子育てに寛容じゃない日本を変えたい。保育園を”孤育て”から救う場所へ。
こんにちは!
BABY JOB株式会社の代表をしています、上野公嗣(うえのこうじ)です。
私たちは「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」というビジョンの実現に向けて、保育園向けのおむつのサブスク「手ぶら登園」や保育園を探せるサイト「えんさがそっ♪」を運営しています。
前回のnoteでは、サービスの立ち上げ期の無名で誰からも振り向いてもらえなかった頃からどのようにして保護者の方にサービスを利用していただけるようになったのか、その経緯や苦悩をお話しました。
今回は、なぜ私がここまで「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」を実現したいのか、また今後具体的にどんなことにチャレンジしていきたいのかを書いていきたいと思います。
私のnoteの連載も今回でラストです。
今回のnoteのアイキャッチ写真は、私の愛する子どもたちの写真を使ってみました!父として、経営者として、子育てに対する想いをつづりました。
特に下記に当てはまる方に読んでもらい、私の想いが伝わると嬉しいです。
3つ子次男の「虐待死」で孤育ては他人事ではないと感じた
今後のビジョンを語る前に、なぜ私がここまで「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」を実現したいのかを書いていきます。
私の心を大きく動かしたのは、2018年に起きた、3つ子の母親が生後11か月の次男を床にたたきつけて死なせてしまった事件です。
赤ちゃんを床にたたきつけ亡くならせてしまったことは決して許されるものではありませんが、双子や3つ子の「多胎家庭」の子育ての過酷さが世に知れ渡った事件となりました。
詳しくは、こちらの記事がわかりやすいと思います。
私はこの事件を見たとき、子育ての過酷な状況に衝撃を受けたのと同時に、誰もがこういう状況になりうるし、全く他人事ではないと強く感じました。
100人の妊婦のうち1人は双子や3つ子を出産していますし、「多胎家庭」は、排卵誘発剤の活用や体外受精といった不妊治療の普及で、1980年代以降、増えたと考えられています。(※1)
※1 厚生労働省 多胎育児家庭の虐待リスクと家庭訪問型支援の効果等に関する調査研究
誰もが「多胎家庭」の保護者になる可能性があります。1時間睡眠の中、育児も家事もしなければいけないとなったら、きっと誰もが正常な自分を保てなくなると思います。
この事件も社会が気づいてあげられるタイミングは何度もあったのに、気づかないふりをしつづけた結果起こりました。もし3つ子が保育園に入れていれば、この事件は防げたかもしれないとも思います。
ただ、このように育児で大変な想いをしている人たちは社会から断絶されており、保活をする気力もないのが実態だと思います。このような悲しい事件を二度と起きないようにするためにも、育児が辛いと思っている人たちをほったらかしにせず、手を伸ばせる社会にしていく必要があると感じました。
日本は子育てに寛容ではない
では現状日本の社会はどうなのか?
私は、現状の日本は子育てがしづらいし、子育てに寛容ではない国だと思っています。
実際出産したお母さんたちが「子どもができてから謝ってばかりなんです」と悲しそうに話しているのをよく聞きます。
子連れで出かけると、電車、バス、飲食店で子どもがぐずって泣いてしまい、周囲から白い目で見られる。そのたびに「すみません」と頭を下げて謝るお母さんたちを皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
また、私自身の実体験もあります。
全国に保育園を運営していた時代、新しい保育園を立ち上げるためにテナント探しをしていた時でした。なかなかいいテナントがなく、物件探しが難航していた時、やっと良さげな物件を見つけたんです。
1階がおしゃれなカフェで、2階が空き物件でした。
そこに保育園を作ろうと思ったのですが、1階のカフェのオーナーから「申し訳ないけど、子どもの泣き声が聞こえるとうちのカフェのコンセプトに合わなくなるからやめてほしい」と言われたんです。
その後オーナーに交渉するために、何度もそのカフェにランチをしに行ってお願いを重ねたのですが、結果的にはお断りされてしまい保育園を作ることはできませんでした。
一方でフィリピンを訪れたときに、子どもがあちこちにいて地域全体・社会全体で子育てしている様子を見ました。
子どもが泣いていても誰もうるさいとは言わず、親以外の人が子どもをあやしている。そしてお母さんは育児中でもキャリアの足かせにならない環境が作られており、中堅企業の経営幹部の約半数が女性だという現実を知りました。対して日本の経営幹部における女性登用率はたった16%です。(※2)
