「産後2週間で仕事復帰は正直辛かった」経営者夫婦、仕事と育児両立のコツは?
働くママパパに、子育てと仕事の両立や家事のライフハックについて聞いていく、「#働くママパパのライフハック」
第3回は、女性起業家として活躍する傍ら、0歳児の育児に奮闘中の、ポジウィル株式会社代表の金井芽衣さん(@meiem326)に来ていただきました!
などなど、経営者の育児事情について本音で語っていただきました。
プロフィール
ーまずは金井さん夫婦やお子さんについて教えてください
私は社長で、夫はIT企業の役員をしています。
2023年8月に出産をしたため、現在子どもは5か月です。生後3か月から保育園に通わせています。
ー夫婦ともに経営に関わる仕事。かなり忙しいと思いますが実家は近いですか?
両実家とも遠いんですよね...笑
頼れる親戚などは近くにいないため、基本は夫婦2人で育児をしています!
メンタルには自信がある私が産後クライシスになりかけた
ー産後の話から聞きたいのですが、心身共にしんどかったとツイートされていましたよね?
そう、本当にしんどかったんです...
まず、出産時に2Lくらい出血してしまい1日中ベッドから動くなといわれ、輸血ギリギリの状態でした。退院後も寝れない日々が続き、自然と涙が出てきたのを覚えています。
夫は出産前から育児について学んでくれており、1か月くらい育休をとってくれて、育児も家事もしっかりやってくれてすごくありがたかったです。
ただその反面、なんでも完璧にできる夫と比較して辛くなっていく自分もいました。
「哺乳瓶はこうやって持った方がいいよ」
「沐浴はこうするんだよ」
夫はなにも悪気がなく、育児について学んだことを私に伝えてくれていたのですが、育児も家事もうまくできていない私にとってはその言葉さえも辛くて...
出産後「私の役目は何なんだろう?」という気分になりましたね。
寝れていなかったせいで本当に精神的に辛かったんですよね。そこから食欲もなくなり、2週間で10kgくらい痩せてしまいました。
ー寝不足は本当に辛いですよね。どうやって持ち直したのですか?
ひとりの時間をつくることを意識しました。
ずっと赤ちゃんと一緒だとどうしても睡眠時間の確保が難しいので、物理的に距離を置いてしっかり睡眠をとろう、と。
そうだ、港区の産後ケアホテルに泊まろう!と思って「明日、泊まれるかな?」と調べてみたら、1か月後しか空いてなくて絶望しました。笑
こういう施設って空いてそうじゃないですか?意外と埋まってるので、産後すぐに予約することをおすすめします。
その後、普通のホテルに一人で泊まったり、区の産後ケア施設に泊まったりと、ひとりの時間を作れたことで睡眠がとれて徐々に元気になっていきました!
また、(本当はあまり身体によくないかもしれないのですが)産後1か月くらいから骨盤矯正やピラティスも再開しました。
食欲も徐々に復活して、体重も戻ってきました。食べる、寝る、運動するって本当に大事だな...と心から思わされました。
産後2週間で仕事復帰。正直、本当はもっと休みたかった。
ー産後2週間で仕事に復帰されたとのことですが、迷いや葛藤などはなかったですか?
もちろん葛藤はありましたよ!笑
本音を言うと、もう少し休みたかったです。
産後2週間なんて、まだまだ精神的に辛い時期だったので「もう少し休みたいな。復帰したくない。」と思っていました。
とはいえ社外の方との約束があり、産後2週間で出社する予定があったため、それを機に仕事に復帰してしまった感じでした。(笑)
会社の規模にもよると思いますが、経営者の中には公私の境目がなくて、産休すらしっかりとれない人もまだまだいます。そこは課題だなと思いました。
夫婦とも在宅で仕事をしていたので、ミーティングの時間が被らないように調整して、ミーテイングじゃない方が子どもをみながら仕事をするという分担でした。
それでもミーティングがかぶってしまったら、私の部屋の電動ハイチェアに乗せて泣かないようあやしつつ、どうにか仕事をしていました。笑
ー仕事を再開して大変なことも多かったと思いますが、気持ちが楽になったともツイートされていましたよね
そうですね。私的には仕事より育児の方が大変だなと思うんです。
仕事は課題があってそれをやりきればミッションを達成できるので簡単だなと思うのですが、育児は思い通りにいかないし命がかかってるし、何が起こるかわからない。
育児だけをやっていると本当に気が張り詰めるのですが、仕事を再開したことでストレスがうまく分散できているなと思いました。
小児科で「なんでお母さん、仕事復帰してるの?」と怒られたことも
ーその後、保育園に預けられていますよね。
はい、生後3か月から保育園に預けることにしました。
保育園には最短でも「生後57日(生後2か月)」が経過していないと預けることができないという決まりがあり、その最短で預けましたね。
約2か月間、夫婦で在宅勤務をしながら育児をしていたのですが「育児しながら在宅勤務なんて無理だ!」となって保育園に預けました。
ー保育園に預けることに対して葛藤などはありましたか?
