の重要性を強く主張している。
人間の短期記憶の限界は7個だけと言われている。先延ばしにすると、その1つを使うことになる。それが溜まっていくと、あれもこれもと脳のメモリをどんどん消費し、忙しいと錯覚してしまう。
結果、判断力が衰え、脳が疲弊しやすくなる。
その経験から、先延ばしにしないことを徹底しているとのことだ。
最後に残るのは、「思考」と「サバイバル能力」。
ここにも著者の重要視している価値観が強く表れている。
たとえお金が底をつきようとも、「思考力」と「サバイバル能力」があればどうにでもなる。
家がなくなっても、食べ物を買えなくても、自分でどうにか生き残ることができる。これは心の安定にもなる。
「最悪、生きることができる」と心底思ってる人は強い。
インターネットに依存するこの世界では、そういった能力は明らかに欠落している。
作物を育て、水を確保でき、生き物を狩猟できる。
長く健康に生きることを想定して、平時からあらゆることに対応できる準備をする。
これが目標を達成すること、これからの時代を生き延びることに繋がるのだ。


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