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大千穐楽から今日まで

少しずつですが
季節は進んでいって。
ヴァグラント千穐楽から半月が経ち。
役者さん達は、もう次の作品のお稽古や、既に
本番の舞台をこなしていらっしゃる方も。
飲み込みの早さと切り替えと‥。
役者さんって凄い。

今回のような視点で、ミュージカルや演者さんの
事を深く考えた経験はありませんでした。

改めて、パンフレット記載の経歴や、御発言を拝読する事で、なるほど、だから、皆さん、これだけの演技が可能だったのだな‥。と実感しております。

ちなみに、パンフレットは電子書籍化が
決定しております。


私のような若輩者が存じ上げない時代から、既に芸能の世界に身を置き、活躍なさっている、宮川さんや大堀さん。
そして、チサ役を務めた御三方まで‥。
幅広い世代の出演者の皆様が、力強く積み上げた
作品だったなと、心から思います。

今までとは全く異なるアングルからの様々な考察ができました。
晴一さんの視点やユーモア。当たり前ですが、私が到底持ち合わせていないものばかり。

多くのヒントも頂けましたし、私事ですが
仕事も軌道に乗っています。
新しい切り口で、熱のこもった文章が書けるようになってきて、手応えを感じております。

大月さゆさんが、千穐楽を終えた感情を綴っていらっしゃいました。きっと他の役者さんも、名残惜しさや寂しさ、懐かしむ気持ち‥。
きっと心の中にあると思います。
そのような中で、次の舞台にも心血を注いでいく。とてつもなくエネルギーとパワーを必要と
する職業だと思います。

以前、書かせていただいた
🍀「Show Must Go On」🍀
役者の皆様の生き様について、考えさせられる事が多々ありました。

東京公演での思わぬ事態。
30日には、無事に再び幕があがりました。

ショービジネスの鉄則と厳しさ。その覚悟を強く持てなければ、この世界では生き残れない。
いかなる時も、本番というその時に、きっちりと全てを合わせてくる。プロ意識の高さ。
私達、観客の前では、血の滲むようなお稽古の辛さや大変さは微塵も見せない。

最終形の、一番美しい状態のものを見せてくださる。カフェイレ📻☕️での、遠山さんの
「大変な事もあるけれど、この仕事をやっていて良かったと思う」
というお言葉に、全てが滲み出ているなと感じました。


🍀「人生は近くで見れば悲劇だが 
   遠くから見れば喜劇である」🍀
開幕前の、音楽情報誌のインタビューで、廣野さんが触れていた言葉。喜劇王、チャップリンの言葉です。
廣野さんは、お仕事に向き合う姿勢や人生観の
ようなものを述べる際に、この名言を挙げており、『ヴァグラント』に直接結び付けてはいらっしゃいませんでした。
ただ、私は、ずっとこの言葉を胸に留めておりました。

この有名な名言、本来は、その時は悲劇だと感じても、時が過ぎて振り返ると、それも喜劇として受けとめる事ができる、というニュアンスで解釈されているようですが。

調べてみると、当の本人にとっては深刻極まりない悲劇でも、他人から俯瞰の立場で見ると喜劇に感じられる‥という意味合いの見解もありました。

この言葉を、時代背景、に置きかえてみると。

100年前の大正時代。令和から覗いた当時の世界は
ファンタジー、と晴一さんはインタビューで発言なさっていて。

炭鉱の厳しい環境の中で生き抜こうとする人々の時代を喜劇と例えるのは、余りにも失礼なので、喜劇ではなく、転じて「ドラマ」‥と解釈すると。

懸命に生きる人々の暮らし。
その厳しい状況を、舞台化して、俯瞰として観る事ができるのは、100年の時を経たからこそ、なのかなと、個人的には感じました。
令和の現在から「ヤマの世界」を見るからこそ、ドラマティックな、文字通り「劇的」な舞台として成り立つ‥のではないかと。

晴一さんは、ストーリーの時代設定を考える時に、どれ程の時を経たら、ドラマティックでファンタジーな舞台として成り立つのか‥。
を熟考なさったのでは‥と思います。
個人的な勝手な想像ですが🙇‍♀️

『ヴァグラント』は、希望の光を確実に感じた中で終演します。
一歩前に、踏み出す勇気と元気をくれるエンディングに、晴一さんの強いポリシーを感じました。

今、自分の中で
『ヴァグラント』がどういったものだったのか‥
どういうものとして、自分の心に残っていくのか‥。毎日考えております🧠。

オリジナルミュージカル。
日本の今のミュージカル界に晴一さんが
投じたもの。今見えているものはほんの一部。
5年後、10年後‥。もっと先。
振り返った時、あれが全ての始まりだった、と
現時点では予想できないような景色が見えてくるに違いないと思っております。

初めて尽くしだったと思います。
ミュージカル挑戦の日々。

「点でなく線で見る。」
長いスパンで物事を見る。大切な事だと思います。晴一さんは、その最初の種を蒔いたのだと
思います。

頭の中に生まれた世界を、世に出すことを
実際に行動に移して実現する。

その日々を晴一さん御自身が総括すると、ファンタジーという言葉に集約されるのでしょうか。

万事、充実して学ぶ事が多くて、夢のような時間だった‥。と感じていらっしゃる印象があります。そのように捉える感性が土台にあるからこそ、この偉業を成し遂げられたのだと思います。

晴一さんが、御自身の脳内の世界を具現化して
世の人々に披露してくださった事に
感謝致します。
この作品に関わった全ての方々、本当にありがとうございます😊
晴一さん
また、次の新たな景色を楽しみにしております🌟




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