うちのエライザ
朝から至極どうでもいい話。
30分ほどいろいろなエピソードをしたためたものの全て消した。
保存もしなかった。
相方のことを誰かに話すときは〝うちのやつ〟と呼んでいる。
本人に会ったこともない友だちは〝やつこさん〟といい、又聞きした友だちは〝やすこさん〟というので誰の話をしているのだろうと思っていた。
いつしか〝彼女の名前は内野靖子さん〟ということになっていたらしい。
そもそも相方のことをわざわざ話すこともないのだが聞かれたときに「うちのやつだよ」と答える程度だった。
きっかけは〝うちのやつ〟本人が「変な虫がつきそうなときは〝うちのやつ〟がいるからと断ってね」と言ったことに始まる。
「うちのやつでいいの?」
「いいよ」
それ以来、誰かに聞かれたときは〝うちのやつ〟と言っている。
しばらく前に古い年輩の友だちが「誰かに似てるんだよな」と言った。
「上白石萌音って子に似てるかなあ」※
「うわーそれじゃ可哀想だよ」と魚屋の女将さんが言った。
(※女将さんが録画機器に疎く、ドラマの録画を頼まれ名前を覚えた)
SNS等に〝うちのやつ〟と書くのは小っ恥ずかしいので〝相方〟と記載していたが友人が〝やつこさん〟〝靖子さん〟というので段々とややこしくなってきた。
本当の名前を呼ばれるときにふたりとも似ているので二人で振り返ってしまう。
例えば「ひろし」「ひろこ」なら「ひろちゃん」だし、「じゅん」「じゅんこ」なら「じゅんちゃん」のように。
閑話休題
半年ほど前にNetflixを(プランなどあれこれ相談され)契約したご近所の呑み友だちでもある年輩の新婚さんが本年度に職務を勇退したが、いまではすっかり配信映画ドラマ厨になってしまい、「あれ観た?面白いよ」と新作を教えてくれる。同時に劇場公開された話題作のほとんどを観に行くひとだ。
その彼が先日「Netflixの『地面師たち』観た?」と尋ねてきた。
「話題になってますねー。まだ観てないです」(←もう観ました)
「池田エライザが出てるよ」
「池田……誰ですか?」
「ほらWOWOWの『ドロンジョ』に出てた子」
「あー!覚えてます」
「似てるよね」
「誰にです?」
「池田エライザってKP61さんの……って女房と観てたら言ってたよ」
「そうなんですか?」
「そうなんですかじゃなくて観てみなよ、似てるから」
「へー」
確かに左斜めからみるとよく似てると思い本人に話した。
「池田エライザさんに似てるって言われたんだ。そういえば似てるよね」
「あー時々言われる」
「そっかあ」
「最近の女優に興味ないと思って言わなかった」
「おかげで名前を覚たよ」
「そうだよねー。映画好きなのに名前を知らないことが多いから」
「うむ。じゃあ今度から〝うちのやつ〟改め〝うちのエライザ〟と言おう」
「あはは。好きにして」
「ネットに〝うちのやつ〟と書くのは気持ち的に憚れていたけど〝うちのエライザ〟なら何だか楽しい」
以上、今朝のどうでもいい話。