【嘘デッキ選手権】無限振舞超人(無限フルコース)編
こんにちは。成田ヶ丘です。最近皆さんいかがお過ごしでしょうか。DMGP2024 1stが近かったため環境上位のデッキの調整を続けられていたという方も多かったのではないでしょうか。
かくいう僕もチーム戦の方に参加していたため、特に【黒緑アビス】の調整を主にしていました。チームメンバーに迷惑をかけることができないという思いもさながらちゃんとGPに参加する上で真面目に一回環境に触っておこうと思っていた節もあります。
んな話はどうでもいいよ。〇すぞ。早く嘘デッキの話しようぜ。
ちなみにGP前日の宿の近くにトイザらスがあったのでアンパンマンのおもちゃでクソデカいち〇こ作って遊んでました。ちなみに予選の方はチーム6‐2個人5‐3でオポ落ちでした。
こうして今回【赤青マジック】【黒緑アビス】など種族間のシナジー強度があるデッキが注目されたため今回の嘘デッキもこういった種族(おれら)の中から編み出していく運びとなりました。
とはいえ【マジック】はもともと広いカードプールの中から呪文を採用することに長けておりピン投しても触ることができる為拡張性が高かったのも相まって好きなことをしても環境に存在する【赤青マジック】のガチ下位互換になってしまい、【アビス】においても黒緑や赤タッチ型、黒単など多くのビルダーにて様々なアプローチがなされています。その中で独自性をもち且つ『嘘』度の高いデッキを編み出すのは至難の業と言えるのかもしれません。
【メカ】【アーマード】【ジャイアント】と他の種族デッキが並ぶ中で【メカ】と【ジャイアント】はとりわけ他デッキと比べて最大火力や爆発力の面で後れを取る(1ターンの展開力という意味のほかに見栄えの意味を含みます)ように思えたのでこれらの種族から何とかキモいカードを探していた時、このカードと出会いました。
キモすぎるだろ
6コスト9000マッハファイターという比較的標準的なスペックを持ちながら特筆すべきはその最後の効果。バトルで相手を破壊する代わりにメクレイドします。これはバトルの勝敗に関係がないため相打ちによる破壊でも反応します。
当初こそ【無限掌】と組み合わせたコンボにより文字通り無限にメクレイドすることができる点を注目されYoutubeでも数本の動画を確認することができますが最新弾が更新されていくにつれ忘れられていく1枚になります。
実は筆者、デザイナーズ寄りのコンセプトデッキである種族デッキ、とりわけ種族間シナジーが固い【ジャイアント】を嫌厭していた節があったのですがあるタイプのカードだけは新規が出るたびに注視していました。
それは『ジャイアント種族名称を持ったバトル呪文』。例として以下のカードを挙げます。
『卓球の妖精』は上面こそシンプルな2コス11000の攻撃不能ガードマンですが下面のSトリガー呪文である『回転する開眼』はジャイアントスキルかつバトル効果を持っているため、『振舞の超人』のメクレイドから使用することで『相手のクリーチャーがバトルにより破壊される時代わりにメクレイド8してその効果でバトルして破壊される時代わりにメクレイド8』というマトリョーシカのような連鎖が発生します。
こうして「デッキ内をこれらのバトルカードで埋め尽くせば振舞の超人で半永久的にメクレイドができるのでは…!?」の発想から生まれたのが【無限フルコースジャイアント】です。
ただ、当初の無限フルコースジャイアント(以後フルコースと略します)にはいくつかの問題点がありました。
このデッキ終わってるぞ!!!!?????
