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能古島の片想い
小一時間前にうちのエライザから連絡があった
「大宮駅で九州フェアがやってるよ。ふくちゃんラーメンとかあるけど知ってるかな?」
「(あ……懐かしい) うん 食べに行ったことある」
「打ち合わせが終わったらラーメンをみてくる」
博多で最初の(一時的な)住まいは能古島が見下ろせる1Rマンションだった
井上陽水さんの歌『能古島の片思い』で憶えていた能古島だ
ついにここへ来たのか_____
そう思いながら近所の『一蘭』や『WEST』で夜な夜な食事を摂っていた
二週間も過ぎたころか
週末は近所に何があるかみてみようとぶらぶらと行くとあるある
『想夫恋』や『資さんうどん』に『リンガーハット』などなど……
リンガーハットは主に福岡市総合図書館映像ホール・シネラで映画を観た帰りに寄ることがあった
ちなみに福岡市総合図書館のビデオライブラリーはかなりエグいラインナップだったし、シネラでは未ソフト系の作品がてんこ盛りで映画祭が開催され、クソ暑い日もめっちゃ寒い日もずいぶんと通った
この映画愛は広島市映像文化ライブラリーへと引き継がれた
帰りは薬研堀で呑んだり『呉麺屋』で食べたり
https://gomenya.jp/
しかしチェーン店ではなく個人店が恋しくなり、名柄川の土手沿いにある見た目も店内も恐ろしいほど汚い店のメニュー「ラメーン」や「チャハーン」に惹かれ、しばらくあれこれと食べまくった
そして少しばかり天神へ回ると長浜ラーメンの店舗や屋台がいくらでもあった
そんなある日、『ふくちゃんラーメン』を見つけて寄った
その『ふくちゃんラーメン』が九州フェアで食べられるのか、或いは土産物なのかも知れないがともかく懐かしく思いメモがてらnoteに残した
まあいいか
井上陽水さんの『能古島の片想い』で〆
この歌を初めて聞いたのは小学生のころだ
図書室で能古島がどこにあるのか地図でずいぶんと探した
僕の胸は君でいっぱいでこわれそうだ
波の声で僕は眠れない 本当なんだ
大人になる前にいつか行ってみたいと思った
土曜日の放課後に残務整理をしていた女教師によく声をかけられ話をした
「君は古風な男の子だね」
その言葉だけを憶えている
ませた子どもだったのだろう
とにかく施設から脱走することばかり考えていた
実際に初めて脱走をしたのは5歳
初めてパトカーに乗せられたのもそのときだ
その後、小学6年になるまで脱走を繰り返した
(そのうち脱走の思い出でも書いておこう)
ときは過ぎ、やがて能古島をすっかり忘れていた
ついたときにはすでにおっさんの仲間になっていたけれども
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