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菅野よう子を見るためにMontreux Jazz Festival Japanに行ってきた

 Space Lion。
 菅野よう子が登場するや否や、観客左半分をジェスチャーで指差して、菅野よう子のカウントに合わせて4拍目に手拍子をさせる。
 それを継続させながら、右半分の観客を指して、2拍3連を叩くように促した。正直楽器をやっていない人に2拍3連は難易度が高いんじゃないかと思いながら、自分は左側の席だったので4拍目の手拍子だけをやっていた。案の定、菅野よう子の誘導が無くなったら右の客の2拍3連は消えて、全員が4拍目の手拍子になっていた。
 前日はチューニングを観客に歌わせていたらしく、彼女は観客を巻き込むのが好きで、音楽をただ聴くだけの他人事とせずに、何かしらの形で観客を参加者にする。

 Whats Planet Is This。
 ここでイントロが鳴った瞬間に観客が立ち出して驚いた。自分はライブは座って聞いていたい。というのも、左足で拍を踏んで、手でメロや楽器のリズムを叩くので、立ちながら聞くと右足に体重が偏って痛いし疲れるから。
 自分はこの曲はそれほど好きではないが、掛け声があるので定番曲となっている。

 Rush。
 曲順的に驚いた。というのもTankとRushは2曲1組なところがあって、Tankをやれば次にRushというお約束なので、珍しい曲順だと思った。もしかして2日目はTankやらない落ちなのかとも考えたが、流石にそれはなかった。

 Bad Dog No Biscuits。
最初、Too Good Too Badと勘違いして聞いていた。イントロからして違う曲なのだが、自分の中でごっちゃになっていた。

 Car24。
 菅野よう子の中では合間を埋めるジャズ曲の定番。テナーサックスの人がフルートに持ち替えていて、ちゃんと原曲の幅を維持していた。

 The Real Folk Blues。
 山根麻衣の登場。ウッドベースソロから始まり、原曲に無いジャズらしい高音でソロ的に動いていたので暫く何の曲かわからなかった。
 伴奏はベースとギターとパーカスだけで、以前にYoutubeで公開したアコースティック版に準拠した形。
 ジャズ的な演奏なので、山根麻衣もかなり譜面を無視したリズムで歌っていた。
 サビで観客にマイクを向けて「The Real Folk Blues 本当の…」まで観客に歌わせて、それを山根麻衣が引き継いで歌う掛け合いをしていた。

 I Do。
 前日の情報でやってる事は知っていて、Iraliaの名前もクレジットされていたが、Origaと同じで録音なのかと思ったら本人が生出演だった。
 歌い出しはちょっとブレていたが、段々と持ち直してVelveteenと2曲続けて歌う。
 伴奏は菅野よう子のピアノ一本。

 Kids On Slope。
 これも前日の情報で知っていたが、坂道のアポロンの曲。結構女性客がざわついてたのが面白かった。

 Ride On Technplogy。
 攻殻機動隊の繋ぎ曲。ライブ向けのドラムソロがあって原曲よりも長めに佐野康夫が激しく叩いていたが、その際に珍しくカメラがずっと佐野康夫を追っていて、多分、後ろの大画面に1番長く映っていたのではなかろうか。ソロが終わったあとに、演奏を煽っていた菅野よう子を指しして「こいつぅ」みたいな感じで笑ってたのが印象深い。

 Tank。
 菅野よう子が自分の胸に大きな四角を書いて、最初は観客も何の事かわからなかったが、菅野よう子が口をタンクと動かすと、Tankの歓声が上がっていた。
 ライブ版の編曲で、無伴奏の本田雅人のソロと、最後の締めソロ前のシンコペーション下りを1回じゃなく4回も繰り返して煽っていた。

 Green Bird。
 10人くらいの聖歌隊的な衣装を着たコーラス隊が現れて、それならやる曲はあれかなと思ったら案の定だった。
 コーラスとピアノのみだが。原曲は基本的にアルペジオだが、今回はジャズらしく、彼女がよくやる密集系の和音で、原曲は4/4拍子で8分のアルペジオをやってるだけだが、今回は和音で2拍3連をやったり、かなり遊んでいた。

 Inner Universe。
 2020人にオンラインのライブで披露したのと同じ、Origaの録音音源と、ピアノの根音ループリズムに合わせて菅野よう子がピアノを弾く編曲。
 前回のオンラインライブと違うのは、Green Birdで登場したコーラス隊が引き続き参加している。

 Blue。
 菅野よう子のピアノから始まった原曲のイントロコーラスとは全く違う動きをしていて、最初は何の曲を始めるかわからなかったが、山根麻衣が1番を歌う前の慣らしで歌詞を歌い始めたので、それでわかった。
 最後、サビのNo Black And White In The Blueを歌い終わった後のコーラスが、伴奏に埋もれて全く聞こえなかった。
 最後の歌詞、Im AscendingのところをWe Are All Ascendingと歌っていて、ほろっとした。

 演奏後の挨拶して、退場前に山根麻衣とIraliaが抱き合ったり、Iraliaが何か一生懸命に佐野康夫に話しかけていて彼がうんうん頷いていたのが良かった。
 自分は割とフランクな本田雅人しか知らなかったので、サングラスをかけてきめきめな姿が妙におかしかった。

 菅野よう子がインフルエンザで欠席したフライングドッグの会場は、演奏してる姿と聞こえてくる音に時差があって、半拍ぐらいずれて気持ち悪くて自分は途中で帰ってしまったが、今回のぴあアリーナMMはそんな事もなく、低音も効いていて実に快適だった。
 Inner Universeのピアノ根音ループだけ高音がきつくて耳が痛かったが、それくらいでPA的にもほとんど不満がなく楽しめた。

 演奏前のアナウンスで、録画や録音を禁止するお知らせの時に「テープレコーダー」と言っていて、今の人に通じるんかと思い笑ってしまった。それともジャズフェスは年齢層が高いからICよりもテープが通じるという判断だったのだろうか。

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