問題点を大別するとおおよそ以下の点に分けることができます。
①メクレイドが常に1:1交換であるため目当てのカードを探すことしかできないこと。
②デッキの大半を占めるバトル呪文はその多くがツインパクトであるにもかかわらず上面クリーチャーのカードパワーが著しく低くメクレイド時以外にはノイズになりうること。
③デッキを回転させる手段こそあるもののフィニッシュ方法に乏しくループっぽい事をしているのに勝利方法がしょぼいこと。
つまり、『全て』です。
とはいえ振舞の超人の初出は『忍邪乱舞』。その時よりはジャイアントのカードプールもバトル呪文の質も上がっており①や②は解決していくこととなります。その中で優秀な強化となったカードを挙げていきますのでリストを想像しながら見ていってください。
〈弓道の妖精/ド級の弩弓〉
『弓道の妖精』は革命チェンジにより各種種族により強固な強化が入った『魔覇革命』の新規カードです。
上面は相変わらず5コストのほぼほぼバニラですが下面のバトル呪文に1ドローが入ったのが本当に偉い!!!何もない時に使用して1ドローしサーチ手段の乏しい『振舞の超人』を探しに行くことができるカードとして今のフルコースに4投必須のカードとなっています。
〈舞頭の超人〉
同じく『魔覇革命』より。
初の!!!ジャイアントメクレイドから出てくる2回バトル!!!!それがこのフルコースというデッキにおいていかに強い事か!メクレイドのラインを増やしていくことで実質的な多面展開へと繋がり面の数を着実に増やしていくことが可能になったのです。
このフルコースというデッキは『舞頭の超人』を得て初めてデッキらしい形になったともいえるかもしれません。
また、トリガーが付いているのも高評価ポイント。現環境は小型にスレイヤー持ちや4000ラインが多いため1バトルで終わってしまうこともしばしばですがそれでもかなり信頼できる一枚です。
新弾『デーモン・オブ・ハイパームーン』での新規カード
ここからは新弾である『デーモン・オブ・ハイパームーン』から新しく強化の入ったカードになります。この弾では魔覇革命よろしく優秀なカードを2枚も貰えたためより一層デッキの形をブラッシュアップしていくこととなります。
〈巨進の超人〉
新規SRカードとして比較的早期から発表されていた巨進の超人は効果が目新しいものの明確な使用方法が発見されておらずXのTLでも多くのプレイヤーが上手く使えずにいるのを多く目撃していました。
筆者も当初このカードをジャイアントの枠の中で使おうとせずキリフダッシュやループなど所謂「悪用」する方向で考えていたため上手くデッキを作ることができずにいました。
それもその筈、このカードは「悪用」しようとすると著しくカードパワーが下がるように設計されています。
現代のスピード感ある環境だとループパーツとしての4コストは重く、このカードを出しながらループスタートパーツとなるもう一枚を召喚によって出すのは至難の業。と言って前のターンに設置して置いて次のターンから指導しようとすれば何をしようとしているかがバレバレであるため簡単に出鼻をくじかれてしまいます。キリフダッシュなどについても同様で、巨進への依存度を高めれば高めるほどこの4コストが重くのしかかってきます。
ただ、【ジャイアント】の枠組みで使うとどうでしょう。ことフルコースには2→4→6の動きを目指すルートができており4コストブーストとして巨進の超人を使用すれば6コスト時の上振れを狙いながら相手の3tを巨進の除去に充てさせるという戦略性も生まれてきます。
とりわけメクレイドギミックとはデザイナーズであることが暗に呈されているようにすこぶる相性がよくメクレイドで出した『舞頭の超人』をマナからも生やすことで4ラインメクレイドを増やすことが可能になっています。フルコースは山札から出力していくデッキであるため手札のカードは『輝跡の大地』を使用するほかではマナプレイ以外で使用することができなかったのですがこのカードの登場により容易にアクセスできるようになりました。
〈範丸の超人〉
新規で頂いたカードにはフィニッシャーとして期待できるカードもありました。
