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母を失くした三匹の猫
相方の近所にある病院の駐車場で職員たちが餌を与えるので猫が集まる。
そして道路を渡った林や民家の隙間でお産をする。
母猫は病院の駐車場まで食事を摂りに行く。
戻る際に車に跳ねられてしまった。
これで何匹目だろう。
病院に「道路を渡るので餌を与えないでください」と何度か申し入れしたが病院職員の誰かが「かわいい」「かわいそう」で餌を与えてしまうようだ。
数日前、新参の母猫がまた跳ねられ息絶えていた。
見つけた相方が埋めた。庭の隣の林の中にいた子猫を引き取った。
これで4回目。
今回は埋めるときの写真を添付して「もう二度と餌を与えないでください。毎回こんな状態で埋めています」と一筆入れて窓口に渡してきたという。
お盆の時期も重なってか、普段はあまり入らない納屋に行くと子猫の鳴き声がする。昨日埋めた猫の子かも知れない。ここに雨宿りに来てたのは見かけたことがある。
親を失くした猫を飼ってることもあり、ゲージに入れて家で餌を与えた。
昨日になり「あゝ二匹じゃなかったんだ。まだいた」と三匹の猫が増えた。
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ある家族からの申し出で一匹を引き取っていただくことになった。
盆明けに病院へ連れて行ってから渡すそうだ。
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飼うでもなく、日常で「ご飯のある場所」を覚えた猫はそこへ行くだろう。
何度も跳ねられた猫を埋めた相方のため息もよく理解しているつもりだ。
例えが違うが、三浦綾子さんの『続・氷点』の中で「包帯をまいてやれないのなら、他人の傷に触れてはならない」の一節が浮かんだ。
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