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ぼっち在宅介護 雑記 父の『役に立ちたい』気持ち
今日は雑記です。
先日、私の歯医者で先生とお話ししていて気づいた話です。
私がガッツリ介護をしているのをご存知の先生、いよいよご両親に免許返納や認知症テストを受けるなどの時期がやってきた…という話をしてくださいました。
「なかなか難しいですねぇ、父の性格的にちょっと…介護申請とかどう進めたんですか?」と質問されたりしました。
性格的に難しい…
ほんとに。。。いろいろあります、ハイ。
ウチの父も、まぁ、ちゃぶ台ひっくり返しそうな奴で、酒こそ飲めないのでひっくり返しはしないけど、張り手が出たり、「うるさい!」と一括して家族を制するような、昭和の面倒くさいオヤジです。
介護申請を理解させるのも難しかったです。
お金がないから助けてもらうイメージだったり、認知症の老人と決めつけられるイメージだったり。
なのでウチの場合は…
母に認知症の気配があったので、
父には「お母さんの様子がおかしいからプロに見てもらうから、形だけ一緒に受けてあげてくれる?」とお願い。
父は骨折して動きづらい状況があったので、
母には「お父さん骨折っぽいから。病院行かないって言ってるし、介護のプロに面接してもらいたいから、一緒に受けてあげてほしい」とお願いしました。
という話をしまして。
認知症の母とじゃない父が、同居の中で険悪になっていく話などにも発展。
私の方が!俺の方が!しっかりしているアピール合戦とか相手のミスを告げ口したり、「いろいろあるよねー」と話していましたら…
先生は、「あーなるほど、父親にもいくつになっても人の役に立ちたい!って言う気持ちはありますもんね」と言われてハタっと気づきました。
『人の役に立ちたい』
『頼りにされたい』
そこを汲んで行動をお願いするか否かは、大きな違いを生んでいるかも!と思いました。
話しは飛びますが、
せん妄になった父は、普段は喋らないのにベラベラしゃべります。脈絡のない話の時もありますが、ものすごくしっかりと意味のある話をすることもあるんです。結構、心の声漏れてるな〜という感じで。
「おじいさんは、嫌だなぁ…」
「おじいさん、いやですか?」としれっと私が聞き返すと、
「はい、嫌ですねー。辛気臭くて、年寄り扱いされるのは嫌ですわ」
「でも、Aさん90歳越えてますから、おじいさんじゃないですか?」
「それを言われちゃそうなんですけどねぇ。若いもんが次々きてくれて、いろいろしてくれてるでしょう。ありがたいんですけど、こっちは何にもできない。羨ましいやら、くやしいやらで。ま、とにかく、おじいさんにはなりたくないですわ〜」
と言っていたのを思い出しました。
認知症だったり、じゃなかったり…
けど、根底には、人の役に立ちたい。
荒れる人は…
役に立てていない自分が悔しくて荒れる
とか?
いろいろ嫌がって静かになる人は…
失敗して周りに迷惑をかけるので未然に防いでるとか?
おし黙る人は…
気の利いた言葉が出てこないとか?
おしゃべりな人は…
まだまだ若い子には負けないぞ!と思って頑張ってるのかとか?
あらためて、イメージしなおしてみると
そんな風に感じたりしました。
で、また話は変わってしまうのですが、、、
(脈絡なくてすみません)
ウチの父は、介護一年目の途中から、急に前向きになりまして。主治医を驚かせました。
当初は、人様にケアされることを嫌がり、まだトイレまで「自力で行きたい」と足掻き、毎夜毎夜間に合わないトイレに支えて行っては、転倒まがい。廊下で体力が尽きて、立ち上がれずに2人で看護師さんを待つこともありました。ひどい時は、こっそり1人でやろうと試みて、翌朝ベッドから落ちていたり。。。
トイレは間に合わないので、漏れたり、汚れたり。毎日、洗濯物の山山山。
認知症の母は、そんな父を横目に「じっとしとったらええのに、なんであんなことすんのよねー」と言って。母もこっそり1人トイレに行き転倒、床に尻もちついて肋骨を圧迫骨折するという…負のスパイラル
母の態度に、父は感情的な悔しさと、自分だけでもどうしても早く治らないと!という焦りから、冷静な判断ができなかったんだと思います。とにかく、その時の父自身を彼は受け入れられずにいたんです。
父の荒れっぷりに、私は手を焼いて、、、
連日、看護師さんやケアマネさんに相談したりしていたように思います。
で、
「賭けになるかもだけど…リハビリを勧めてみますか?」という提案がありまして…
賭けというのは…
やる気にエンジンがかかりもっと1人でトイレに行きたがったり、無茶をするようになるかも
という心配もあったからで。
でも、決行することにしました。
当時、父に関しては、誰が何を提案するか?