『範丸の超人』はメクレイド8から出せるカードとして高い出力を誇っており横展開を続けていくこのデッキとも非常に相性がいいカードになっています。
自分の面の数だけ相手クリーチャーと範丸の超人をバトルさせ勝った数だけ相手のシールドをブレイクします。
メクレイド展開ができている時点で相手面が1体は存在しているはずなので1枚ブレイクは確定しており自身もQブレイカーを有しているため事実上のワールドブレイカーとして運用することが可能です。
今までのフィニッシュ方法として『超球の超人』+『首領竜 ゴルファンタジスタ』+『焼菓子の超人』+『Dis ノメノン』を揃えてビートで勝つという構図がありましたが面に触り辛く(バトルしていくデッキで面に触れないのもおかしな話だが振舞がバトルに勝っても相手を破壊できない都合上そうなってしまう)一気に面を叩けるこのカードはデッキの自由度を上げてくれています。
それでは次からはリストの解説へと移りましょう。
リスト(2024 / 4 / 25 現在)
現状のリストは以下の通りです。
メインのルートは非常にシンプルで2→4→6フルコースを目指してもらったらいいです。この2→4ルートなのですが以下の点に気を付けてください。
ビート対面には生き物でのマナジャンプ
単純な話、トリガーがバトルに寄っているので踏めば6000火力、5000火力となり得ます。本当に何もすることがない時は卓球を上で出したりします。
面を取り過ぎない
各種バトル呪文で主にアシスターサイネリアと相手の小型をバトルさせることができますが除去は最低限のメタクリだけにとどめ振舞のバトル先を残しておきましょう
マナに大型を逃がす
『巨進の超人』加入前までは選択が分かれるプレイだったのですが『舞頭の超人』など複数枚投入しているクリーチャーに関しては問答無用でマナに埋めてよくなりました。『輝跡の大地』の枚数を増やしていることもあり比較的触りやすいです。
結局問題点は滅茶苦茶ある
というように今回の嘘デッキ『無限フルコースジャイアント』を紹介していきましたが実はあるとても大きな問題点を話さずにここまで書き続けてきました。
それは『バトル先を出してこない相手には展開ができない』こと―――。
当たり前の話ではありますがバトル破壊を置換してスタートするデッキなのでバトルが発生しなければ展開すらままなりません。特に【水闇自然グラスパー】や【巨大フィオナアカシック】などはバトル先となるクリーチャーが出ないもしくは出るターンに勝負を決められてしまうため殆ど戦いになりません。
また、裁定の問題も深刻です。
『振舞の超人』は「バトルによる破壊を展開に置換する」という前代未聞の置換処理を行うため以下の状況に置いての挙動が曖昧で公認ジャッジからも暫定の回答のみが得られている状況です。
〈振舞の超人〉とパワー9000のクリーチャーがバトルを行った場合
現環境だと『邪幽 ジャガイスト』などがこれに該当します。
バトルによる破壊は『状況起因処理』といって『バトルに負けた→破壊する』という直前のイベントを参照した処理が行われます(703.4d)。
この処理はカードの効果処理よりも優先して行われ、アクティブ・非アクティブの順番がありません。
つまり、相打ちにより両者がバトルに敗北すると両者が状況起因処理により同時に墓地に送られる処理が発生するのですがこれを『振舞の超人』はカードの使用に置換します。
一見何の問題もなさそうな処理ですがここで一つの問題が発生します。
『振舞の超人』の置換効果でバトル呪文を唱えた時、『振舞の超人』はバトルゾーンに存在しているのか?????
これの是非によりここで撃ったバトル呪文で『振舞の超人』を選択できるかが決まってしまうためこのデッキにとってはかなり大きな問題となり得ます。
また、これの極めつけとして以下の問題が挙げられます。
〈振舞の超人〉と〈振舞の超人〉バトルを行った場合がバトルを行った場合
帰れよ!!!!!!!!!!!!!!!!
どっちが先にカードを使用するのか?????どういう処理を行うのか?????先にカードを使用する方が相手の『振舞の超人』を除去したら????
本当に終わってます。
今回の嘘デッキ紹介はこのような問題を残して終了したいと思います。いつか偉いひとが解決してくれるのを望みます。
では。