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ぼっち在宅介護 下弦の月が見える夜

夜、明日ゴミ出しに備えて、納屋でゴミ作りをしていたら、、、
外が、モヤっと明るく、風があって。
気になって、道路に出てみると、まぁきれいに半分の月が東の空に見えて…
なんとも明るく、雲の模様まで透けて見えて…

台風の影響なのかもしれないなぁと思いながら…

こんなにしっかりくっきり下弦の月を見れることもないだろう…と写真に撮ってみました。


私がスマホで撮ると、月はいつも、ボワっと写ります。(もっとすごいレンズとかカメラを使えば違うんだろうけど…)

「こんなにきれいなのに…全然違う…」

と、毎度思います。


そう、人の目ってすごいなぁと思うのです。
私は目が悪くって、眼鏡をしているから、月なんて実のところそんなにハッキリ見えているはずはないのだけれど…

レースのように重なる雲とか、ちょっと斜めに下半分に見える月のフォルムや縁とか…
すごくきれいに見えています。
「なんだか不思議な月の色だなぁ…きれいだなぁ」

と言う気がしました。


目の悪い私が勝手にイマジネーションとかで補っていたんだと思います。

人の目というものはすごいですよね。
(病気で視野が欠けてしまう人は見えない部分を脳で補ってなんとなく見ていると聞いたことがあります。)


カメラで撮ると…

「あ、月ですね。」

と言う情報になります。
下手すると下弦の月かどうかもわからない人もいるかもしれないくらいぼんやりした、ただの一枚の月の写真です。


でも、直接見たものには、

その夜の明るさ、風の感触、夏の夜の温度や匂いに、月にかかる雲、そして明るすぎるエッジまでしっかり見える下弦の月という、そのシチュエーションにしかない特別な色や感覚が目から脳に入ってきて、

「あぁ、きれい」

と思い、描写できます。


自分の目で見たこと、
聞いた音、
感じた思い、

それらは、いかに誰かに伝えようと、同じように誰かには伝えられないんだなぁ…
と、写真に撮りながら思いました。


まだ、文章ならいくらか伝わるかもしれませんが、感度、感覚はまたそれぞれで、全く違うイメージになって届いているのかもしれません。


写真とか、
文章とか、
他人に、リアルに平たく伝えるのは無理なんだろうなぁと思いました。

だからこそ、面白いのかもしれませんね。

人が面白いのかもしれないし、
写真とか文章とか伝える手段が面白いのかもしれません。

が、難しい!


いいことでも、よくないことでも、

何かことがあって…
いろんな人がいて、いろんな思いでそのことを見ているとして…

そこで、
幸せな気分になる人と、
ふーんってただ思う人と、
ちょっとセンチメンタルなる気分になる人と、
かなり気分が悪くなる人
がいると思うのです。
もっとさまざな感情で。

自分も含めて、
心身のコンディションとか
生まれながらの価値感とか
いろんな条件で、さまざまな人からいろんな風に見えているんだろうなぁ…と、
月を見て思ったりしました。




最近、なんかで聞いたんですが…

「追い詰められている人は、自分の足元しか見えていない」

と、誰かが言ってました。


なるほど…

たしかにそうかも…と。

常に出たとこ勝負というか、
中長期な目線で物事を見ないな…
今やるべきことの優先順位が私とは違うかも…

と二人のきょうだいについて思いました。

介護を一切しない、見舞いにも来ない、
一人のきょうだいに言われたことがあります。

「あなたのそういうとこだよ、あの人はそういうとこが鼻に付くんだよ」

と、もう一人のきょうだいが言ってるように、
私にいいました。

なぜ、私は、久々にあった目の前のきょうだいにこんなことを聞かせられなきゃいけないんだろう…と当時、イラついたことがあります。

何にもしないなら、せめて余計なことは言うなよ!と内心思いましたが、そもそもが面倒くさいタチの人なんで、その場はあえてスルーしました。

時間を置いて、いつも愚痴をきいてもらう
イトコのお姉さんに話していて、ふと気づきました。

目の前のきょうだいは、自分の気持ちを私にぶつけたのかなと。

親の介護も手伝わない、お金も援助できない、揉めている家族の間もとりもつことすらできない…


介護はしんどいはずなのに…自分よりも疲弊したように見えない妹。笑って介護してるように見える妹に、イラッときたのようなんです。
私はそのきょうだいの鼻についたのです。

が、いきなり、父の介護をしてくれている妹に、嫌味を自分の気持ちとしてぶつけるわけにいかず…とっさに、もう一人のきょうだいの存在を借りてぶつけてきたようでした。
自分じゃないと言うのが最大の優しさだったのか…これ以上印象を悪くしたくなかったのか…

とは言え、どっちにしても、ただのビビりだなぁ…と私は思います。
潔くない。
自分のことをフォローするのが精一杯で、父や周りの人の思いには全く配慮できていない…


私は、そんなに優しくないので…
「なるほど」と思い、改めてスルーすることにしました。

きょうだいへ悪態を言い返しもしなければ、、、優しい言葉もかけないし、
こまめな連絡もしないことにしました。
スルーオンリーです。


そのきょうだいは、
年齢的にも体調的にも仕事的にも
今、理想の暮らしとはちがうことになっている模様です。

いい歳なのに、常に労られたい人のようです。
頭を首から下げて…足元しか見えていないんでしょうね。
父の顔すら見にこなくなりました。
歳の離れた末っ子に全部任せて、トンズラです。(笑)



あー、きょうだいには、この月は見えているのでしょうか?
月のエッジはどんな風に見えていますかね?

頭を下げているから、目に入ってないかもですよね。

もしかしたら、物悲しくお酒を飲みながら見ているかもしれません。

まー、それはそれで、やってみてくださいな。

人に、「ほら見て!」って、顔をあげて欲しい人も時もあるかもですけどね…

「あんたに言われたくないわ!」という人も時もあるだろうし。

そういうのは、今は、そのきょうだいの家族とか周りの親切な人にお願いしてもらいましょう。私の管轄じゃないなと気づきました。
私が言うと「鼻に付く」からね。
やめときます(笑)



今夜、月を見て…
見えない部分も自分なり見つめてみて…

今の自分に必要なことは見えてることだけでよくて、
目に見えてこないことは、、、
きっと、今の私には必要はないのだと思うので…

必要ないことに気持ちをすり減らすのは勿体無いから…

やっぱり…その辺りにあることだけ認識して、ぼんやりイメージしてそっとしておきます。


そんな風に思う夜でした。

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