どんないい方をするか?など、結構、難しい対象者になっていまして。
「これは、娘さんから…」
「これは、看護師がいいます」など、
皆が慎重になっていました。
父が完全な介護拒否になると、認知症の母とのトリプル介護が破綻しかけないからでした。
しかも、女好き感もないので、異性が話しかけるメリットもなく…リハビリの先生は男性にした方がいいかもとか、、、
もう、めちゃくちゃご面倒をかけていたように思います。
で、リハビリの提案は私からとなりました。
「あのさー、リハビリなんだけど、やってみない?男の先生来てくれるって。病院で一番人気らしくて、この日のこの時間しか空いてないって。」
「…」
「あのさー、自分の思い通りにならないからって不機嫌になられても困るんだよね。私は手伝うことはできるけど、オヤジの体の一部にはなれないし、代わってもあげられないからさー。こんだけ若い人たちが力になります!って来てくれてるのに、オヤジはオヤジにできる努力はしないわけ?今やるべきことは、自己流で勝手にトイレに行くんじゃなくて、プロから筋肉の動かし方とか教わって、できる部分を増強したりじゃないの!ずっとふてくされていたいなら、いたらいいけどさ。なんも解決しないよ。
オヤジにできることってさー、いっぱい助けてくれてる若いもんに感謝して、サービスをちゃんと使って、お金を落としてあげて、介護の仕事についてる人の収入を上げて、職業の価値をあげることじゃねーの!って思うんだけど!」
とかって、私はタンカっぽいのを切って部屋を出てった気がします。
父は、社会保険労務士で、
会社の環境などを立て直すような仕事をしていたので。
職業、仕事人としての目線で物事を見たらわかってくれるような気がしたからでした。
夕飯どきに、リハビリのことを再度確認。
「どうする?チャレンジする?このチャンス逃したら、一番人気の男の先生の枠はなくなるかもやけど…」
父は頷きました。
「やるの?」
「うん」
そっからです。
リハビリも頑張りましたし、看護師さんへの態度もずいぶんな塩から、普通の塩くらいの対応になりました。
その豹変ぶりは、看護師さんから主治医に伝わって…驚かせたと言うわけです。
主治医は私に
「何やったの?すごいじゃん」
「いや、べつに、頭に来たんで、もういいたいことを言ってやった!と言う感じなんですが、腹が立ちすぎてて、本人にわかるように言わないと気が済まなくて…」
介護に携わる人の収入につながるように話したくだりを言うと
「あー、なるほどな〜、いやいやすごいすごい」と褒めてくださいました。
たまたま、怒りが込み上げて堪らなかったから、こう言う表現になってしまったということではあったんですが、、、
今にして思えば、
『人の役に立ちたい』
『まだまだ役に立つ身でいたい』
と言う父の気持ちをくすぐったのかも…と思ったりもしました。
いろんな方がいるし、
いろんな仕事をされてきただろうし、
どんな言葉が響くのかはわからないけれど、
人それぞれにわかりやすい、解釈しやすい分野とか言葉はあるのかなぁと思います。
父に関しては、主治医も言ってくださいますが、母とは違い、ちょっと高度な心理の判断ができているようです。
ちょっと複雑な思いで、悩み迷うような。
で、最良の判断を求める感じがあります。
何ごとも、総合的に捉えて、時に厳しい決断になろうとも、必要悪ならあえて選ぶような、昭和男な感じなので。そこをくすぐるフレーズは選んでしゃべってる気はします。
それから、なんでも話すことにしました。
決断も父に委ねています。
本人は言葉少ないので、会話にはなりませんが、黙ってスルーしてるのかと思うと、実は驚くほど聞いていて。
情報という情報をあたえて、
で、最後に「どうする?」「チャレンジしてみる?」と聞きます。
「うん」といえば GO
首を振れば NO
黙ってる時は
pending または 今じゃない または わからない
→再検討したり、私に任せる
という感じです。
今現在は、介護プラン自体を彼自身が主体的に決断している感覚もあると思うので、かなり素直にケアを受けています(笑)
協力姿勢もとりますし、摘便も頑張ります。
あまりに喋らないので、介護スタッフさんが帰る時に頷くだけで、「あー!Aさんが頷いてくれたー!嬉しい!」と喜んでくださいます。
高い会釈です…ほんとに申し訳ない。
でも、
先端恐怖症な感じがあるので、点滴や吸引、先の細い医療行為などは、ワーワーいいますけどね(笑)
『人の役に立ちたい』
『頼りにされたい』
いくつになっても、そりゃありますよね。
とかとか
歯医者の先生と話していて思いだしました。
なかなか、介護を受け付けてくれないとか、
デイサービスに行きたがらないとか、
そういうことがある時は、交渉の言葉やフレーズを変えてみてはいかがでしょうか。
万人にうまくいくかはわかりません。
認知症の方はまた違うと思うので。
そのあたりはご理解いただけたらと思いますが。意外とわかってくれてるし、話しも聞いてくれているので、いろいろ話してみたら、事態は変わってくるかもしれません。
次は、認知症の母がデイサービスに行きたくなくなる理由がわかった時のお話を書いてみようかと思います。