G検定
人工知能の定義
中島秀之氏(公立はこだて未来大学)
人工的につくられた、知能を持つ実体。あるいはそれをつくろうとすることによって知能自体を研究する分野である。
山川宏氏(ドワンゴ人工知能研究所所長)
計算機知能のうちで、人間が直接・間接に設計する場合を人工知能と呼んでよいのではないかと思う。
松尾豊氏(東京大学大学院工学系研究科准教授)
人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術。
人工知能の概要
人工知能 VS 人間
チェス:1997年、「Deep Blue」に敗れる
クイズ:2011年、IBMの「ワトソン」がアメリカのクイズ番組で優勝
将棋:2012年、元名人の米長邦雄氏が、「ボンクラーズ」に敗れる
ILSVRC(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)
2012年、トロント大学のSuper Vision(AlexNet)が優勝し、ディープラーニングを使って圧倒的な勝利をおさめる
2013年、Clarifaiが優勝
2014年、GoogleNet(インセプションモジュール)が優勝、VGGが第2位となる
2015年、ResNet「残渣ネット」(Residual Network)が優勝し、画像認識分野において人間の成績を上回った
2016年、ResNetの変形によるショートカット付き多層化CNNモデルで、領域切り出しネットワーク(Region Proposal Network)、超高速領域CNNを複数合議制(アンサンブル)で精度向上を実現
シンギュラリティ(技術的特異点)への驚異
レイ・カーツワイル氏
2045年までにシンギュラリティに到達すると提唱
スティーブン・ホーキング氏
「完全な人工知能を開発できたら、それは人類の終焉を意味するかもしれない」
「人工知能の発明は人類史上最大の出来事だった。だが同時に、『最後』の出来事になってしまう可能性もある」
イーロン・マスク氏
「人工知能にはかなり慎重に取り組む必要がある。結果的に悪魔を呼び出していることになるからだ。」
「ペンタグラムと聖水を手にした少年が悪魔に立ち向かう話をみなさんご存知だろう。彼は必ず悪魔を支配できると思っているが、結局できはしないのだ」
ビル・ゲイツ氏
「私も人工知能に懸念を抱く側にいる一人だ」
GoogleによるAI技術開発の原則
社会にとって有益である
不公平なバイアスの発生、助長を防ぐ
安全性確保を念頭においた開発と試験
人々への説明責任
プライバシー・デザイン原則の適用
科学的卓越性の探求
これらの基本理念に沿った利用への技術提供
人工知能の種類
人工知能のレベル
レベル1 単純な制御プログラム(アルバイト)
厳格なルールを定め、その通りに動くだけ
一般的なプログラムと何ら変わりない
レベル2 推論・探索、あるいは知識を使った古典的な人工知能(一般社員)
推論・探索を行ったり、知識を投入しているため、入力と出力を関係づける方法が洗練されている
将棋や掃除ロボット、あるいは質問に答えられるもの
レベル3 機械学習(課長)
サンプルとなるデータをもとに、ルールや知識を自ら学習していくもの
検索エンジンに使われたり、ビッグデータをもとに自動で判断を行うような人工知能
レベル4 ディープラーニング(マネージャー)
特徴表現学習を行なうことができ、ビッグデータから特徴量を自動で学習する
強いAIと弱いAI
強いAI
「正しい入力と出力を備え、適切にプログラムされたコンピュータは、人間が心を持つのと同じ意味で、心を持つ」
人間のように物事を認識し、人間のように仕事を行なう行う、あたかも人間のような自意識を備えているAI
弱いAI
心を持つ必要はなく、限定された知能によって一見知的な問題解決が行えればよいとする立場。
人間の知能の一部を代替するが、あくまで「機械的」な存在
特化型と汎用型
特化型:
特定の決まった作業を遂行するためのもの
自動運転、画像認識、将棋やチェス、対話
汎用型:
特定の作業に限定せず、人間と同様、あるいはそれ以上の汎化能力を持ち合わせている
以下のようなものではない、という定義がされている
特化型のAIの寄せ集めではない
最初から何でもできる知能はない
タブラ・ラサ(白紙)から学習しない
意識の有無は考慮しない
HWとAI
CPUとGPU
CPU(Central Processing Unit)
与えられた処理を1つ1つしかこなせないが、圧倒的なスピードで処理をしている
GPU(Graphics Processing Unit)
画像処理のためのハードウェアで、並列計算に特化したアーキテクチャ
大量の並列計算が行えるため、ディープラーニングではGPUが一般的となっている
GPGPU(General-purpose Computing on GPU)
3DCGやCADなど、科学技術計算などで使われる様になったGPU