はい。こんなに小さい子を預けていいのか?という葛藤はありました。
入園後、子どもが風邪をひいてしまったため小児科を受診したのですが、そこで女医さんに「なんでこんな月齢の子が熱を出してるの?お母さんはなんで仕事復帰してるの?」と10分くらい怒られたんです。
そういう風に言われて確かにそうだよなとおもいましたし、子どもにも申し訳ないなという気持ちにもなりました。
ーただ、保育園っていい面もたくさんありますよね!
そうなんですよ。今では、保育園に預けて良かった!と思っています。
子どもは保育士の先生方にすごくかわいがってもらっていて、とても楽しそうに通っています。私が家で仕事をしながら育児するより断然いい環境だと思っています。
子どもからしても1日中育児してくれているけど、イライラしているお母さんとは一緒にいたくないですよね。
15年前の短大時代に保育について学んでいた時に「ずっと家にいてノイローゼになるくらいだったら、保育園に通わせた方がいい」と習ったのですが、本当にその通りだと実感しています!
ー保育園ではおむつのサブスク「手ぶら登園」も利用してくださっているみたいですね!
逆に利用しない選択肢ってあるの?と思いました。笑
第一子ですし、初めての保育園なので過去におむつやおしりふきの記名や持ち込みを経験したことはありません。ただ、おむつの準備に手間をかけるという選択肢は私の中に最初からなかったです!
だって...おむつ1枚1枚に記名するって、めんどくさすぎませんか!?
個人的には、本当にやめた方がいいと思います。笑
もちろん自分でネットで購入して持ち込みした方が安いとは思うのですが、数百円しか変わらないので、すぐ利用しようと思いましたね。
親になって自分の時間をつくることが難しくなった今、お金より時間の大事さを痛感しています。
経営者同士のバリキャリ夫婦。仕事と育児の子育てのコツは?
ー夫婦ともにバリバリ働いている中で、育児と仕事の両立で大変なことはありますか?
お互い、夜の会食が多いことですかね。
2人とも仕事柄、採用やお付き合いなどで夜に会食が入ることが多いんです。
そのため、カチッと育児や家事の役割は決めずに、やれる方がやるというスタンスで夫と協力しながら育児をしています。
私たち夫婦は夜中子どもの対応する係のことを「夜勤」と呼んでいますが、こちらを日替わりで対応しています。
例えば、夫が会食で夜の帰りが遅くなった時は、私が自然と夜勤担当をしています。昨日も私が夜勤担当で、夜中の3時まで一緒に起きていました。
そういう時は、夫が察して早起きをしてくれて、朝保育園に送り迎えをする担当を引き受けてくれるので助かっていますね。
保育園の送り迎えの担当も決めておらず、できるほうがやるというルールで運用しているため、うまくいっているのかなと思います。
会食などの予定に関してはGoogleカレンダーで共有しており、なるべく被らないようにしていますが、どうしても被ってしまうこともあります。
ー夫婦ともに会食がある時、誰に頼っていますか?
そういうときはシッターさんに頼っています!
いつも元気なギャルのシッターさんに子どもを預けています。笑
生後2か月から同じ方にお願いしているので、もう安心して預けられるんですよね。
頻度としては2週間に1度くらいは利用している状況です。夫婦だけでできることには限界があるので、本当にさまざまな人たちのおかげで仕事ができているんだな...と痛感しています。
私の中で、仕事と育児を両立するコツは、
この3つですかね!
私たち夫婦は、経営会議とおなじように家族会議をやっています。家事育児の分担について、お互いの不満やいいところなどを話します。議事録も書いてGoogleドライブに保存しています。笑
どんなに仕事が忙しくても、お互いコミュニケーションをとることを大事にしています。
また、いつも柔軟に対応してくれる夫には本当に感謝しています。
ーでは最後に、仕事と育児の両立に悩んでいる女性に一言お願いします!
もう十分、女性は頑張っていると思います!
私の経験から、仕事と育児の両立に悩んでいる女性の場合、ママ側よりもパパ側に課題があることも多いんじゃないかと感じています。
私自身出産して、いまだに女性が仕事を調整し、育児も家事もやるべきだという固定概念が残っているなと実感しました。
だから女性側にもっと頑張れ!とは思わず、男性側のマインドセットを変えるしかないのでは?と思っています。
男性も育児や家事にしっかり参加し、女性がライフイベントを迎えても仕事の両立ができる世界になるといいなと思っています!
ー金井さん、ありがとうございました!
編集後記(ぴろり)
取材をする前は、金井さんは経営者だしメンタルも強そうだし「産後の悩みは特になかったのかな?」「産後の仕事復帰に対して悩みも無く、前向きに復帰されたのかな?」と思っていました。
ただお話を聞いていく中で、産後心身ともに大変だったことや、仕事復帰前や保育園入園時に私たちと同じように「もっと休みたかった、子どもに申し訳ない気持ちはあった」とおっしゃっていました。
経営者も一般社員も、同じような悩みを抱えているんだなと、ほっとしたような気持ちになったのを覚えています。
個人的には金井さんが利用された産後ケアホテルがとてもいいなと思ったので、産後なかなか寝れていないママやパパにぜひ行ってみてほしいなと思いました!
金井さん、お忙しい中ありがとうございました。
さいごに
取材を受けてくれる時短オタクなワーママ、ワーパパがいたらぜひTwitterのDMよりご連絡くださいね。私が直接取材させていただきます!
ではまた次の記事でお会いしましょう~!