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ファニア歌いなさい

原題:Playing for Time
英題:Playing for Time
時間:150分
監督:ダニエル・マン/ジョセフ・サージェント
製作国:アメリカ🇺🇸
言語:英語/ドイツ語/フランス語
原作:ファニア・フェヌロン
VHS:VTG-90 (
1985/01/26発売)

東京12チャンネルからテレビ東京に変わった頃の木曜洋画劇場。
まだ十代だった。
何気に映画を観ようとテレビを点けた。木曜洋画劇場も終わりの時間のはずで、途中から観たこともあり「野球中継でもあったのかな?まだ終わらなそう」と観ていたがタイトルもその場限りで思い出すこともなかった。
ただ「アウシュビッツ収容所で坊主頭にされた女性が歌う映画」として記憶に残っていた。

時は流れインターネットが普及した2015年のある日、四国の当時は(後に借りパクされたので)友人だったひとから「ファニア歌いなさいのビデオは持ってるか?」とメールが届いた。
見聞きしたこともないタイトル……?
allcinemaで検索をした。

ダニエル・マン監督だ!

あらすじ

 1942年、パリのナイトクラブで歌っていた人気歌手ファニアは、父がユダヤ人であったため、ナチスに捕らえられアウシュビッツへと送られる。そこは想像を絶する苛酷な死の収容所であったが、音楽の才能を買われたファニアは囚人で構成された楽団へ入る事を認められる。その楽団は、マーラーの姪で楽団のリーダーを務める指揮者アルマの努力にも関わらず、素人編成の域を出ていなかった。だが、ファニアの加入によって楽団は少しずつ進歩し始める。やがて、生き抜くためには、処刑を免れるためには、ナチスの幹部連中の御機嫌を取り続けなければならないと考えるアルマと、自分のために歌うというファニアは度々衝突する。一方、ファニアの友人であるマリアンヌはドイツ人に肉体を売る事で飢えをしのいでいた。人間の尊厳を簡単に失わせる地獄のような日々が延々と続く中、ドイツ軍慰問の命を受けたアルマが釈放される事が決定した……。アウシュビッツの生存者、ファニア・フェネロンの手記を基に、A・ミラーが脚色、D・マンが演出したTVムービーの力作。淡々と、しかし力強いそのタッチと、張り詰められた緊張感の維持が素晴らしい。ファニアに扮したレッドグレーヴ、アルマに扮したアレクサンダー、共に圧倒的な存在感を見せ、その年のエミー賞に輝いている。

出典:allcinema

あれ?観たことがあるはず。
さらに調べると前述の通りにテレビ東京で放映されたことがあった。
どうやらサンリオからVHSビデオが発売されている。

あちこち探したが皆無だが、楽天市場にあったショップで23,000円。
Amazonで15,000円で見つけた。

……さすがに高いな。

とりあえず手が届く価格の米国版DVDを本家Amazonから取り寄せた。

ヴァネッサ・レッドグレーヴさんが主演で冒頭でも歌います。

んーやはり日本語字幕で観たい。

「これが観たかったんでしょ」とクリスマスが近くなった頃に〝うちのエライザ〟からVHSビデオをプレゼントされた。
Amazonを観ると商品がなくなっていた😭

タイトル画面

前置きが長くなった。
アウシュヴィッツに収容された女性たちがオーケストラを強制されたことによって奇跡的に生き残った女性音楽家ファニア・フェヌロンの手記が原作。
著者はパリ音楽院ピアノ科を卒業後、モンマルトのクラブでシャンソン歌手として働いていたそうです。

アウシュビッツ絡みの映画やドラマは数あるけれど、女性のオーケストラを中心とした作品は珍しいと思います。
本作では本人は「私はフランス人だ」と主張するも父親がユダヤ人であることから収容され、頭髪を丸刈りにされ、全てにおいて動物扱いをされていました。

ナチス女を糞味噌に話すユダヤ人に対してファニアはこう言います。
「あの女が悪いんじゃない。時代が悪いんだ」

殺されるか、生き残れるか。3人の女性に焦点を絞ろう。ファニア、ファニアを慕うマリアンヌ、指揮者アルマの3人がそれぞれ選択した行動や判断はアウシュビッツ収容所での状況に置かれている以上はどれも間違いではないと思うけれど、究極の選択をしなければならないときに自分はどうするか未だに判断がつかない。きっとそのときにならないと。でも正解は永遠に見つからないだろう。ただ言えるのは生き残れたことが一番正解じゃないだろうか。

Netflixで配信されたときは非常に驚きました。すぐに配信終了され、1か月後に再配信されたものの現在は配信終了したままです。

VHSジャケット裏面には「アーサー・ミラー原作」と掲載されていますが誤りですね。

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K P 6 1  (◀非クリエイター)
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