※2 世界28カ国の中堅企業の経営幹部における女性登用率 過去10年間での改善は限定的
このような日本や他国の現状をみて、社会全体がもっと子育てに対して寛容であってほしいし、みんなで子育てをしているんだ!という気持ちになれば、すべての人が子育てがしやすい環境が作れると思ったんです。
とはいえ、現実的に考えて地域全体で子育てを支えていくのは難しいんですよね。
親戚や近所で支えあって子育てをしていた昔と違って、今は核家族社会。おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に暮らしている家族も少ないため、多くの親が近くに気軽に助けを呼べるような人がいないのではないでしょうか。
すべての人の子育てを支えるにはどうしたらいいんだろうと考えたときに、一番最適なのが保育園なのではないか!と思ったんです。
保育園が孤育てを救う解決策かもしれない
全国に40,000件程度ある保育園が地域に開かれる場所となって、子育てに悩んでいる人たちの課題を解決する機能が持てれば日本全体の子育ては楽しくなる。そう考えました。
令和5年の0歳児の保育所等を利用している児童の割合は17%、つまり子どもを預けていない保護者は83%ということになります(※3)。
※3 「保育所等関連状況取りまとめ(令和5年4月1日)」を公表します
ではその83%の保護者が全員幸せに育児ができているかというとそうではない保護者も多くいると思います。
令和5年9月に厚労省から発表された「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第19次報告)」によれば、年齢別の死亡事例では0歳児が24人(48%)と最も多いです。(※4)
保育園に預けていないことが原因で、保護者が辛くなり子どもにあたってしまう事件を二度と起こさないためにも、私は保育園に子どもを預けるハードルを下げることが大事だと考えています。
そこで2022年に新しく始めたのは、子どもを保育園に預けるためには必ず発生する「保活」のサポートです。保活は煩雑かつ非常にアナログな作業なので、子育てしながら同時進行で行うのはとても大変です。スマホで簡単に保活を行えるサイトとして「えんさがそっ♪」というサービスを始めています。
また「手ぶら登園」も保育園に預けるハードルをさげるための取り組みの1つとも言えます。保育園に入ることで新たに発生するタスク「おむつの名前書き、持ち込み」を無くして、保護者のゆとりを作りたいと考えています。
「手ぶら登園」ではおむつやおしりふきだけでなく、お食事エプロン、手口ふき、コットカバー(お布団)などもサブスクができるようになりましたが、それでも保護者にとっては朝の15分ほどの時短にしかつながっていないと思っています。
今後は1時間のゆとりをお届けできるように他の課題も解決していきたいと思っています。
保育園に通わせる保護者の保育園内での課題を解決できたら、保育園外の課題も解決していきたいです。
家庭内での家事・育児・介護などお金が発生しない労働を「無償労働」と言いますが、いま日本では女性の負担割合が、男性の5倍以上もある(※5)のが実態です。
※5 コラム1 生活時間の国際比較 | 内閣府男女共同参画局
この無償労働をなくしていくためにも、夕食の準備や、習い事の送迎など地域で助け合えるようなサービスを考え中です。
最終的にはビジョンである「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」を実現したいため、保育園に通う保護者だけではなく、ゆくゆくは「小1の壁」の課題など、小学校に子どもを通わせる保護者の課題も解決していきたいと考えています。
最後に
ここまでnoteを読んでくださりありがとうございました。
今行っている事業は「おむつの名前書きをなくす」や「保育園が探しづらい状況を探しやすくする」など、子育てにまつわるネガティブなことを無くしていっているような状況です。
今後は子育てに関するポジティブな事業も行っていきたいと考えており、「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」を実現していきたいと本気で思っています。
今回の3つのnoteを通して、子育て世帯に対する私の本気度が皆様に伝わっていると嬉しいです。
すこしでも良いなと思っていただいた方、社会全体で子育てを支える世の中になってほしいと思っていただいた方はぜひSNSでのシェアをいただけると大変うれしいです。
また、BABY JOBで働くことに興味が沸いた方がいらっしゃれば、以下の採用サイトを覗いてみてもらえると嬉しいです!働いている約5割がママパパで、リモートワークやフレックスタイム制など働きやすい環境です。
・手ぶら登園サービスサイト
・えんさがそっ♪サービスサイト
・取材依頼はこちらまでお願いします
最後までお読みいただき、ありがとうございました!